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【栄養】脂質の代謝経路 MCTオイルとは?

こんにちは!

最近は個人的に食事管理を頑張っていこうと思っているので、noteの内容も栄養に関するものが多くっています!


今回のテーマは

「脂質の代謝経路」と「MCTオイル」

です!


ダイエットや減量頑張っている方は脂質に関して注意していることも多いのではないでしょうか。摂取した脂質がどうやって体内に取り込まれているかご存じでしょうか?そして、最近耳にするMCTオイルですが、なんとなく体にいいらしいから使っている、そんなことはありませんか?

まだまだ勉強不足ですが、僕なりに解説させていただきます!少しでも記事を読んでいただき理解が深まればと思います。




1.脂質ってなに

脂質は、炭素、水素、酸素で構成されており、水に溶けない性質を持ちます。三大栄養素の1つ(炭水化物・蛋白質・脂質)で、1gあたり9kcalと重要なエネルギー源になります。

また、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として臓器を保護したり、体を寒冷から守ったりする働きもあります。そして、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促すなど、重要な役割を担っています。

図2




2.脂質の代謝経路

まず食物中の脂質の大部分はTG(トリグリセリド)と呼ばれる、いわゆる中性脂肪で、それに加え、リン脂質やコレステロールエステルが存在します。
それらは主に小腸で消化酵素によって分解されます。リン脂質はリゾリン脂質と脂肪酸に、コレステロールエステルは遊離脂肪酸とコレステロールに、TGは脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。


ここで分解された脂肪酸には様々な種類が存在します。

脂肪酸の種類:
脂肪酸は、繋がる炭素の長さで分類した場合は、「短鎖」「中鎖」「長鎖」と分け、炭素同士の結合で二重結合が有るか無いかで「飽和」「不飽和」に分けられます。
また、不飽和脂肪酸は二重結合の数によって一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸に分類することができます。

➡一価不飽和脂肪酸は、n-9系脂肪酸とも呼ばれ、オレイン酸などがその代表です。体内での合成が可能なことから非必須脂肪酸となります。

そして、多価不飽和脂肪酸は細かく3種類に分類することが出来ます。
➡1つ目は、n-3系脂肪酸です。いわゆるオメガ3です。α-リノレン酸がその代表で、体内で代謝されるとEPAやDHAとなります。また、体内での合成できない必須脂肪酸に分類されます。EPAやDHAを多く含む魚油には血栓予防や血中脂質の改善、抗炎症作用などの効果が期待できるといわれています。

➡2つ目は、n-6系脂肪酸です。いわゆるオメガ6です。リノール酸がその代表であり、必須脂肪酸のひとつです。大豆油やコーン油、サフラワー油などの植物油に多く含まれ、血液凝固や血管収縮を抑制する作用がある可能性があります。

➡3つ目は、トランス脂肪酸です。マーガリンやファットスプレッドなどに含まれています。トランス脂肪酸の摂取量が多いとLDLコレステロールの増加に加え、HDLコレステロールを減少させる可能性があります。

図3

図17



そして、長鎖脂肪酸(炭素数14以上)はやコレステロールは難水溶性で小腸の吸収細胞の表面にある不撹拌水層を通過しにくいため、胆汁酸やモノグリセリドなどと混合ミセルを作り、この水層を通過します。

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公益財団法人 日本食肉消費総合センターHP


その後、細胞内に入った脂質はトリグリセリド(中性脂肪)に再合成されます。
そして、アポリポたんぱく質と合体し、リポたんぱく質を形成します。
粒子の大きさや比重の違いによって、カイロミクロン(Chylomicron)、VLDL(Very Low Density Lipoprotein)、LDL(Low Density Lipoprotein)、HDL(High Density Lipoprotein)に分類されます。脂質摂取後に小腸で作られるリポたんぱく質は、カイロミクロンが主となります。
そして、直径が100nmもあるため毛細血管に入れず、毛細リンパ管へ入ります。その後、リンパ管から胸管に入り、鎖骨下静脈から大循環系に入って全身に運ばれます。主に脂肪組織や筋肉組織に取込まれ、一旦貯蔵されてからグリコーゲンが枯渇したときに分解されて、ゆっくりと消費されます。つまり、「長鎖脂肪酸はエネルギーとして代謝されにくく、体脂肪として蓄積されやすい脂肪酸です。」

また、中鎖脂肪酸はリパーゼによりほぼ完全に分解され、遊離の中鎖脂肪酸(炭素数8-12)を生じます。中鎖脂肪酸は混合ミセルに取り込まれずに細胞内に入ります。中性脂肪に再合成されず血清アルブミンに結合して毛細血管を通り肝臓へ運ばれ、速やかにエネルギー源となって代謝されます。

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中鎖脂肪酸中性脂肪とは https://ketogenic-diet.org/MCT/MCT.html 


このように脂肪酸の種類などによって代謝経路が少し異なります。
簡単に言うと、

・長鎖脂肪酸は分解され遠回りして、筋や脂肪組織に運ばれるため、蓄積されやすい。
・中鎖脂肪酸は分解されると近道して、肝臓へ運ばれすぐにエネルギー源になる。

こんな感じですかね。




3.脂質ってどんなものに含まれているの

①飽和脂肪酸
➡常温で固まる性質を持つ。過剰摂取・摂取不足に注意が必要。LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らす。主にエネルギー源となる。
➡ラード・牛乳・バター・ココナッツオイル

②一価不飽和脂肪酸(n-9系脂肪酸)
➡熱に強い。酸化されにくい。血中コレステロールを減少させる。
➡オリーブオイル・菜種油・アボカド

③多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)
➡必須脂肪酸。酸化しやすい。抗血栓作用。血液中の中性脂肪を減少させる。
➡えごま油・アマニ油・サンマやブリなどの青魚・マグロ・ウナギ

④多価不飽和脂肪酸(n-6系脂肪酸)
➡必須脂肪酸。血液中のコレステロールや血圧を下げる。
➡ヒマワリ油や大豆油などの植物油

⑤多価不飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)
➡LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らす。血液の脂質をアテローム性(動脈硬化などの原因)に変化させる。
➡マーガリン・ファットスプレッド・ケーキ・ポテトチップス


このように脂質といっても多くの種類が存在し、様々な食物に含まれています。
さらに、それぞれ特徴があり、体に対して良い影響を与える良質な油と悪影響を与える悪質な油が存在します。植物油一つとっても効果は変わるのです。




4.MCTオイルって体にいいの?

図1

MCTオイル(中鎖脂肪酸油)とはココナッツオイルやヤシ油に含まれている中鎖脂肪酸成分をオイルにしたものです。

脂質代謝でも説明したように、中鎖脂肪酸はリパーゼで完全に分解され毛細血管に入り、肝臓へ至ります。速やかにエネルギー源になることから筋や脂肪組織に蓄積されにくいです。

メリット
・体脂肪になりにくい
・エネルギーになりやすい

デメリット
下痢、嘔吐、吐き気、胃腸の不調、脂質欠乏などの可能性がある。

サプリメントの摂取によって下痢になった、おなかの調子が悪くなったといった消化器障害を起こす方もいらっしゃるみたいです。




5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

脂質一つ取っても色んな種類があって、一つ一つ特徴があります。それらを理解したうえで、自分の身体に合ったものや理想の身体になるために、ただ良質の油を摂るということではなく必要なものを選択し、摂取していくことが一番なのではないかなと思っています。

トレーニングには原理・原則が存在しますよね。その中で意識性はとても重要な要素だと感じています。そして、これは食事に関しても一緒だと思っています。意識的にどんな食事を摂取するとどのように代謝され、どのように体に影響を与えるのか理解したうえで食べると効果も変わってくるのではないでしょうか。



最後まで読んでいただきありがとうございます!

分かりづらい点も多かったと思いますが、少しでも脂質について理解が深まれば幸いです。




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