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私の夢

私の夢は、私が居てもいい場所を作ること。

高校生の頃、真っ暗の部屋で一人、どこにも自分の居場所はないんだと泣いた。

私は家族からしたら必要ない、邪魔な存在なんだ。

夜中に家を飛び出す。行き先は近所にある神社。

交番の前をビクビクしながら通り、真っ直ぐ通い慣れた通学路をただ歩く。

夜風は澄んでいて、心が少し落ち着く。

夜空を仰ぎながら歩いていると、私は確かに一つの青い流れ星を見た。

青い流れ星。

家族と言い合いになった時、咄嗟にその場から逃げるのが癖になっていた。


私はあの頃、すごくストレスがかかった時、涙を流したくない時、自分の爪を立てて、皮膚が抉られるほど強く腕を握る癖があった。

次の日、なぜ指がこんなにも痛いのか、不思議に思ったが、思い出す。
あぁ、爪を立てられてない方の手か。

衝動的なものだから、ポンと忘れてしまう。なかなかやめられない。

私の癖。


自分の腕に爪を立てている時、頭の中の靄、霧のようなものがすーっと晴れていく感覚になる。


あの時も、


父が目の前で私に対して土下座をする。

これでいいか!これで気が済んだか!!

普段温厚な父、目の前で何が起こっているかわからなかった。

頭おかしくなったんちゃう!!などとヒステリックに叫ぶ母、珍しく私を庇っていたような

何があったか、わからない。

目の前で起こっていることなのに何がなんだかわからなくなる。

ただ、私が何か悪いことをしたんだということだけがわかるような、わからないような。

父の土下座。


父には私の居場所はここにはないと、はっきり言ったことがある。

毎日が苦しい、辛い、私の気持ちはあなたにはわからない、と。

父は、ある話をしてくれた。彼が自死しようと思った時の話だ。

また、彼は「どこにでも行けばいい。自分の居場所は自分で作るもの。」と私に言った。

その時、私は決意をする。


次の年の春、大学入学と同時に、私は一人暮らしを始めた。


夢への一歩。













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