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【エッセイ】娘の成長を心の底から喜べない。

1才4ヶ月の娘がアンパンマンを指差して「あんぱん!」と言うようになった。

犬を指差して「わんわん!」ネズミを指差しても「わんわん!」ワニを指差しても「わんわん!」(笑)

そんな言葉の出始めの娘。とっても可愛い。
それはもう、とってもとっても可愛い。

動物が全て「わんわん」になってしまうところも、
アンパンマンが大好きで、アンパンマンのことだけハッキリ「あんぱん!」と言うところも、全てが可愛い。

でも、この成長を手放しで喜べない私もいる。

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私には、ASDと診断されている3才の息子がいる。

彼の発達に違和感を覚えだしたのは1才半くらいの時。

息子は喋らなかった。
指さしもしなかった。
そして、クレーン現象(親の手をクレーンのように操作する)もした。

「ASDかな?」

ネットで調べると出てくる”ASD”という文字。

きっと、これだろうな。
私自身もそういうところがあるし、恐らくそう。

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そんな風に私の中ではほぼ確信に至っていても、小学校教員のママ友には、

「えぇ?息子くんが発達障害って心配してるの?!え、ないない。だって、バイバイとかも出来るし、大丈夫だよ。」

とフォローしてくれる。

子育てサロンの先生や、かかりつけの小児科医や、1才半検診の小児科医や心理士の先生や発達センターに相談しても返ってくるのは、

「まだ様子見で大丈夫。」

の一言。ただ1人、一才半検診の保健師の先生に「2才で2語文が出ていなかったらマズイです。」とキツめに言われて、それはそれで傷ついたんだっけ。

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娘が1才4ヶ月でハッキリ「アンパン」って言う姿を見ると、この時のことが思い出されるのだ。

「やっぱりぜんぜん、大丈夫じゃなかったじゃん。定型っ子と明らかに違うじゃん。」

あの時の私は「様子見で大丈夫」って言われても不安だったし、「このままではマズイです」って言われても不安だった。

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一番辛かったのは、私に共感してくれる人がいなかったことだ。

「ママ、考えすぎじゃない?」「まだ1才半だから。」「知り合いの子で同じような子がいたけど、大丈夫だったよ。」

どれも私のことを想って慰めてくれているのは分かったけれど、そう言われたところで不安や疑念が消えるわけではない。

そして、これらの言葉は私の不安や疑念を肯定してくれるものではなく、なんなら否定されているように感じることもあった。

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もっと悪いことに、私の夫は私が「ASDかも」と思っていることに対して拒絶を示した。

「自分の息子が障害者だって言うのか!よくそんなことが言えるな!」

こう怒鳴られた。

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「発達障害かも?」と思ってから診断が降りるまで、そしてそこから具体的な支援に繋がるまで。

この期間が一番辛いし長いっていう話は、境遇を同じくする発達障害児のママパパさんと共感することが多い。

この一番辛かった時期を私に思い出させるのが、皮肉にも娘の成長なのだ。

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そんな息子も、現在では療育に繋がり、保育園でも療育事業所でも弾けるような笑顔で楽しそうに過ごしている。

言葉も3才を過ぎてから出始め、随分と意思疎通ができるようになった。

こうして振り返ると、成長にはその子のスピードがあるように思う。だから周りと比較しても全く意味がない。

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他人と比較するのは、
自分の価値を見失う最大の理由です。

コーチング業界の礎を築いたトマス・J・レナード氏の言葉だ。

大人になってもつい「隣の芝が青く見える」時があるが、人それぞれ、歩む道や成長のスピードは異なるもの。

比較せず、それぞれの価値や幸せを大切にし、それぞれの道を一歩ずつ歩んでいくことが大切なのだと、子どもたちから教えてもらったように思うリケジョママです。

どうぞよしなに。
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