商業出版する方法#77〜現場の編集者の意見や発信を注視していきましょう。
元KADOKAWAの編集者でビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉です。
私のnote記事、#76〜商業本は「あなたの本を出版する」ではない、の記事をシェアいただきました。
ありがとうございます(^^
すでに著者さんとして御本も出される予定もあるとのことで、、ぜひ良い本を世に出していただきたいですね(^^
ということで、今日は#77ですが、タイトルにもあるように、商業出版を目指すのであればぜひ「現場の編集者の発信・意見」を読んだり見たり、聞いたりしてほしいです。
かつてと違って、出版社の編集者も「ただ本を作るだけでいい」という感覚を持っている人がだんだんと少なくなってきています。
編集者はそもそも感度が高い人たちの集まりですが、その中でもさらにアンテナが立ちまくっていて、最先端を追っかけたい人たちは今「SNSでの発信」も躊躇なく行い始めています。
特にビジネス・実用書の編集者たちは、SNSの社会的影響力に自分たちも気づくようになっていて、各種SNSを使いこなすようになってきています。
編集者は「Twitter」「Facebook」「clubhouse」そしてこの「note」を特に活用しています。
noteを見渡してみると「出版社」が直々に発信を行なっている場合も見受けられるようになりました。
だから商業本を目指す方は、ぜひSNSに生息している編集者の「生の声」というものにも耳を傾けたり読んでみたりしてほしいと思いますね。
そういう人たちが何気なく「著者にしたいのはこんな人」とか「著者として一緒に本を出したい人はこういうタイプ」みたいな話題も呟いてたり発信してたりするし、本作りに関するさまざまにディープな裏側情報も公開していたりします。
送られてきた出版企画書への率直な意見も書かれていることが多いですよ。
ただその大半が「〜してほしいんだけどなあ」という要望の見解が多いですけど(笑。
商業出版の世界は、あなたにとって「異業種・異業界」です。
でも本を出したい!と思っている人ほど、そんな「異」の世界を知ろうとも探究しようともしない人が8割以上だな、というのが元大手の出版社にいた編集者からの意見です。
本出したい!書きたい!とかいうけど、なーんも「こっち側」の世界の実情を知りもせず、手っ取り早く「企画書書いて送ってみようか」みたいなことになり、自分だけで頑張って、うまくいかなかったら、あー無理とか言って早々に諦める。
そんな本気じゃない人を、出版社の編集者も相手にするわけがありません。ただでさえメーカーの商品作りとして本を制作することで忙しいのに、ふわふわとして「本さえ書いたら有名になって、売れて注目集める作家になれるかも〜!」みたいな打算バリバリな考え方の相手をしている余裕などないのです。
往々において、著者候補・および今はときめくベストセラー著者であっても一回は編集者に「泣かされている」事実が多いです。
今は著書を何作もだし、テレビにも引っ張りだこのお医者さん著者でも「最初の企画書に対し、編集者にボロクソに言われて泣きをみた」というエピソードもブログで読んだこともあります。
編集者も何も泣かせたくて言ってるわけではないのですが、本を出したい!と思っている人と出版の現場で本という「商品」を出し続けている編集者との間には、明らかに「出版市場」への・そして「本」というものへの「想い」に”違い”があります。
本を出したい人は、やっぱり「自分が一番」の視点になりやすいです。
でも編集者は「読者が何を買ってまで読みたいか」の視点で本作りをしています。著者を選定しています。
だからこそ、距離感も生まれやすいと考えます。
ただね。
本作りをゴリゴリにやっているのはビジネス書・実用書の世界では「編集者」です。文芸の作家と比べて、編集者が関わる度合いが多いのも特徴です。そして、何の本を誰に向けて商品として出すかを「決めている」のも編集者であり、編集者が所属する出版社です。
ゆえに本を出したい!と思う人が、やらなければならない「情報収集」があるとすれば、やはり現場の編集者の声を追っかけてその「真実」に辿り着くことだと思います。
出版社の書籍編集者だ(雑誌編集者はまた業界が違うので注意が必要)、というプロフィールを見たら、ぜひそのSNSを積極的にフォローし情報をインプットしていきましょう。
編集者はたった一人の著者だけを相手にしていません。年間で5〜16冊くらいの本作りに携わるので平均しても年に10人は「別の著者」との付き合いを行い、さまざまなジャンルやテーマの本作りを行なっています。
そして出版社に所属していることから、同僚の編集者が作っている本や著者のこと、営業部も近くあることから露骨なまでの「販売実績」を突きつけられながら仕事をしています。
その意味を含めても、出版社の編集者が発する「リアルな声」に食らい付いてきてもらいたいと思いますね。
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