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【商業出版する方法+233note公開!出版コンサル】闘病体験などはビジネス・実用書の商業出版ではどう動くと良いのか?

元KADOKAWAのビジネス・実用書出版コンサルタント+編集者+ビジネスプロデューサーの渡辺です。

先日から募集させてもらっている「note公開!出版コンサル」ですが、
早速にご連絡をいただきました。
ちなみにこの企画の詳細はこちらです。
↓↓

1)ご質問とご相談の内容に関して


今回は下記を頂戴しております。
(ご相談は全文掲載が条件となるので、その方向で転記&掲載させていただきます)
 
============
現在、統合失調症の理解を深めるための講演活動を看護学生や精神科職員、作業療法士を中心にしています。
出版予定の本では闘病体験を半分、回復に至り講演家になるまでの過程をコミックエッセイで書いていますが、出版は不向きでしょうか?

============


2)医療系や闘病系に関する本についての見解

実を言うと、私は募集の段階(noteの記事上)で、"お断り”として下記の条件をつけています。

2)自分史や闘病記・体験記などをはじめとした「自費出版系」の本の刊行を希望されている方
(残念ながらハウツー本・商業本のジャンルでは無いので、お断りさせていただきます)

https://note.com/rika_pub/n/n937843fb178a より

ぶっちゃけ、内容は「闘病記系」にあたるので、、取り上げるかどうか迷いました。


ですが、この質問者さんの相談文を読む限り、、

統合失調症の理解を深めるための講演活動を看護学生や精神科職員、作業療法士を中心にしています。」

とあるので、そこを活かして、今回は特別に記事としてアップさせていただきます。

こういった「メンタル疾患」系のご経験をされた方は、ご自身の体験から「世の中にこの症状の理解を広めたい、深めていきたい」との思いが強くあり、その方向で、さまざまな社会活動を行われる方、多いです。

その流れで、本を出したい、ほんにしたい!と考える人も非常に多いですね。よく出版社にも企画や相談が持ち込まれます。

 
前提として、その活動自体は、とても素晴らしいことですし、正しい理解や知識を増やしていってほしいとは私も思うので、ご活動じたいを否定することはありません。


が。

これが「ビジネス書・実用書」のジャンルで、商業出版化にいたれるか、、というと、またちょっと違う視点で話をする必要はありますね。
 

3)医療系テーマで本を出したいのであれば、単なる体験記のような感じ”だけ”だと・・・難しいケースが多い。なので、準備を念入りに。

この質問の企画アイデアを見るにつけ、編集者視点から見ると完全に「医療の知識・知恵・見解」が必要になります。
よって、商業本としての出版確率を高めるためには、「自分だけの経験や見識だけで商業本にする」のはちょっと商品としてリスクが高いかな、と感じます。

できれば「監修者」として、医師など、医療のプロとなる方の協力をつけてもらえる感じだと、編集者も少しは前向きに考えやすいかな、と感じます。

あるいは、ご自身において何か「プロ」と証明できる、医療系の国家資格保持で、その資格をいかしてお仕事や活動をしていたり、、、

講演実績などが、他の同様な活動をしている人たちに比べて「群を抜いて」いて、何かその筋で知名度が高い、活動状況が多くの人から認められていることが詳しく証明できるようであれば、、編集者もちょっとは前のめりになるかもしれません(この相談者さんの書き方だけだと、どれくらいの講演実績があるのかが不透明状態)。

また、どうしても体験記系で勝負したい!のであれば、先にSNSやブログなどで一般公開してもらって、世の中に公表いただいて「支持者(ファン・フォロワー)」を募ってもほしいかな、と考えたりしています。

ただこういうことを言うと、
「ああ、SNSのフォロワーをたくさんつけて、インフルエンサーにならないとダメってことなのか!」と食いつかれそうですが、、

でも、商業本の世界では「本を出したら、すぐにたくさん売れていく!そういう本の企画を考え、商品化する」という仕事を現場の編集者は行っていくので、、

単に「あなたは良い活動しているから、本にしましょう!」と依頼することはありません。

ちなみに、調べたらちょうど私の古巣KADOKAWAで今回の相談者さんと似たような”体験記”をSNSで発信していたりしたことで、商業本化している本を見つけました。


でも、この本も上記に挙げたように・・・

・監修者として医師をつけている
・著者がSNS発信(ツィッター)での実績が高い

という点をクリアしています。


すみません。
その意味でも商業本の出版社は

「あなたの本を出版しますではなく」、、

完璧に「商売」を行う前提で、出版活動を展開しています。


その意味で「ビジネスになるコンテンツなのかどうか」は、シビアにジャッジさせていただくので。。。


そこをクリアできるよう、事前準備はしておいた方がいいでしょう。


要は、出版社は本を売らないと事業として成り立っていかないですし、それも数十冊や数百冊ではなく、数千〜万、数十万単位でどんどん売れていく本を作りたいんじゃー!

というのが本音。

利益を出すのが会社の仕事ですから。

その意味でも「ご自身の方で、著作を出したら、速攻で購買してくれる読者(ファン)をたくさん作っておく」ことは大事だろうと思います。


4)闘病記系内容のジャンルを扱う「ビジネス・実用書の出版社は少ない」のが実情なので、持ち込み系だと苦戦しやすいかも

・・・このことも、頭に入れておいてほしいかな、っと思います。

正直メンタル疾患にまつわる商業本は、いわゆる「ビジネス・実用書」を商品として発売している出版社から、どんどんアイテムとして売れている本のジャンル!・・・という実績は「薄い」のが現実です。

なので、どこの出版社からでも出版できる!とは「なりづらい」テーマ・ジャンルであることは頭に入れておいてください。

その意味では、若干・・・苦戦しやすい可能性があります。

サンプルとして上記に挙げたKADOKAWAの本のように、何か商業本企画として選ばれるための「屹立したフック」が高くないと、「ぜひうちから本出しましょう!」と依頼される可能性は低くなっていくので、その辺はあらかじめ承知の上、活動を行ってみてほしいと思います。


5)確実に「本」にしたいのなら、電子出版や自費出版を活用していくのもあり


・・・はい、あえてこのことも伝えておこうと思います。
闘病記系を「商業本」にしていくためには、さまざまな「条件」をクリアしていく必要もあることから、著者側の「念入りな準備」が必要になってくると感じます。
その意味でも「時間がかかりやすい」可能性も高い。

もし手っ取り早く「本」という形に「まとめたい」「出したい」ということだけなら、

・電子書籍(kindle出版)
・自費出版サービス会社での本づくり

なども考えてみるのもアリでしょう。

上記の出版は、著者が金銭的負担を行う比率が圧倒的に高くなりますので、いかんせん忌避されやすいですが、著者側のメリットとしては大きいです。
それは、

・自分が出したい本を作れる

から。
今回の相談で気になったのは、、

出版予定の本では闘病体験を半分、回復に至り講演家になるまでの過程をコミックエッセイで書いていますが、出版は不向きでしょうか?

という点。

ぶっちゃけ「書いているもの」を見てもいないので、この言葉だけではなんとも言えません。

でも、もうこのように「書いてしまっている」のであれば、こういう形でご自身の思う本作りをしたいのだな、と受け取れてしまいます。

商業本は「著者が書きたいように書けない・作れない」がデフォです。

どういう本を作るかは、出版社の編集者が決めることが大きいので。。

ご自身に構想があって「もう書いている」のであれば、商業本ではない形で進められた方が、幸せな出版活動ができるかもしれません。

でもこうした「医療系」の本は、自費出版で出した本の方が、新聞やテレビなどのジャーナリズムメディアで取り上げられる確率はかなり高いので、下手に商業出版にこだわらない方法を取るのもありではないかな、と考えます。

あとは、もう知り合いのツテや人脈を頼って、ご相談者さんの味方になってくれる編集者を足で探すしかないでしょう。

自費出版・・ではないですが「買い上げ条件」つきであれば、出版の協力を取り付けられる可能性もなくはないです。


ただいずれにせよビジネス・実用書系の出版社の編集者にアプローチするなら、


原稿より「出版企画書」が何よりも大事&必須になるので、、
企画書を先に作成された方がよろしいですよ。


・・・・・・ 
と言うことで、今回の公開コンサルは以上となります。
ありがとうございました。

この相談を持って、
「もう少し相談してみたい」
「こんな切り口やアイデアはどうか」

というご要望あれば、ぜひ下記の出版相談で、渡邉と直接お話しさせていただけます。

 
またこの記事が、ビジネス・実用書界での出版を考えるビジネスパーソンの参考になれば幸いです。

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ここまで読んでいただきありがとうございます。
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