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#超短編小説

invisible

invisible

君たちを見つけた、あの日。
それはきっとただの偶然なんかじゃなかった。
もしかしたら、君たちが私を導いていたんじゃ
ないかって思ってしまうんだ。

そんな君たちが、たくさんの出会いを経て
変化していく姿をこんなにも近くで見られることとても嬉しく思うよ。

…さて、何から伝えたらいいんだろう。
君たちと過ごした時間はあまりにも濃くて、
眩しくて、感じたものも得たものも本当に
たくさんありすぎて、持て

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刹那的ロマンチスト

刹那的ロマンチスト

例えば、夕焼けに染まる空。
ピンク色が混ざったオレンジと紫。
あんな色の食べ物あったら映えそうだな。
…なんて柄にもなく、JKらしいことを思った。

例えば、水溜まりに映る世界。
風もなく綺麗に逆さまの世界が見える。
踏み込んでみたら吸い込まれて異世界へ…
なんてことが起きるはずはないけれど
淡い期待と共に水溜まりに足を踏み入れる。
わかっていたが、吸い込まれることなんてなくて
ただ映る世界が揺ら

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Reason

Reason

当たり前が当たり前じゃなくなって
何もかもが未知で上書きされた生活も
もう1年以上が経つ。
少しずつではあるけれど新しいスタイルが
浸透していき日常が戻りつつある。
恐らく、収束したとしても完全に元通りには
ならないだろう。
それでも、変わった世界で一喜一憂しながら
強く生きている。

「お客さん入れてライブするんでしょ?
 やっとだね。」

スマホ越しに聞こえる君の声は明るく、
どこか嬉しそうだ

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