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ブックレビュー第2弾:「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

こんにちは。ブックレビュー第2弾は「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考:末永 幸歩(著)」です。

前回の「視覚マーケティングのススメ:ウジ トモコ(著)」を読み終わってすぐに次は何を読もうかな〜と探していたら、たまたま出会ったこちらの本。
Kindleで触りだけ読み、即決。読み終わりたくないと思う傍ら、グイグイ読み進めれる興味深い内容と読みやすい文章であっという間に読破しました。

アートに興味がない方も、アートが大好きな方も誰でも楽しめる内容が盛りだくさんだったのでとてもオススメです。

アート思考とは

VUCAワールド、人生100年時代、情報化社会などと言われている現代で私たちは生きています。どんなに変化に素早く食らいつこうと思っても、刻一刻と変化し続ける世界で、「新たな正解」を見つけて行くのは、もはや不可能であり、無意味とも思えます。

VUCAワールド
VUCAとは、「Volatility=変動」「Uncertainty=不誠実」「Complexity=複雑」「Ambiguity=曖昧」の4つの語の頭文字を取った造語。
あらゆる変化の幅も速さも方向もバラバラで、世界の見通しがきかなくなったということを意味している。

では、どうすればいいのでしょうか?
私たちは今後、人生のいろいろな局面で「自分なりの答え」を”見つける・つくる能力”が必要になってきます。

自分の内側にある興味をもとに自分のものの見方で世界をとらえ、
自分なりの探求を続ける

現代において、アート思考は画家や彫刻家などいわゆる”アーティスト”と呼ばれる人だけのものでもなければ、デザイナーのようなクリエイティブ関連の仕事に就いている・就きたい人のためだけのものではありません。
そして、生まれ持った才能やセンスに依存するものでもないのです。
アート思考は、激動の世界で生きる私たち一人ひとりにとって必要な能力です。

そして、”13歳”で止まってしまった、或いは止めてしまったアート思考の感覚を取り戻すために「美術」は最適な教科です。
例えば、美術鑑賞や芸術鑑賞をする際、自分の感覚器官を駆使して作品に向き合うことは「自分なりの答え」を見つけるアート思考を取り戻すための第一歩となります。

6つの作品を通して学ぶ、アート思考

こちらの本では、6つの「20世紀アート作品」を題材にしながら、アーティストたちが「自分なりの答え」を見つける・つくっていくアート思考の過程を体験できます。
一つ一つのセクションで”エクササイズ”が用意されており、実際に読み進めながらアート思考を体験することができるように構成されています。今まで授業で習ったことのない深い部分まで知ることができるのに全然退屈しない内容になっています。
これが本当に面白くて、読み進めるたびに「なるほど!」「そうだったのか!」「考えたことなかったなあ」と数え切れないほどの気付きがありました。ただ、それらをまとめてしまうとただのネタバレになってしまうと思うので、色々考えた末、今回は思い切ってまとめません。

アート思考を体験した私はもちろん、実際に読んでみて私が体験したことを書きたいまとめたい話したい!!!とウズウズしているんですが、これから読む人・読もうと思っている人・読みたいと思った人が全力でこちらの本を楽しめるために、グッと堪えようと思います。
(ブックレビューとして読んだ本を自分なりにまとめるためのnoteなのに…!と自分でも思ってしまいますがきっと熱が入って想像以上にネタバレ全開になりそうなので)

仕事は人生の大部分を占めます。だから、心から満たされるためのたった1つの方法は、自分がすばらしいと信じる仕事をすることです。
そして、すばらしい仕事をするためのたった1つの方法は、自分がしていることを愛することです。
(スティーブ・ジョブズ:スピーチの一部抜粋)

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実際に読んでみて感じたこと

私は「美術」という教科が大好きです。
小学校を経て、中学・高校と進んでいっても「美術」に対する気持ちは特に変わらなかったし、今でも「美術」や「芸術」に触れることが好きです。
自分なりの推測では、私は一人っ子で、だれかとテストの点数や暗算の速さ、50m走のタイムや先生の問いにどれだけ早く答えれるか…などなど、なにかを比べられること/比べることがとても苦手でした。だからきっと「美術」という教科の、”答え”のないことを云々と考えることや手を動かして”何か”を創造すること、また比較できないという点で「美術」や「図工」の時間が小さい頃から好きだったのだと思います。

しかし、大人になるにつれて、苦手だったはずの”人と比べる”という行為を自ら進んで誰に言われるでもなく、勝手に行うようになっていました。仕事でも容姿でも生活スタイルでも努力でも、日常生活の些細なことなんかを比べては、隣の芝生が青くて眩しくていやになることが増えたように思います。

しかし今回「13歳からのアート思考」を読んでいく中で、社会に定義されてきた価値観や自分自身ではなく誰かに植えつけられた、もしくは知らない間に根付いていた基準や考えなど、
そういったものではなく、自分が感じたことや思ったこと、考えたことで物事(世界)を見ていこうと改めて思いました。
私にもまたアート思考が必要だったのだと気づくことができたのです。

「探求の根」を伸ばし、わたしという人間の「アートの植物」を大切に楽しみながら育てていこうと思える今、この一冊に出会えることができて本当によかったと思います。


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