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じゃあ、札幌の話をしようか。

「出張で札幌に行くことが決まったんです」

 そう語ったのは年下の友人だった。出自は全く異なるがお互いが野球部の出身であるため、共通の友人たちに囲まれた際でも彼は私に対してどことなく後輩のような顔つきになる。こちらは歳の差なんて気にしていないのだが、これはもう育ってきた環境の性質だ。
 私だって逆の立場であれば母校と関係なくとも、年上の野球人に対しては一定の敬意と礼節が反射で顔を出す。従って彼の敬語も抜ける筈がないというのは致し方ないことであろう。
 もっとも、令和を生きる球児達はもっとフランクなのかもしれないし、坊主頭も激減しているらしいと聞く。今関係ないか。


 で、そんな彼が、いや後輩が、札幌について聞かせてほしいと言うのだからここはバシッと応えたい。正直に言えば過剰に応えたい。

 今や随分と昔になってしまったが、大学生の四年間を過ごした街。そしてその後も数年に一度は通っている札幌。そんな思い入れのある土地の知識や経験を、たまには愛のままにわがままに紐解きたいのだ。


「じゃあ、札幌の話をしようか」


 そう言って語り始めた。酒を酌み交わし延々と。あの街には美味しい店、楽しい思い出、置き忘れた青春、墓まで持っていく秘密、色々がある。
 そして、話した中でも個人的に好きな店、美味しくておススメの店、等々のまとめを送った。完全にお節介だったかもしれないが。


 そんな経緯で生まれたビギナー向け札幌まとめ。そのままにするのも勿体無いのでnoteのネタとして下ろしてみる。
 札幌に行ったことないそこのあなた。そう、あなたへ。何となく目を通して思いを馳せてみてほしい。
 ついでなので彼に送ったままでなく、しっかり内容を増やした上で公開しようと思う。
 試される大地、北海道。そのポテンシャルに触れてくれ。


What's SAPPORO?

札幌市(さっぽろし)は、北海道の道央地方に位置する市。道庁所在地および石狩振興局所在地。政令指定都市であり、10の行政区が置かれている。北海道の行政・経済・文化の中心地であり、道内および三大都市圏以外の国内で人口最多の市(人口196万5305人、2024年4月1日現在)である。歓楽街・すすきのは、東京・新宿の歌舞伎町、福岡・博多の中洲と並んで「日本三大歓楽街」と称され、全国的に有名である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 と、まぁ簡単な説明である。北海道中の人や物が集まる場所であり、指折りの歓楽街が存在するビッグなシティだ。



 画像の通り札幌は中心部が綺麗に区画整理されている。南北の基点となる大通と東西の起点となる創成川通があり、二つの通りが重なる地点から、南北は〇条、東西は〇丁目と数える。
 ちなみに「すすきの」は正式な地名ではなく、その範囲は広義では東西が西1丁目から西9丁目の間、南北が南3条から南8条までの間とされている。
 北海道外(あっちでは内地と呼ぶ人が多い)の人間からすれば、歌舞伎町と中洲に並ぶという点で、すすきのという名前自体にかなりアダルトなイメージを持つことが多いだろう。しかし、実際のところは歌舞伎町や中洲よりも、食に、遊びに、艶っぽいことに、夜の全てがあるようなごちゃ混ぜ感の強い街だ。
 ラウワンで遊びにすすきの、ゼミコンで飲みにすすきの、カラオケで歌いにすすきの、キャバクラ通いにすすきの、ジンギスカン食べにすすきの、夜を堪能しにすすきの、観覧車乗りにすすきの、クラブで踊りにすすきの、人の数だけ違う顔がある、そんな場所なのだ。
 ここまで語ったらバレていると思うが、今回はすすきの周りを中心に紹介したい。新千歳空港あたりも少々。

 本当は画像とかお借りしたい所なのだが、勝手に使うとどこから何言われるかわかったもんじゃないので、可能な限りそれぞれのHPへ飛べるようにしておく。興味が湧いたらどんどん見に行ってみてほしい。


海鮮

 水温が下がると、魚たちは寒さから身を守るために脂肪を蓄える。つまり水温が低い地域ではより脂がのった魚が沢山獲れる。ならば日本で最北の海は豊かに決まっている。
 太平洋、日本海に加えて、北海道には凍るほど寒いオホーツク海がある。3つの海の恵みを口と脳で感じてほしい。


海味はちきょう

つっこ飯(いくら丼)が超有名。だが、ここで推したいのが羅臼産のほっけだ。いきなりで悪いがこれはガチ中のガチ。北海道のほっけは味が濃くて脂の乗りが良い、その上デカい。
 他にも推したいものはたくさんあるが、ここではじゃがバター。なんせ付け合わせにイカの塩辛が付いている。これもガチ。芋の甘味に極上の塩味。農産海産畜産の三味一体。ぜひ頭の隅にでも置いておいて欲しい。


回転寿し トリトン

 そもそもの話だが、北海道は回転寿司からしてちょっとレベルが違う。味も値段もワンランク上だ。中でも人気店がこのトリトン。なんでもかんでもやたらにネタがデカい
 繁華街には店舗が無いので、タクシーを使うのが良い。狸小路・すすきのから比較的近いのは豊平店と北8条光星店。予約は受け付けてないので注意。


回転寿司 根室花まる

 道東、北方領土の程近く、根室の素材を中心に良い素材が光る回転寿司。定番ネタもいいのだが、着席すると出てくる「本日のおすすめ」チラシに書いてある品名はまず間違いないクオリティで提供される。
 札幌駅に隣接する、JRタワーステラプレイス店は年中恐ろしいほど混んでいるから避けた方が吉。または番号札もらってから近所散歩するとかもいいかも。
 また、こちらも予約が出来ないので、予約可能な系列店に行くのもあり。 
系列:町のすし家四季花まる すすきの店


札幌二条市場

 漁港に行かずとも札幌市内で早朝から海鮮丼が食べられるという最強アドバンテージ。美味いんだよなぁ、市場だもの。
 魚介類だけじゃなく野菜や果物もあるので、北海道の“今”がわかる。朝から夕方まで営業しているので覗いてみて損はないはず。



 北海道で肉と言えばやはりジンギスカン。これを食べずして北海道は語れない。
 生後一年未満の子羊の肉がラム、そのまま成育されて二年を超えた羊がマトン。ラムは臭みが少なく柔らかい。マトンは独特の味とにおいが強く、脂と旨味が濃厚。
 基礎知識なんてこの程度でOK、あとは好みのお店を見つけるだけ。


北海道ビール園

 羊の肉とビールは相性が最高、しかもサッポロクラシック樽生。組み合わせが完璧と言っても過言ではない。
 コースが豊富で食べ飲み放題がお得。柔らかなラムを爽やかなBEERで胃まで一気に流し込め。カタルシスを感じてほしい。


札幌ジンギスカン だるま

 言わずと知れた名店。すすきのに5店舗ほどあるが、7.4店のみ予約可。他は立ち寄って並ぶしかないストロングスタイル。
 ラム肉が中心の他のジンギスカン屋と違って、ここは上質なマトンがメイン。味の違いを楽しむのもまた一興。


ジンギスカン 羊飼いの店 『いただきます。』

 牧場直営、予約不可の人気店。最高クラスのサフォークが食べられる。羊の内臓まで注文できるので、ジンギスカンというより焼肉店のほうが近いかもしれない。
 こちらも立ち寄って並ぶしかないストロングスタイル。



ラーメン

 諸説あるが札幌は味噌ラーメン発祥の地と言われており、函館の塩ラーメン、旭川の醬油ラーメンと合わせて北海道3大ラーメンと呼称される。
 寒冷地のため、味が濃いめで油分が多い=冷めにくいのが特徴。ここでは札幌味噌のおすすめを記載する。年中熱いラーメンを。


札幌らーめん 輝風(きふう)

 現在のすすきの界隈で一番人気の味噌ラーメン。肉厚チャーシューの乗った濃厚な元祖味噌らーめん。丁度良い濃さと味玉も絶妙で、地元民の人気もかなり高い。


札幌 すみれ

 脂いっぱい、食べても食べても熱いまま!!冷めないTHE札幌味噌ラーメン。カップ麵にもなっている超有名店の味わいを是非。


らーめん 信玄

 すすきの周りで昔から愛される人気店。コクのある味噌from石狩。寒くなってきたら沁みるスープ、コクみそ。間違いなし。炒飯も非常に美味。


元祖札幌味噌ラーメン 味の三平

 前述の味噌ラーメン発祥、それがこの店。唯一無二、受け継がれゆく原点の味、味噌味メンがここにある。


元祖さっぽろラーメン横丁

 困ったらここに行くが吉。しのぎを削る17店舗のHOTなラーメン店達がすすきのの夜を盛り上げる。歩いて楽しい、食べて美味しい、一期一会の麺を望むならここに行くべし。



甘味

 水準の高い酪農と農業の質=スイーツの質。大地の恵みが強烈な美味しさになる。
 北海道は小麦、小豆、生乳をはじめ、スイーツに不可欠な素材の多数で生産量1位を誇る。素材の違いを味わってほしい。


雪印パーラー

 創業60年以上、北海道スイーツの老舗。常時30種類以上ある豊富なパフェメニューが魅力。
 本店・小樽店では昭和天皇・皇后両陛下に献上されたアイスクリーム「スノーロイヤル」が食べられるのも推せるポイント。なまら美味いから。


パフェ、珈琲、酒、佐藤

 スイーツメニューの全てが自家製というハイレベルな夜のカフェ。
 札幌界隈では近年人気のシメパフェ(飲み終わりの締めのパフェ)ブームの中でもかなり人気のお店。映えを意識して遊びに行くのもいいかもしれない。


たい焼き 一休

大雪産しゅまり小豆のあんこが美味しい、小ぶりなたい焼き。ガワがぱりっと、中はもっちり、あんこの甘さがしつこくなくて良い。


その他

他にも色々魅力があるよ……!!北海道良いところだよ……!!

スープカレーGARAKU

 今や北海道名物のひとつになったスープカレー。豚鶏ガラに豊富なスパイス、和風だしを加えたスープは、私の中でもう15年くらい不動のナンバーワン。メニューの中でもとろとろ炙り角煮が最&高。


居酒商 古典家

 私が札幌に帰る度に寄る居酒屋のひとつ。本当に何でもありなメニューの豊富さは、どんなシーンでも手堅く使えて便利。
 そして何と言っても自家製の珈琲焼酎で一杯やるのがたまらない。これを書きながら次にいつ帰れるかと思うと想像が止まらない。


とうきびワゴン

 狸小路から北へ2~3条ほど歩くと、札幌を南北に分ける大型特殊公園、大通公園がある。公園内で4~10月に出店しているのがとうきびワゴン。簡単に言うと、とうもろこしの屋台だ。今年は10月14日までらしい。
 毎年7月からは出荷間もない生とうきびが店頭に出るので、焼きか茹でを選んで豪快に食べると良い。じゃがバターも売っている。


セイコーマート

 全国3大コンビニを抑え、北海道シェア堂々の1位。北の覇者、道民の心の拠り所。最早小さなスーパーマーケット、困ったらセイコーマート。そこらじゅうにある。本当に。適当に歩けば出てくるオレンジの看板。大学時代はセコマ(略称)で命を繋いでいたと言っても過言ではない。
 約1,000店舗中、900以上の店舗に備わっている、店内調理の温かいメニュー、「HOT CHEF」の大きなおにぎりシリーズはマジで神オブ神。個人的にベーコンおかかとすじこは外せない。


新千歳空港

 札幌には新幹線が未だ到達していないため、道外からの札幌旅行は函館経由または海路を除くと概ね空の旅になる。
 我らがホームの広島空港とは比べ物にならないほど広い。食事やお土産の店がとにかく多いだけでなく、道内装備用の防寒着とかも売っているし、銭湯とか映画館まである。なんでやねん。
 ある程度決め打ちしておかないとお土産を買いきれない。1日余裕で過ごせる。そんな空港でのオススメもちょっとだけご紹介。


えびそば一幻

 2009年に彗星の如く現れた、海老好きにはたまらない店。スープを飲むと甘海老由来の濃厚さに驚くはず。私は「あじわいえびみそ」が好きだが、まずは「そのままえびしお」を試していただきたい。口の中海老まみれでちょっと楽しくなる。
 南7条西9丁目に総本店があるのでギリギリすすきののお店として紹介しても良かったのだが、アクセス面からいつも空港で食べてしまう為、個人的来店頻度でこちらに書いてみる。


松尾ジンギスカン

味付けジンギスカンと言えば、のマツジン。ラム肉を鉄鍋の山でガンガン焼いて肉汁を出し、肉汁を使って野菜は溝で煮込む。永遠に米が進む、永遠に。
 札幌駅近く、大通、すすきのにも店舗があるため人気の高さが伺える。総本店が札幌ではなく滝川市にあるためこちらで紹介。


お土産

 空の玄関口と言うだけあって、空港の醍醐味のひとつは帰りに何を買うか、だ。新千歳空港は人にあげる前に自分で消費しちゃうくらいの素敵なお土産の宝庫。個人的おススメを羅列して今回の話の締めにしようと思う。出会えたら買ってみるもよし、食べてみるもよし。

↓新千歳空港フロアマップ↓

https://www.hokkaido-airports.com/ja/new-chitose/assets/pages/floormap/pdf/ja_dom_all.pdf

 もうね、空港広いんですよホント。歩き回って色々見つけてほしい。

LeTAO(小樽洋菓子店ルタオ):ドゥーブルフロマージュ
 言わずと知れた小樽の名店。二層の異なるチーズが絶品のふんわりなめらか食感。ショコラ味や期間限定品もあり、外れの無いクオリティ。今年の限定品は白ブドウ味らしい。余市産のナイアガラらしい、今一番食べたい。

函館洋菓子 スナッフルス:チーズオムレット
 2000年生まれのスフレチーズケーキ。こちらはジュワッと溶けてなくなるような食感。割ったら音が聞こえるほど芳醇なエアー感、軽いくちどけに反して濃厚な点も素晴らしい一品。うちのオカンの好物。

もりもと:ハスカップジュエリー
 創業70年、千歳の名店が作る小さな宝石。洋菓子和菓子問わず高いクオリティーの中でも、北海道の特産果実であるハスカップの甘酸っぱいジャムを使ったミニケーキであるハスカップジュエリーは至高。毎回必ず買って帰る。マジ美味。

かま栄:パンロール
 小樽では工場見学も可能な明治からの老舗。スナック感覚で食べられるかまぼこをコンセプトにしたパンロールは是非店舗にての揚げたてを食べてほしい。要冷蔵で販売日の翌々日までが消費期限なのでお土産には他のかまぼこを是非。ビールと一緒に摂取するとぶっ飛ぶ。


 以上が個人的に人に薦めたいものを羅列しただけの文章だ。纏まりとかはこの際気にしていない。読んでくれてありがとう。
 他にもロイズのチョコレートマルセイバターサンドは鉄板だし、じゃがポックル白いブラックサンダーも美味しくてバラマキ系のお土産としても優秀。
 そして海鮮系のお土産は佐藤水産に行けば大体解決する。


 とまぁ、こんな感じで。長々と語らせてもらった。やっぱり北海道の話は楽しい。しかしまだまだおススメは大量にあるし、逆に伏せている穴場だってある。いつか私と出会ったら直接聞いてみてほしい。


 ここまで読んでくれた画面の向こうの心優しいあなた、良き北海道ライフをお過ごしください。それでは。

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