【短編小説】有害物と不要物
紫煙を燻らせ空を仰ぐ。屋上は今日も閑散としていて、絶好のサボり日和であった。私は、日陰になる場所に腰を下ろしポケットに忍ばせておいた有害物に口を付けてはライターをカチカチ、と慣れた手付きで鳴らす。
――どこからどうみても私は、正真正銘〝不良少女〟だ。
明るく染めた頭髪も、ムラがありながら誇らしく思えるし、改造した制服はまさしく私を不良と知らしめるには十分の効力を発している。3回目にして漸く、タバコに火がついた。今日は、一段と風が強いらしい。雲の流れがいつもより早いからそう確