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女の子と初体験した話

こんリシェ*ଘ(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ✩‧₊˚
今回はリシェの初体験の話でもしようと思う。

話は中学生に遡る。クラス替えしたての教室は出席番号順で座らせられる。大抵近い席同士の絡みが多かった。そして私の後ろの席の女の子がA子だった。

私は小学校を卒業したと同時に山形市から米沢市へと引っ越しをし転校生のような扱いを受けていた。というのも、田舎というものは狭い。幼稚園から一緒に育ちそのまま同じメンバーで小学校へと繰り上がる。友達同士の親が学生時代の先輩後輩なんて事も多かった。

だから、突如として現れた私は別のクラスの人が見に来るくらい異端な存在であった。A子もそんな感じで私に声をかけてきてくれたのだと思う。そしてA子には幼なじみがいた。幼稚園から一緒のピアノ教室に通っていた男の子だった。(以下B男)

B男は医者の息子であった。頭も良くピアノも上手くて私のタイプではなかったものの所謂モテ要素というものが豊富に揃っていた。A子が片思いしてると打ち明けてくれた時、私は納得せざるを得なかった。ただ、彼女の恋が実るのを願うばかりであった。

だが、初恋というものは上手くいかないものである。A子がバレンタインをきっかけに告白をした。だが、彼には既に彼女がいたという。2番目で良ければ付き合ってあげてもいいよと言われたらしい。ずっと実らせていた片思いだ。そんな事を言われたA子は顔をぐちゃぐちゃにして泣いていた。

私はそんな彼女を抱きしめて一緒に泣くくらいしか出来なかった。彼への想いを常に聞かされていたから激しく感情移入してしまったのだった。

目を真っ赤に腫らした彼女はそんな私をじっと見つめるとこんな事を言い出した。

「私、リシェを好きになれば良かった」

友達としてA子の事は好きだった。
だが、恋愛感情を持てるかと言われたら非常に困ってしまう。何せ私は男好きだからである。女子を恋愛対象にしたことなんてなかった。

だが、今にも壊れてしまいそうな彼女をほっとく訳にもいかず、私は彼女の手を握ると静かに頷いた。そこから二人の関係が始まった。

「リシェ!次パソコン室だから一緒行こ!」

次の日、早速声をかけられた私は彼女が手を握ってきたことに少し困惑した。けれど、このまま彼女をほっておけば彼女は壊れてしまうかもしれない。友人としてそれは見過ごせなかった。なので、私は彼女の手を強く握ると一緒に教室を移動した。

「リシェを最初から好きになれば良かった」

それが彼女の口癖だった。A子の家は学校から近かった。私は彼女の家に招かれることも増えた。
たわいもない話を延々として帰るだけの日々。しかし、変化は起きた。

彼女のパソコンを一緒に見ていた時だった。たまたま画像フォルダを見た時、そこにはエロ画像がびっしりと並んでいた。咄嗟にA子がフォルダを閉じるも私がバッチリとそれらを見た事は確かだった。

「あのさ」

ポツリと彼女が語り出す。

「私、そういうのに興味がない訳じゃなくて」

静かに頷く。

「リシェともそういう事がしたい」

突如私の胸を揉むA子。正直拒めなかった。
その後で唇を軽く重ねるとベッドへと押し倒される。A子は今にも泣きそうな顔でただ私を見ていた。

硝子の様だと思った。簡単に壊れてしまいそうで放っておけなかった。
私は彼女が好きだった。勿論、友達として。だからこそ、彼女を受け入れざるを得なかった。

「リシェ、好き」

もう一度唇を重ねられる。女性特有の柔らかい感触であった。私はそんな彼女に同情していたのかもしれない。彼女を抱きしめると背中を摩り「私も好きだよ」とA子を見つめ返す。

潤んだ瞳により水分が増した。
彼女も辛いのだろう。同情心が駆り立てられる。

A子の手が私の服を脱がし始めたのはすぐのことであった。私は拒めなかった。長い初恋が実らなかった女の子を突き放すことなどしたくなかった。

私の胸が顕となるとA子は柔らかいと唇を寄せてきた。B男の事がまだ好きで私と重ねていたのかもしれない。それでも良かった。彼女の心が保てるのならば。

私も彼女の服を脱がす。まだ成長途中の小ぶりな胸をそっと揉みしだく。それは柔らかくまた、背徳感でゾクゾクさせられた。イケないことをしているようで私は得体の知れない感情を覚えることとなる。

「リシェ好き」

もう一度彼女がそう言った。

「私もA子が好きだよ」

Aはポロポロと涙を零すとそのまま私の下腹部へと手を伸ばした。触られたことの無い未知の領域。初めての経験に吐息が漏れる。

「私のも触ってよ、リシェ……」

蚊の鳴くような声でA子が言う。
私はそのまま彼女の下腹部へ手を伸ばすとAVの見様見真似で割れ目をそっとなぞった。

お互いがお互いそれぞれ複雑な感情を抱えた行為であった。これが純愛ならばどれ程良かったであろう。しかし、ここには本当の愛などなかった。

「リシェ」

下着をベッドの下へと放り捨てた彼女が私にもそれをやるよう目線で促す。私は彼女に従うしかなかった。B男の代わりでも良かった。それで彼女という器が保たれるのなら。

そうして私も下半身を顕にするとお互いのナカを探りあった。決して気持ちいい訳ではなかった。けれど、心が満たされているのだけは分かった。

そのまま裸になると抱きしめ合いながら再び唇を重ね合う。今度は舌が入ってくる。脳が蕩けてしまいそうな瞬間であった。

「リシェ、リシェ」

何度も彼女が私の名を呼ぶ。私も彼女の名を呼ぶと背中に手を回し互いの胸を擦り合わせた。勃起したそれらを接触させると再び互いの下半身を触りあった。きっと、彼女は私を見ていない。

それを知ってはいながら彼女を受け入れてしまった。拒んでしまえば彼女が壊れてしまう。私は必死だった。この行為で満たされるものがあるなら例え代わりでも何でも良かった。

そうして暫く互いの物を触り合い満足すると2人で抱き合って瞳を閉じた。彼女は多幸感を得たのかはたまたB男を思い出したのか分からないが泣いていた。

私に出来ることはただ、彼女を抱きしめて大丈夫だよ、ということくらいであった。

そして、中学を卒業した後私は再び山形市へと戻る事になった。
高校で友達ともら散り散りになるからわざわざ言うまでもないと最後まで隠し通した。

その頃にはA子との歪な関係も終わっていた。

先述した通り田舎は狭い。
高校に進学した私は彼女に彼氏が出来たことを噂で聞いた。安堵した自分と嗚呼、彼女が壊れてしまったのだと言う複雑な感情が入り交じった。

その彼氏が1人ではなかったからだ。
結局、彼女は最終的に男に縋ることしか出来なかったのだ。それも複数人へと。

私が彼女を壊してしまったのだ。
A子がビッチだと言う噂を聞いて罪悪感がじわじわと湧いてくる。彼女と離れなければ、一緒の高校に言っていればまた話は変わったのかもしれない。

そして、高校を卒業すると今度は逆ナンした男の家に転がり込んだと言う。山形市へと引っ越してきた彼女とたまたま再会する機会があったのだが、彼女は変わり果てていた。男を酸素のように欲する存在へと変貌していた。

「彼氏に毎日中出しされてるんだぁ」
「万が一子供が出来たらどうするの??」
「えっ、結婚する♡」

彼女は完全に壊れてしまった。
だか、私に出来ることは何一つ残されてなかった。彼女とはそれきりなのだが、元気にしているのだろうか。
彼女が彼女なりの幸せを見出したならば私は満足だ。

多分、もう会うことはないのだから。
一瞬でも彼女の支えになれたことを静かに喜ぼう。そんな体験をした私の中学生時代の話はここまでである。

初体験と言っていいのか曖昧だが、彼女との経験は今でも覚えている。それらを胸に秘めて私も私なりに幸せになることがせめてもの償いだ。

これが私のひと夏の貴重な初体験の話である。

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