さかもん(ミートテック常備)

岡山県と広島県の県境で生まれ育ち、大学進学で上京。 縁あって沖縄で5年ほどお世話になり…

さかもん(ミートテック常備)

岡山県と広島県の県境で生まれ育ち、大学進学で上京。 縁あって沖縄で5年ほどお世話になり、また東京に戻ってきて仕事をしています。 興味があるのは歴史、民俗学、古生物学。映画、漫画、アニメ、スポーツ、旅好きの俗物でございます。

最近の記事

京都旅番外編~圓光寺に眠るマレーシアの王族・サイド・オマールさん(後編)

【前編までのあらすじ】 「そうだ京都行こう」でよく取り上げられる美しい庭が有名な瑞岩山圓光寺。徳川家康の命で開基された圓光寺には、石庭の奔龍庭、紅葉の季節は特に美しい十牛之庭、円山応挙の筆による「雨竹風竹図屏風」など日本的な美しさに満ち満ちている。 その圓光寺には、マレーシアの王族・サイド・オマールさんの墓所がある。 お参りするために後輩二人と圓光寺を訪れたのだった。 ちなみに後輩はずっとサイド・オマールさんの名前をミュージシャン「ドン・オマール」だと勘違いしていて、恥

    • 京都旅番外編~圓光寺に眠るマレーシアの王族・サイド・オマールさん(前編)

      【誰もが必ず見たことがある圓光寺】 4年前(令和2年)の冬のことだった・・・私は後輩を二人引き連れて京都の「圓光寺」に向かった。 ややこしいことに「圓光寺」という寺は京都に複数ある。 向かったのは一乗寺の「瑞巌山 圓光寺」である。 「へー、そんなお寺があるんだなぁ」と思われるかもしれないが、おそらく皆さんは圓光寺を「そうだ京都行こう」のポスターやCMで見たことがあるはずだ。 「あ、見たことある!!」と思われたのではないか。 圓光寺は、庭がとんでもなく美しいのだ。 ・

      • 宮崎市を行く!(後編)八紘一宇の塔とは?

        【中編までのあらすじ】 宮崎で仕事が終わり、空いた時間でどこかへ行こうと思っていた。 神話の地を堪能したいのだが、時間はそれほど無い。ならばと前から行きたかった「みそぎ池」のある江田神社へ向かった。 「みそぎ池」を間近に見て感動したが、もう少しだけ時間がある。 宮崎市内の「八紘之基柱」(通称「八紘一宇の塔」)を目指すことにした。 【ヤシを植えた人】 そういえば、宮崎駅からのメインストリートの街路樹はヤシである。 これって昔からあるのだろうか、と妙に気になった。 こ

        • 宮崎市を行く!(中編)~森にぽっかり「みそぎ池」

          【前編までのあらすじ】 宮崎で仕事が終わり、空いた時間でどこかへ行こうと思っていた。 神話の地を堪能したいのだが、時間はそれほど無い。ならばと前から行きたかった「みそぎ池」を目指すことにした。 誰でも聞いたことがある「祓詞」に出てくる「阿波岐原」にある伊弉諾尊が禊を行い、最も貴いとされる天照大神誕生の地だ。 前編でなんとか江田神社の入口まで徒歩でたどり着いた。 【美しい古代の森・江田神社】 江田神社の社叢は市民の森と呼ばれ、かなり広い。 社殿の奥に「みそぎ池」はある

        京都旅番外編~圓光寺に眠るマレーシアの王族・サイド・オマールさん(後編)

          宮崎市を行く!(前編)シーガイアで禊する?

          【宮崎でふと時間ができてしまった】 宮崎県から東京へ戻る飛行機便にはかなり時間がある。 せっかく神話の国・宮崎に来ているのだから何処か行きたい。 しかしあまり遠くに行く時間は無い。 少し考えた結果、「阿波岐原」に行こうと思い立った。 【追跡!祓詞に出てくる阿波岐原ってどこだ?】 皆さんも神社で神事の前に祓詞をかけられると思う。 かけまくも畏き伊邪那岐大神筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に、御禊ぎ祓へ給ひし時に生り坐せる祓戸の大神等、諸の禍事・罪穢有らむをば、祓へ給ひ清

          宮崎市を行く!(前編)シーガイアで禊する?

          京都旅 番外編~幻の三柱鳥居を探しに蚕ノ社へ

          【「恋の病」の男、再び】 予定がドタキャンされたことをいいことに京都の不思議なスポットをあちこちまわってきた。 今回は番外編ということで、以前「恋の病」が熊野で癒えた後輩と行った「木嶋坐天照御魂神社(通称 蚕ノ社)」の話を少しだけしたい。 「恋の病」を癒やす旅については下記     ↓ 【幻の三柱鳥居】 木嶋坐天照御魂神社を知ったのは、おそらく星野之宣の漫画「宗像教授伝奇考」だったのではないかと思う。 星野之宣はSF漫画家として超一流で発想もめちゃくちゃ面白い。

          京都旅 番外編~幻の三柱鳥居を探しに蚕ノ社へ

          陰陽師に憧れて京都旅(その8)晴明神社にいま、会いにゆきます

          出張中の京都駅でアポのドタキャンを知って怒り狂った男二人。その勢いのままに「丑の刻参り」の聖地・貴船神社へ向かう。 しかし、そこには怒りや呪いすら清める清浄な空間があった。賢者のような気持ちになって下山し、下鴨神社と糺の森でさらに心が清められ、イノシシに護られる護王神社を経由して、いよいよ晴明神社に向かうのだった。 【今も京都に潜む魑魅魍魎】 下長者町通りを西に歩いていくと、京都法務合同庁舎を覗き込むカメラを見てしまう。 なにをやってるんだか・・・・ これは報道なのか

          陰陽師に憧れて京都旅(その8)晴明神社にいま、会いにゆきます

          陰陽師に憧れて京都旅(その7)京都を築き、ゴジラとも戦う和気清麻呂公

          出張中の京都駅でアポのドタキャンを知って怒り狂った男二人。その勢いのままに「丑の刻参り」の聖地・貴船神社へ向かう。 しかし、そこには怒りや呪いすら清める清浄な空間があった。賢者のような気持ちになって下山し、下鴨神社と糺の森でまた心が清められる二人なのだった。 【京都御苑を通って護王神社へ】 平安京を作ったのは和気清麻呂公である。 宇佐八幡宮神託事件の際に、「わが国は開闢このかた、君臣のこと定まれり。臣をもて君とする、いまだこれあらず。天つ日嗣は、必ず皇緒を立てよ。無道

          陰陽師に憧れて京都旅(その7)京都を築き、ゴジラとも戦う和気清麻呂公

          陰陽師に憧れて京都旅(その6)賀茂御祖神社と河合神社

          出張中の京都駅でアポのドタキャンを知って怒り狂った男二人。その勢いのままに「丑の刻参り」の聖地・貴船神社へ向かう。しかし、そこには怒りや呪いすら清める清浄な空間があった。賢者のような気持ちになって下山し、糺の森へ入って下鴨神社に向かう二人であった。 【2000年以上前から鎮座する下鴨神社】 手水舎は御祭神になぞらえて舟形になっており、大変面白い。 そして「糺の森」の語源の一説でもある「直澄《ただす》」と書かれている。 下鴨神社は京都で最も古い神社の一つに数えられる。

          陰陽師に憧れて京都旅(その6)賀茂御祖神社と河合神社

          陰陽師に憧れて京都旅(その5)平安時代はとんでもなく広かった糺の森

          出張中の京都駅でアポのドタキャンを知って怒り狂った男二人。その勢いのままに「丑の刻参り」の聖地・貴船神社へ向かう。 しかし、そこには怒りや呪いすら清める清浄な空間があった。賢者のような気持ちになって下山し、下鴨神社に向かう二人であった。 【みんなの青春の地・鴨川デルタ】 貴船口から叡山電車で出町柳駅に移動。 そこから高野川と鴨川の合流する三角州・鴨川デルタに向かう。 デートスポットや名所として有名な鴨川デルタ。映画やアニメ、様々な物語で登場する。 森見登美彦の「四畳

          陰陽師に憧れて京都旅(その5)平安時代はとんでもなく広かった糺の森

          陰陽師に憧れて京都旅(その4)京都の鮎を食べ、怒りを忘れて外界へ降りる

          京都出張中に突然ドタキャンされた怒りのままに、「丑の刻参り」の聖地・貴船神社を訪ねた野郎二人。しかしそこには怒りや呪いすら清める清浄な空間があった。 【ゆっくりと伝統建築の材が育つ古事の森】 奥宮の側には「古事の森」がある。 文化財の修復には巨木、古木が必要になるが、数百年単位の長期計画で木を育てている森とのこと。 伊勢神宮も明治天皇の思し召しで200年単位で造営林を管理しているという。 伝統ある建築物は一朝一夕にできないし、材もまた長い時間をかけて初めてその任を全う

          陰陽師に憧れて京都旅(その4)京都の鮎を食べ、怒りを忘れて外界へ降りる

          陰陽師に憧れて京都旅(その3)~悩む人達を救ってきた貴船の奥地へ~

          【中宮、奥宮へ】 せっかくなので、本社だけでなく、中宮、奥宮へ行こうという話になり、 歩いていくと絶対に渡りたくない橋を見つける さすがに立ち入り禁止と書いてあった。 中宮までは割とすぐで、和泉式部の歌碑があった。 古来から多くの人が参拝してきたことがわかる。この山の中である。 何か真剣な願いや悩みを抱えてやって来たのだろう。 【抹茶と甘味で休憩】 ここまで歩いてきてさすがに疲れたと後輩が言い、「兵衛cafe」に入る。 そしてまず、出していただいた水があまり

          陰陽師に憧れて京都旅(その3)~悩む人達を救ってきた貴船の奥地へ~

          陰陽師に憧れて京都旅(その2)清浄な水に怒りが浄化される貴船神社

          【意外なほどに広い京都】 (その1)で出張中に予定をドタキャンされた怒りのままに、貴船神社を目指すことになった経緯を書いた。 まぁ経緯と言っても読んでも意味がわからない流れで、とにかく感情のままに安倍晴明に憧れる男二人が、いきなり貴船神社を目指したのだ。 さて、その貴船神社だが、京都市の北部の山中にある。 京都市は実は結構広い。 余談になってしまうが、2010年代最高のゲームと評価される「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」はフィールドがとんでもなく広いことで有名

          陰陽師に憧れて京都旅(その2)清浄な水に怒りが浄化される貴船神社

          陰陽師に憧れて京都旅(その1)ドタキャンされて怒りのままに「丑の刻参り」の聖地へ

          【京都駅の怒れる二人】 昨年(令和5年)の師走、京都への出張中に突然、アポイントがキャンセルとなってしまった。 朝起きてこれから行こうと思ったらキャンセルの連絡が来ており、その内容も身勝手なものだった。 振り回されたもう一人である後輩(江戸東京たてもの園に一緒に行ってくれた博学な後輩)と共に京都駅で怒り狂っていた。 そりゃあもう、二人してガメラとイリスになって京都駅をふっ飛ばしてやろうか!と思うくらい怒り狂っていた。 さて、夕方まではぽっかり空いた日程をどうしようか、と

          陰陽師に憧れて京都旅(その1)ドタキャンされて怒りのままに「丑の刻参り」の聖地へ

          江戸から東京へ「江戸東京たてもの園」(後編)~来たことがないのに懐かしい町並み

          ↑ 前編です 【「江戸」から「東京」への忘れ物置き場】 「江戸東京たてもの園」は「江戸」から急激に「東京」に移り変わる中で、忘れられたものが、建物という形で展示されている野外博物館だ。江戸時代の農家から、モダンな洋風の家まで様々な家が展示されているが、何故だか懐かしい気持ちになる。 前編で説明した紀元二千六百年の記念事業が生み出した小金井公園に、今も「江戸」から「東京」に移り変わる忘れ物がたくさん保管されている。 【人の気配が無いのに、生活感がある不思議な空間】 人

          江戸から東京へ「江戸東京たてもの園」(後編)~来たことがないのに懐かしい町並み

          江戸から東京へ「江戸東京たてもの園」(前編)~「江戸」から「東京」への忘れ物

          【江戸から東京への忘れ物】 長嶋茂雄は学生時代に「I live in Tokyo」を過去形にせよ、と問われた際に、「I live in Edo」と答えたという。お茶目でありながら、なるほどと思わせる答えで、このエピソードを聞くたびに惚れ惚れする。 かつて「東京」は「江戸」と呼ばれていた。時代によって名前が変わる都市は他にもあるが、「江戸」のイメージと西欧化した「東京」のイメージはかなり異なるはずだ。 「逝きし世の面影」(渡辺京二著)という名著があるが、ここには「東京」に

          江戸から東京へ「江戸東京たてもの園」(前編)~「江戸」から「東京」への忘れ物