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陰陽師に憧れて京都旅(その4)京都の鮎を食べ、怒りを忘れて外界へ降りる


京都出張中に突然ドタキャンされた怒りのままに、「丑の刻参り」の聖地・貴船神社を訪ねた野郎二人。しかしそこには怒りや呪いすら清める清浄な空間があった。

【ゆっくりと伝統建築の材が育つ古事の森】

奥宮の側には「古事の森」がある。

古事の森とは素敵な響きだと思いませんか?

文化財の修復には巨木、古木が必要になるが、数百年単位の長期計画で木を育てている森とのこと。
伊勢神宮も明治天皇の思し召しで200年単位で造営林を管理しているという。
伝統ある建築物は一朝一夕にできないし、材もまた長い時間をかけて初めてその任を全うできるのだ。
その木を使う時には植えた人はもうこの世にいないだろう。

【名物の鮎を「ひろ文」でいただく】

夢枕獏の小説「陰陽師」では安倍晴明と源博雅が鮎を肴に酒を酌み交わすシーンがよくある。
高校時代、部活の後輩がそのシーンを目当てに「陰陽師」を読んでいると言っていたくらい美味しそうなシーンだ。

京都の鮎ってのを食べてみたいなぁと思っていたが、この辺りの店は軒並み高い。現金払いしか使えないとなると、少し怖い。
京料理ってなんであんなに高いのだろうか。

その中で「ひろ文」では、食事だけなら割とリーズナブルに食べられそうだった。
コースとかとんでもない額でびっくりしてしまった。

川を横に見ながらいただく

湯葉、鮎、ともに抜群に美味しい。
一気に食べてはもったいないと味わって食べる。貧乏性だろうか・・・
冬だから川床は無かったが、川を眺めながら食べる鮎は最高だった。
少し甘く煮られて味付けられていたこともあり、鮎一尾でいくらでも食事が進む。

冬だが目にも楽しい川床

【外界へ戻る】


清浄な空気が満ちる貴船の聖域で過ごす中で、ドタキャンへの怒りを忘れていた。
来る前までは「丑の刻参りの聖地」という印象だけが独り歩きしていたが、その真逆の清められた地であった。
今から出ようとしているのに、「次はいつ来ようか」と思うくらい名残惜しい。
さすがにまた歩いて戻るのはしんどいと、バスに乗って叡山電車の「貴船口」へ戻る。
「熊出没注意」の看板を何度も見る。
そりゃいるだろうなぁ、貴船だもの。

叡山電車がやってくる。これに乗り込めば、京都の街中に戻ることができる。

もう少しだけ続く京都の旅、もう少しだけお付き合いください。

目指すは下鴨神社に近い「出町柳駅」まで。


(その5)に続く


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