解説 すべてのものは神から出る(第二説教集17章1部) #166
原題:An Homily for the Days of Rogation Week. That all good things cometh from God. (祈願節週間のための説教~あらゆる善きものは神より出る)
第17章に入ります。この章は4部構成です。ただし、第4部については独立したものとして見ることもできます(これについては第4部の解説のところで詳述します)。まずは第1部の解説です。第1部の聖句でいうテーマはこれでしょう。
すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです。栄光が神に永遠にありますように、アーメン。(ローマの信徒への手紙 第11章36節)
第1部のポイントは次の4点です。
①すべてのものは神から出て神に向かう
②神のみ力と知恵は言葉で表せない
③この世は神のみ恵みによって存在する
④まとめと結びの短い祈り
はじめに、神がこの世を創り、この世に恵みをもたらしていることと、それに対して深い感謝の気持ちを持つことの大切さが説かれます。
神の力と知恵と人間に対する恵みは計り知れないほど大きなものであるのですが、一方でその大きさは人間の持つ言葉では表しきれないということが述べられます。
人間の言葉や、もっといえば知覚でとらえきることのできない神の恵みについて、人間はどのような姿勢を持つべきか。これについては次のように説かれます。
自身の無力さを認識して謙虚であることが求められます。高慢にならないこと。人間の知識や知恵など神の前にはたかが知れたものであること。これをよく踏まえることが求められます。
人間の力ではとらえきれない神の恵みによってこの世が守られている、つまり人間が不自由なく暮らすことができていることについても述べられます。ふだんわたしたち人間がつい忘れがちな、というか、思いを及ぼさない事柄です。いわゆる神の遍在についてです。
人間は自身の力の低さを理解し、謙虚になって神の偉大さを思い、神の存在を感じて生きるべきである。すべてのものが神から出て、神によって保たれ、神に向かっていることに思いを致して生きることが説かれ、短い祈りをもって第1部は終わります。
今回は第二説教集第17章第1部「すべてのものは神から出る」の解説でした。次はこの試訳となりますが、一度でお届けするにはやや長いので、二回に分けてお届けします。
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