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菫と春の永遠

君と僕との間に

永遠は見えるのかな

坂井泉水さん「永遠」より

澄んだ声と歌心


永遠は保証されることはない

だから 愛を

求めたり 失望したり 理論づけたり

細い 細い

糸でもないところに 糸

蚕は成虫になって もう自由だ


永遠も約束も

果たされない

言葉は

いつも輝き 雄弁な花の蜜のよう

それに寄り添って

ああ、愛だね


そう言えるほうが いいね



夜景も星も花束も

もう いいよ


大切な人の心だけ

側に感じられたら

それでいい

いなくならないでほしい

それは一輪の小さな菫

凛と咲いて

そこにある


菫は風を読んで

蟻に蜜を与えて

種子を運ぶよう 依頼する

彼らの関係は未来永劫続くだろう


菫は時に

満天の星空を仰ぎ

摩天楼の夢を見る

花屋のフラワーアレンジメントに憧憬する


春は 王様の出で立ちの 梅に桜に‥

それらは 人の心を魅了し

幾千もの言葉の連なりを残させる

筆と紙を産んだのも

梅や桜だったのかもしれない


花を愛でることを

安易な愛の手段にしないでほしい

もし あなたが

「永遠」を

探す気があるのなら


永遠は   いのち




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