編纂過程

足首の鎖が 

割れて 落ちたみたい

錆び付いて 古くなって

寿命を 迎えるように 

緑青の重さに 耐えられないように

静かに 突然

水と流れる 水滴と水滴と顔合わせ

銀の輪と 繋がれた鎖



歩いてもいいんだ

誰かが 外したのかな

外せる人 いるのかな

龍を探せるのかな

あなたに 許してもらえるのかな


それは気付かぬうちに

記憶から這い出て来て

愛する人へも 障壁で

冬の寒さに 凍りつかないように

暖かい場所へ 隠れてた

存在と機能から 逃れるように 

古傷は 傷跡だけになって

もう痛くないようだ

愛する人へ触れていられる



どうやって 先を

編んでいこう

あまりにも バランスの欠いた 作品は

糸も 編み目も 編み棒も 

綻び 穴空き 破れたところへ

装飾しても

色彩さえも 

濁って流れる  

逃げる泡


いつか繊細な美を纏って

あなたにも 見せられる日がきたら

森羅万象を 歌わせ

流れる 生きる 

作品として 

見てもらえるのだろうか






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