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映画音楽のコード・スケールやオーケストレーションに関する記事を書いています。後々、音楽…

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映画音楽のコード・スケールやオーケストレーションに関する記事を書いています。後々、音楽制作についても書いていくかもしれません。

最近の記事

作曲家・DTMer向け英語活用のすすめ(実践例)

前回は英語による情報を手に入れるために役立つであろうツールをいくつかご紹介しましたが、この記事ではどのような所でどのような情報が得られるのか、いくつか例をお見せしたいと思います。 1. マニュアルやサポートページ最近はブログやツイッターで得られるセール情報をたどって海外のショップから音源やプラグインを購入している方が増えていると思います。しかし、その場合は日本語のマニュアルが付いてこないため、このマニュアルを読まない人も多くなったように感じます。また、メーカーによってはマニ

    • 作曲家・DTMer向け英語活用のすすめ(ツール紹介)

      僕が英語の勉強を始めたり、アメリカへ行ってから意識するようになったのが音楽制作における情報量の差です。情報と言うとあまり音楽制作に関係ないと感じるかもしれませんが、ソフトウェアやプラグインの応用的な使い方を学べたり、新しい音楽制作のアイデアを得たり、作業効率の向上に繋げることができたりと、少しでも良い音楽を作りたいのであれば常にアップデートしていきたいものなのです。 今回は英語が苦手な方でも可能な限り情報の収集ができるよう便利なツールをいくつかご紹介したいと思います。個人的

      • 劇伴音楽における音楽理論の使い方?

        よくツイッターなどで音楽理論について賛否両論が行き交っているのを目にすると思います。 個人的にどこからが音楽理論なのか、何をしたら音楽理論を使ったことになるのか定義がよくわかりません。しかし、一般の書店にも置いてあるような「〇〇でもわかる」的なコードの本や、いわゆる芸大和声を勉強しただけだと音楽理論を学ぶ必要はないと感じる人が多くなるのもうなずけます(ちなみに日本ではその先について解説しているような音楽理論の本は多くが絶版になっています)。 「音楽理論を知らなくても曲は書

        • 譜読みを速くする方法 その一

          音楽制作の仕事をされている方でも譜読みに悩んでいる方は多いです。 ここで紹介する方法は普段DAWのピアノロールやギターのタブ譜に慣れている人が、オーケストラのスコアなどをできるだけ短期間で速く読めるようになるためのものです。 なお、時間がかかっても良いので五線譜に書かれた音符を見て、ピアノやキーボードの鍵盤を押さえられる(言いかえれば、五線のどこがドになるのかは分かる)ようにしておく必要はありますので注意してください。 今回ご紹介する方法が有効なのは以下の音域内にある音

        作曲家・DTMer向け英語活用のすすめ(実践例)

        • 作曲家・DTMer向け英語活用のすすめ(ツール紹介)

        • 劇伴音楽における音楽理論の使い方?

        • 譜読みを速くする方法 その一

          オーケストレーションの勉強法

          オーケストレーション(管弦楽法)を学ぶ上で欠かせないのが「スコア(総譜)の分析」です。楽器法や管弦楽法の本を読んで各楽器に関する知識を蓄えておくことは言うまでもありませんが、独学の方でも音源を聴きながらスコアを読んでみる、ということは普段から行っているのではないかと思います。 このスコアを読む作業は「スコア・リーディング」と呼ばれ、スコア・リーディングに重きを置いた本も出版されています。しかし、音源を聴きながらスコアを読んでみても、譜読みが速くなければ音符を眺めているだけに

          オーケストレーションの勉強法

          ヒックとドラゴンの「バーク島」 - #2

          ”ヒックとドラゴンの「バーク島」 - #1” の続きになります。 00:24~00:59ここからはバスーンによってメロディーが演奏され、ハープ2台と中低音のストリングスのピッツィカート(pizzicato)によってコードが作られています。ヴァイオリンやディヴィジされたヴィオラ、クワイアはコードを担いつつも副次的な旋律で楽曲を彩っていきます。 音源ではわかりにくいかもしれませんが、第2ヴァイオリンやディビジされたヴィオラはスル・タスト(sul tasto)という指板の上で弓

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          ヒックとドラゴンの「バーク島」 - #2

          ヒックとドラゴンの「バーク島」 - #1

          2010年公開の映画『ヒックとドラゴン(How to Train Your Dragon)』より「バーク島」という楽曲になります。現代の特にシンフォニックなハリウッド映画音楽として取り上げない訳にはいかない作品です。作曲家はジョン・パウエルです。 今回、楽器編成のすべてを書くことは出来ないのですが、ホルンが12人でトロンボーンが6人いたりと、ハリウッドの映画音楽でも一番大きな編成と言っても過言ではありません(ハンス・ジマーのスコアになるとさらに金管奏者の数が多い場合もありま

          ヒックとドラゴンの「バーク島」 - #1

          ピーター・パン - #1

          何度か映画化されてきた『ピーター・パン』ですが、こちらは2003年に公開された(日本では2004年だったそうです)作品の「Main Title」になります。作曲家はジェームズ・ニュートン・ハワードで、『マレフィセント』や『ファンタスティック・ビースト』など数々のファンタジー映画の音楽に携わっています。 00:00~00:41 この後の有料の範囲ではコード・スケールとオーケストレーションについて書いています。

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          ピーター・パン - #1

          シンデレラマン

          映画『シンデレラマン』より「Cinderella Man」という楽曲になります。作曲家はトーマス・ニューマンです。日本では来月公開となる『1917 命をかけた伝令』でアカデミー賞にノミネートされたばかりです。 00:00~00:34 冒頭部分のコード進行は上の図のようになります(TimpaniとSuspended Cymbalのロールのために1小節用意されていますが、それは省略しています)。 2小節目のadd4というコードはポップス向けのコードについて書かれた本では見か

          シンデレラマン

          『ウォーキング・デッドのテーマ』

          テレビドラマ『ウォーキング・デッド』のテーマ曲になります。作曲家はベアー・マクレアリーで2019年に公開された映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の音楽も担当しています。 まず、ベアー本人がこの楽曲について解説をしている動画があるのですが、00:20あたりでスコアの一部を見せてくれています。 Violins, Violas, Cellosは最後の2小節を除いてずっとTremoloで演奏をしていきます(16分音符にTremoloを表す斜線が一本なので32分音符で弾くこ

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          Back to the Future - #2

          00:49~01:07 Back to the Future - #1のすぐ後に提示されるこのメロディーはもう一つのテーマになります。 1~4小節のメロディーは上記のようにオーケストレーションされています(GlockenspielとHarpはその楽器の特性のため、いくつか音が省かれています)。金管楽器がメインだった#1から木管楽器や弦楽器へと移り変わり、良いコントラストを作っています。Electric Pianoの音を聴き取るのは難しいと思いますが、「DeLorean R

          Back to the Future - #2

          Back to the Future - #1

          楽器編成Flute x3*, Oboe x3, Clarinet x3, Bassoon x2, Contrabassoon, Horn x6*, Trumpet x4, Trombone x3, Bass Trombone, Tuba, Timpani, Percussion Harp x2, Piano x2, Electric Piano, 1st Violins, 2nd Violins, Violas, Cellos, Contrabass *Fluteはうち1人

          Back to the Future - #1

          フィルム・スコア・スタディ

          はじめに海外の映画作品(ゲーム作品も予定しています)から楽曲をピックアップして、コードやスケール、オーケストレーションについて書いていきたいと思います。本来、ここで取り上げていく楽曲は読者の手元にもスコア(総譜)がある状態で話を進めるべきなのでnoteに書ける内容には限りがありますが、実際の作品から作編曲におけるスタイルやアイデアを吸収して、ご自身の制作に少しでも役立ててもらえたら嬉しいです。 ※記事を書いていく上で参考にしているスコアは手書きのため読みづらいもの、後で現場

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