Back to the Future - #1
楽器編成
Flute x3*, Oboe x3, Clarinet x3, Bassoon x2, Contrabassoon,
Horn x6*, Trumpet x4, Trombone x3, Bass Trombone, Tuba,
Timpani, Percussion
Harp x2, Piano x2, Electric Piano,
1st Violins, 2nd Violins, Violas, Cellos, Contrabass
*Fluteはうち1人がPiccoloに、Hornはうち3人がTubenに持ち替えあり(Hornsのみで演奏されているバージョンもあります)。
00:27~00:37
まず、この7小節間で演奏されるテーマのオーケストレーションは下の図のように表すことが出来ます(8という数字は上と下の楽器が1オクターブ離れている、ということを指します)。
つまり、Horns(Horn x3の1オクターブ下でTuben x3がユニゾン)によってテーマが演奏され、第4小節の2拍目からTrumpet x4がこれに加わります。次の小節になるとTrumpetsも2人ずつに分かれてオクターブ・ユニゾンを形成する、という流れになります。Tuben(別名Wagner Tuba)という楽器は馴染みがないかもしれませんが、アクション系のハリウッド映画などでたまに用いられる楽器です。
次にコード・スケールについてですが、この区間はDbリディアン・モード(スケール)が使われています(第5小節で少し変化します)。
メジャー・スケールの第4音を半音上げたもので、映画音楽ではよく用いられるスケールの一つになります。最初の3小節間のコード進行をディグリー・ネームというローマ数字を活用した形で表記すると I - II/I - I - II/I となり、ベースがDbのペダル・トーン(保続音)を担っています。
このコード進行はリディアン・モードを代表する進行と言ってもいいくらいで、他だと『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の「ヨーダのテーマ(00:07~00:20)」でも同じコード進行が用いられています。
00:38~00:48
Gbリディアン・モードへと転旋法(転調)してテーマを再現します。
これに伴い楽器によっては配置やコード・ヴォイシング(音の積み方、鳴らし方)が変わりますが、基本的なアレンジに変化はありません。リディアン・モードやオーケストレーションが引き継がれている分とてもスムーズに楽曲が進んでいきます。
今回のリディアン・モード以外にも様々な種類のスケールが存在しますが、映画音楽やゲーム音楽ではまるで演出の手段であるかのように特定のスケールを活用する場合があるので、また別の楽曲を取り上げる時にご紹介したいと思います。
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