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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2021年6月の記事一覧

なんでもかんでも聞かないこと

*ぼくが会話の中で、じつは大事にしていることがあります。大事にしているだけで、大事にできているかどうかは、むろん別なわけなんですけどね。自称「人の話を聞くのが好き」いや、「好きな人や気になった話を聞くのが大好きマン」のぼくではありますが、じつは大事にしているのは「なんでもかんでも聞かない」ということだったりもします。

このことには、いくつか理由があります。どの理由も、ひとつの考えに帰結するもので

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なるほど!の質

*先日、ほんっとーにお世話になっているクリエイターの先輩と、はじめてパックラフトなるものをしてきました。パックラフトというのは、折りたたんでリュックに入る程度になるインフレータブルカヤックというやつで、ようするに簡単に持ち運んでカヤックができるんです。その先輩がとっても楽しそうに教えてくれるもんだから、先輩が誘ってくれたお仕事のギャランティをぜんぶつぎこんで、買っちゃった。

買ってすぐ、「さっそ

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なんてことのない、いい日

*朝九時。今日はカヤックで京都から大阪にかけて川下りををするため、大阪にいた。待ち合わせている駅の出口へと着くが、まだ誰もいない。もうひとり、ぼくの目の前で男性が待っていた。ぼくが来て数分もしないうちに、男性の顔がもう、効果音がついたかのように「ぱああっ」って明るくなった。ぼくの後ろから歩いてきたのは女性。きっと、彼女か奥さんなんだろう。男性のあの笑顔は、とっても素敵だった。晴れやかで、気持ちのい

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ひとりかんがえ

*「ひとりごと」という言葉はある。ご存知の通り、ひとりでなにかぶつぶつとつぶやいたりすることだ。ぼくはそこまでひとりごとは多い方じゃないと思う。
「ひとり遊び」という言葉もある。ひとりで遊べるあそび、というものだ。こいつは、ぼくはけっこう得意だったりする。看板や広告の文字をフォントや大きさに合わせた声と読み方で読んでみたり、車のナンバーを四則演算をつかって「10」にしてみたりなど、気がついたらけっ

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あんこづくり実況

*だいぶ前にラジオで、なぜか最中を食しながら「そういや、あんこって自分でつくったことないよなー」なんて会話をしていたのを思い出した。「ないですねー」とちょっと残念そうにぼくも言っていた気がする。そう、ぼくはあんこをつくったことがなかったのだ。しかしそれも、昨日までのぼくの話である。

ぼくがお菓子をつくるときはおなじみ、なかしましほさんのレシピを参考にしながら、材料を揃える。といっても、小豆と砂糖

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ナメエとは、ジューショのことである。

*「名前」というのは「住所」である。となかばむりやり、言い切ってみることにしよう。納得してもらえるかどうかは、このつづきにかかっているだろうが、ひとまず言い切ってみよう。名前とは、住所のことである。

河原に、黄色い花が咲いていた。たびたび見かけるこの花を、よし、「ぽぽんた」と名付けることにしよう。すると、河原の黄色い花が咲いているその場所、つまりその花は「ぽぽんた」になるわけだ。その河原だけでな

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風鈴屋さんになってみたい

*ドラマ『深夜食堂』を観ていたときだった。30分、1つの料理を中心に物語が構成されているその中で、新宿ゴールデン街を音を立てて練り歩く職業の人が出てきたのだ。その職業の人は力車を引きながら、ずんずんとゴールデン街を練り歩いていた。季節は夏前だったと思う。そう、「風鈴屋さん」をはじめてみたのは、深夜食堂だった。

木造の力車に、これでもかと風鈴が取り付けられ、その力車を引いて歩く。まさに移動式の風鈴

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愛のある仕事

*愛のある仕事をしていたいなぁ。じゃあ、愛のある仕事って、いったいどんなものだろう?

以前、撮影のおしごとをしたときに、カメラマンから撮影した写真が500枚ほど送られてきたことがあった。当日撮影したぶんを、すべて送ってきたのである。どのような用途で使うのかは説明していたし、使いやすいのを選んでくださいというのもあるかもしれないけれど、500枚の中から使う数枚を選ぶのはけっこう大変だ。それに、照明

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使っている筋肉がちがう

*お遊びでやってる、シロウトだらけの短歌会がおもしろくなってきた。ぼくの人生の中でも3本の指に入るほど影響を与えてくれている大先輩と、大阪の新進気鋭なスパイスカレー屋の店主も加わり、総勢七名で週に一度二首以上の短歌を詠んでいます。ちなみに今日が〆切だったんですが、なかなか個性のある短歌たちが揃いましたよー。

さて、一ヶ月ほど前から短歌にハマり、いろいろと書いてみたりしているわけです。ぼくは普段、

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まっさらで何かを学ぶ

*馴染みの酒場でよく会う仲良しのおじさんが、ずっと木工を趣味でされていてね。パイプとかボールペン作ったり、オブジェを作ったりともはや趣味とは言えないレベルでやっているんだけれど、そのおじさんと久しぶりにお会いして話をしたんです。息子さんが、ぼくと同い年のおじさんでね。

「さいきん会社辞めて暇なもんだから木工をちゃんと勉強したいなと思って。欄間の職人さんのところに弟子入りしてきたんですよ」と言うの

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ほめるときは真っ正面から

*ひとを褒めるときは、真っ正面から褒めることが大事なのかもしれない。褒めるってこっぱずかしいことでもあるから、ちょっと回り道をしたり、目を合わせずに言ってみたりすることもあるんだけど、褒めるときはたぶん、真っ正面から、できるだけ相手の目を見て褒めた方がいい。分かっててもできないかもしれないけど、できるだけそう努めてみようという話でね。

真っ正面から褒めることがなぜいいか。ひとつは、そのほうがうれ

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ちゃんと負けておくこと

*いまから、二十六歳の若者にしてはエロそう、じゃなかったエラそうに聞こえることを書いてみます。これを読む人は、ぼくを知っていようが知っていなかろうが、エラそうだと思うかもしれませんが、微熱程度のあたたかい目で、見てやってください。あ、おおむねというのは、大胸じゃなくて、概ねのほうだからね。

ぼくはこう、器用貧乏なもんだから、ある程度のことはソツなくこなせる自信があります。だいたいのことは60点は

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「ありがとう」について

*こころから「ありがとう」って言われるようなことは、むしろこっちが「ありがとう」って言いたいくらいのことなんだよなぁ、と最近つくづく思う。友人に、気持ちいいくらいの「ありがとう」をいう人がいてね。その友人からの「ありがとう」は、こっちが「ありがとう」って言いたくなるくらい、うれしいもんだ。

いい仕事ができたとき、その人のことを思って贈り物をしたとき、腕をふるって料理を振る舞ったとき、目の前を歩く

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じぶんとの約束を

*約束を守る人。約束を守る人ってのは、かっこいい。かっこいいんだ。約束をきちんと守る人になりたいなぁと、いつでも思ったりしている。でね、約束を守るためにはどうしたらいいんだろう、って考えたりもしたんですけど、やっぱり「約束をする」ことと、「約束をおぼえている」ことなんですよね。

すっごく当たり前だけど、約束を守るためには、まず約束をしなきゃなんないね。ヒットを打つためには試合に出ないといけないわ

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