なるほど!の質

*先日、ほんっとーにお世話になっているクリエイターの先輩と、はじめてパックラフトなるものをしてきました。パックラフトというのは、折りたたんでリュックに入る程度になるインフレータブルカヤックというやつで、ようするに簡単に持ち運んでカヤックができるんです。その先輩がとっても楽しそうに教えてくれるもんだから、先輩が誘ってくれたお仕事のギャランティをぜんぶつぎこんで、買っちゃった。

買ってすぐ、「さっそく今週末行く?」と連絡をくれる。そういえば、ぼくが先輩に憧れてロードバイクを初めて買ったときも相談に乗ってくれ、「買いました!」というと「じゃあ来週サイクリングしよう!」と言ってくれて、知識も経験もないぼくに楽しみながらたくさん教えてくれたものだった。ほんとうに、こういうところがかっこいいし、やさしい人だなぁと思う。

京都へ電車で向かい、大阪へと繋がる一級河川、淀川を降った。初めてのぼくは、入水から滑ってこけたりした。先輩は、何から何まで教えてくれるわけではない。むしろ、最初はあんまり教えてくれない。「はい、じゃあやってみ」と言われ、とりあえずやってみるものの、もちろんぼくは失敗したり上手くいかなかったりする。そのときになってようやく「こうするといいよ」と、アドバイスや機能の説明をしてくれる。失敗しているぼくを見て笑ってくれるのだけど、これがこの人のやさしさだよなぁと思う。

いわば、ぼくに「失敗を体験させてくれている」わけだ。だって、はじめから教えてくれればほぼ失敗しないわけだからね。とりあえずやってみて、そのあとに教えてくれる。そうすると、ぼくは何がいけなかったのか、どういう構造や機能になっているのかを体験してから教わることになるので、吸収力がちがってくる。「なるほど!」の質が段違いなのだ。

思えば、ご一緒させてもらったお仕事でも遊びでもそうだ。たくさん失敗を経験させてくれる。もちろん、ぼくがぽんこつで「できないやつ」というのも多分にあるのだけれど、失敗させてもらってそのあとにきちんと教えてくれたりしてもらえるのは、甘えているようだけど有難いよなぁ。ぼくも、こういう先輩で在りたいとつくづく思う。それと同時に、もっと「後輩力」なるものを高めたいなぁと、先輩と一緒にいながら思うのであった。


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