あんこづくり実況

*だいぶ前にラジオで、なぜか最中を食しながら「そういや、あんこって自分でつくったことないよなー」なんて会話をしていたのを思い出した。「ないですねー」とちょっと残念そうにぼくも言っていた気がする。そう、ぼくはあんこをつくったことがなかったのだ。しかしそれも、昨日までのぼくの話である。

ぼくがお菓子をつくるときはおなじみ、なかしましほさんのレシピを参考にしながら、材料を揃える。といっても、小豆と砂糖を買う程度なんだけどね。しかし、スーパーで思いの外あずきが見つからなかった。ゆで小豆はあるんだけど、ゆでるまえのが見つからない。15分くらい隅々まで練り歩いてやっと見つけた。みんな、小豆はあんがい分かりにくいところにいるゾ。

そうして、キッチンの前に立つ。お湯を沸騰させているあいだしゃかしゃかと小豆を洗って、沸騰したら鍋に入れ煮る。そのあと汁を捨てて渋切りをして、次は水から下煮をする。この下煮らへんから、豆のあまーい香りが出て来る頃合いだ。つやつやでふっくらとしてきて、豆の持つあまさが香ってくる。「おお、えらいべっぴんさんやのー」なんて小言を言いながら灰汁抜きをする。

下煮を終えたら時間をおいて蒸らし、いよいよ砂糖を加える。ここから急激にあんこっぽくなってくるよ。それまではまだ「小豆」だったものが「あんこ」になってくる。甘い香り、ヘラから伝わる完食、ちょっとどろっとした感じ、いよいよ「あんこ」だ。ここまでだいたい、一時間半くらいかな。

さあ、あとはことこと煮込んで、塩をまわしいれ、完成です。おおー、あんこって、こんなふうにつくるのか。ちょっと感動した。深夜のあんこづくりは、なんだかハマりそうだ。みんなもよかったら、あんこをつくってみてはいかが?「超珍あんこ」なんてあんこをつくってみたいな、将来。


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