マガジンのカバー画像

今日のうんち

1,455
食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。…
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

共同体と孤独について

*今日はひとつ、いろんな共同体について考えてみよう。いや、というのもね、人間はやっぱり誰かと生きたいわけじゃない?それこそドカンとおおきなものは「家族」ってのがあるだろうし、そうじゃなくても最近「シェアハウス」だとか、暮らすことを一緒に営む形式が増えてきている。それをテレビにしたのが「テラスハウス」だろうし、「暮らす」ということについて、少しずつ開拓されてっているとでも言うのかな。

ぼかぁね、人

もっとみる

その前置き、いるか?

*なにかにつけて、「前置き」の多い世の中になってきたと思う。これは世の中もそうだと感じているし、僕自身もそうだ。なにかにつけて、前置きをしようとする。「これはあくまで僕個人の意見なんですけど」とか「偏見かもしれませんが」とかさ。べつに前置きすることがわるいって言いたいんじゃなくてね(じっさいに、ぼくも前置きをよくするよねと言われたことがあるくらい)、そういうふうになってきたんだなぁ、と。

「いい

もっとみる

どしゃぶりのなかで

*きのう、こっちは一日中雨でね、おうちでぼーっとしながら過ごしていた。ごろごろしたりゲームしたり、荷物が届いたり料理をしたり、かと思えば海外ドラマを見たり。ふむ、こう書くとあっちゃこっちゃしているように感じるが、ただ「だらだら」としていたのだ。もう、一歩も家から出ていないよ。

でね、お昼ご飯に「なんちゃらイーツ」なるサービスを使ってさ。大雨だし、どこにも食べに行けないし買いにもいけないもんだから

もっとみる

先回りして好きになる。

*きのう、担当しているワークショップで、ちょっと実験的なことをやってね。「仲良くしたら、ともだちになった」というタイトルで、仲良くしようというのをやってみたのよ。え?これだけじゃ、ぜんぜん意味がわからないって?そう焦るな、ボーヤ。ちょっとずつ、噛み砕くからさ。

仲良しな人っているじゃない。今最初に頭に浮かんだ人だよ。今はいないって人は、昔仲よかった人でもいい。そんな人を思い浮かべて、その人とのお

もっとみる

もらうからあたえるへ

*元町映画館さんにお声がけいただいた、『バッファロー’66』という映画についての対談が無事終わりました。いやぁ、おもしろかったー。テーマは「男女間での違い」だったんですが、違いを語り合える場をつくるのって、むずかしいと思うんです。というのも、「ちがい」はあくまで「ちがい」であって、「まちがい」ではないんですよね。でも、その「ちがい」をあたかも「まちがい」のように指摘されたり、受け取ったりしちゃうと

もっとみる

鬼才だったなぁ。

*ようやく、エヴァンゲリオンを観てきました。三時間もあるし、トイレ行かずに観れるかなぁなんて心配もつかの間、あっという間に終わった。これはたしかに、何度も観る人の気持ちもわかる。1回目では情報量も多いし、繊細で混沌としたグラフィックに脳が圧倒されてしまう。きちんとストーリーや伏線などを回収しようと思うと、もう一度観なきゃいけないだろうな。それにしても、感想がいまだに書けない。何を言おうとしても作品

もっとみる

自然と溶けてゆく

*雪でつくったかまくらや雪だるま。それらは溶けて無くなっても、そうして遊んだ思い出たちは、目に見えない形で心の中に溶けてゆく。思えば、”そういう”ものばかりでぼくらの心の中は出来上がっているのかもしれない。逆に言えば、完全に忘れるなんてことはできないのかもしれない。忘れたくても忘れられないことって、ひとつふたつはあるだろうし。

「時間が解決する」というのは「雪解けを待つ」ということと似ているね。

もっとみる

たった一度しか聴けない曲があったなら

*たった一度しか、たった一度しか聴くことのできない曲があったなら、それはいったいどういう曲になるだろう。どういう曲というのは、演奏する音楽家や編集する人たち作り手にとっても、そして聴く人にとっても。再生ボタンを押したが最後、その曲が終わるまでの数分間、耳を傾けては終わってゆく。過去に戻れないのとおなじように、その曲はもう2度と聴くことができない。そんな音楽があったとしたら。

いわゆる「ライブ」っ

もっとみる

この人、土っぽいよね?

*ごぼうを食べながら「この土っぽさ、ウマイなぁ」とつぶやいた。ごぼうは根菜だから、土の中で育つし、土っぽさがあるのは分かる。牡蠣とか海のものを食べて「磯の香りが〜」なんてのも、おんなじようなことだよね。

いわば「その食べ物がどこからきたか」が、美味しさのひとつになっている。土っぽさがウマイとか、磯の香りがいいとか。高級食材だけを食べさせた牛が美味いのも、そういうことかもしれない。あ、でも「生臭さ

もっとみる

がんばれよの受け取り先

*ああ、また落語の話を。方正さんの『蜆売り』がとんでもなく良かったんだよなぁ。あれから、ざこば師匠の蜆売りをずっと聴いている。ざこば師匠のは、もうほんっと根っからの上方でコテコテの関西弁。お年もあるでしょうし、ところどころ言葉に詰まるんだけど、その違和感がまったくない。むしろ巧さを感じさせなくって、やりとりが自然なんだよね。もう、ネタをやっているというよりは自分の身に染み付いているという感じ。

もっとみる

ささいのデータベース

*面接やインタビューでよく「人生に影響を与えたおおきな出来事ってなんですか?」と耳にする。質問されたし、若い頃はよく人にこんな質問をしていたものだ。それに、今となっては若い人たちが、この質問を人にしていたり、されたときの対策として人生を振り返ったりしている姿も、見てきている。振り返るきっかけになるのはいいことだよなぁと思いながらも、いやいや、人生そんなおおきなことばかりで形成されちゃいないぜ、とも

もっとみる

愚かなくらいがちょうどいい。

*きのうは、月亭方正さんの独演会へ。落語を生で聴くのは2ヶ月ぶり、そういえばこの前も聴いたのは方正さんだったかな。方正さんの落語、好きなんだよなぁ。間も、トーンも笑いも今風なんだけど、だからこそ落語の良さが光る。個人的に、今回の「蜆売り」のあの間には胸にくるものがあって、気付いたら涙が出たよ。

当日は前座の方の「時うどん」からはじまり、方正さんが「曽根崎心中」、間寛平さんが浪曲を披露し、小文枝師

もっとみる

咲くべきときに咲いただけのこと。え

*ちょっと前に、今年の桜は広島から開花したと電車の中で見かけた。そうか、広島から咲いたのかー、とただ単に思う。沖縄だともっと早くから咲いたり、場所によっては遅咲きの桜もあったりして、ちょっとずつ開花する時期が違う。そんなことに、思いを馳せてみる。

4月1日になったから、全国で一斉に桜が咲き始めました!なんてことは、起こりようがないんだよね。もしかしたら、奇跡的に起こるかもしれないけれど、それはた

もっとみる

それでもやっぱり聴くはいいぞ。

*情報が解禁されたので、書いておこう。神戸にある「元町映画館」さんの企画にお声がけいただき『バッファロー’66』という映画の対談に登壇することになりました。ぼくも先日観てきましたが、いい映画だった─っ。この映画はたしかに「男女観」におおきな違いが出そうなもので、そこらへんについて、今年のミスIDファイナリストの南村さんと対談します。ああ、やっぱり楽しそうだなぁ。

ぼくは有難いことに、こうした対談

もっとみる