この人、土っぽいよね?

*ごぼうを食べながら「この土っぽさ、ウマイなぁ」とつぶやいた。ごぼうは根菜だから、土の中で育つし、土っぽさがあるのは分かる。牡蠣とか海のものを食べて「磯の香りが〜」なんてのも、おんなじようなことだよね。

いわば「その食べ物がどこからきたか」が、美味しさのひとつになっている。土っぽさがウマイとか、磯の香りがいいとか。高級食材だけを食べさせた牛が美味いのも、そういうことかもしれない。あ、でも「生臭さ」はちょっとちがうよね。

「そいつが、どこからきたか」というのは、ルーツというか、それまでを想像するひとつのきっかけになりえるものだ。『北の国から』で、純が東京に行く際にトラックの運転手に吾郎さんが渡した2万円。あの2万円は、泥がついていたから感動したわけでしょう。まっさらなピン札だったら、たぶん泣くまではしなかったんじゃないかなぁ。

でね、それを人間で考えてみるとおもしろいかもしれないと思って、書き始めた。例えば「方言」なんてのは、ごぼうでいう「土っぽさ」だよね。関西弁の人は関西からきたことがわかるように、その人がどんな場所で過ごしてきたのかが分かる。

その人の特徴、自分が思うクセみたいなものから、その人のルーツを想像してみる。黙っている人は、いったいどこからきてどうなって、黙っているのだろう?怖がっている人は、何を怖がっているのだろう?どこからどうきてどうなって、そうなっているのだろう?なんて。それだけでその人を判断するのはよくないことかもしれないけど、想像するだけなら自由だしね。

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