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【簡単あらすじ】ST警視庁科学特捜班・化合(微ネタバレ)【今野敏/講談社文庫】

『はじめに』
Noteで「読書の秋」コンテスト開催ということで、最近読んで印象に残ったり、買ったままで積んでいた本の感想を書いていこうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、ご注意ください。



警視庁捜査一課に配属されてまだ一年足らずの菊川と、所轄のベテラン刑事である滝下が中心の物語です。

このコンビ同士の軋轢に加え、「捜査本部の検事」「捜査員」「捜査員をまとめる幹部」のそれぞれの思惑が絡み合い、物語が進んでいきます。

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この物語は、犯人の特定や動機の解明といった、警察vs犯人の戦いだけでなく、捜査本部の軋轢をどのように解消していくかということも主題になります。

「菊川とコンビの滝下」「捜査員と警察幹部」「刑事とエリート検事」の関係性が、事件発生時から少しずつ変化し(基本的には良いほうへの変化です)、事件解決時には各人の感情も含め解きほぐされています。

また、物語終盤は時間との戦いでもあり、解決まで一直線にスピード感満載で突き進んでいくことも、すっきりとした読後感につながっています。

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ST警視庁科学特捜班シリーズに欠かせないキャストである、菊川・三枝の若い頃を描いた作品です。

両者とも、若いなあ、と感じさせる言動があり、この物語を読んでから他シリーズ作品を読み直すと、各作品全体の印象が変化するところもありますので、シリーズを一通り読んだ方にもおすすめな一作です。

STシリーズ全般に言えることですが、最後の最後での大どんでん返しというよりも、最初から最後まで、登場人物に素直に感情移入して読み進められるところが私の好きなところです。

また、小説原作のテレビシリーズも、藤原竜也さん・岡田将生さん・窪田正孝さんといった、若手~中堅実力派俳優だけでなく、渡部篤郎さん・田中哲司さんがきっちり脇を固めていますので、こちらもお時間があれば是非ご覧ください。



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画像は【わたなべ - 渡辺 健一郎 // VOICE PHOTOGRAPH OFFICE】さまからお借りしました。ありがとうございます。


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