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夏イチゴ試験栽培@伊東・伊豆高原

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伊東・伊豆高原で夏イチゴの栽培が定着できないか、試験栽培で検証することにしました。リゾート地で、家庭菜園以上、副業農業をお考えの方に、栽培課題、観察のポイントをご提供することを目… もっと読む
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夏イチゴ試験栽培2023を振り返る いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原

夏イチゴ試験栽培2023の総括コラムの連載 一挙に掲載始まる! 第1回 2023年夏イチゴ試験栽培のワークショップを始める 狙いは、伊東・伊豆高原に夏イチゴの栽培&食のコミュニティをつくりこと リンクはこちら 第2回 いちご生産者の施設園芸栽培では、初年度は収穫は良好な成果  伊東・伊豆高原での夏イチゴのの産地としての適性が高いことを示唆 リンクはこちら 第3回 家庭園芸/屋外プランター栽培でも、収穫は期待以上の成果 伊東・伊豆高原で、夏イチゴの家庭園芸コミュニティづく

いちごの在野研究センター@伊東・伊豆高原を目指して 第1回 2023年 夏イチゴ試験栽培のワークショップ開始      

〈経緯〉いとう・住もうPT(移住促進官民プロジェクトチーム)のワークショップとしてスタート。  伊東市のいとう・住もうPT(移住促進官民共同プロジェクトチーム)のワークショップとしてスタート。伊東市のいとう・住もうPT(移住促進官民共同プロジェクトチーム)と、ITO学びラボの活動と連携して、夏イチゴの試験栽培プロジェクト2023が同年4月に始動。 今回の夏イチゴ試験栽培2023は、いとう・住もうPTのワークショップの一環として企画され、伊豆新聞等を通じて参加者を募集。

いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原 第2回 いちご生産者用の施設園芸栽培では、初年度として収穫は良好な成果  

いちご生産者用+家庭菜園用の2つの環境で活用できる栽培方法づくりを 目指す。 ・試験栽培用ビニールハウス(+高設栽培システム)で栽培検証を通じて、 スケールアップしていちご生産者の夏イチゴ栽培にも活用可能な栽培方法を目指す。 ・家庭菜園用 屋外プランター栽培屋外プランター栽培と言う、家庭菜園でも簡便に準備出来る環境で、夏イチゴ栽培に活用可能な栽培方法を目指す。 栽培方法の仕様的にはいちご生産者の環境に類似したものを目指し、家庭菜園以上、副業いちご生産者以下の栽培管理の試

いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原 第3回 家庭園芸/屋外プランター栽培でも、収穫は期待以上の成果

伊東・伊豆高原で、夏イチゴの家庭園芸コミュニティづくりに弾み 屋外プランターによる試験栽培の目的は、ビニールハウス無しでの家庭菜園モデル(自給的農含む)の栽培検証 ビニールハウス環境を設営せず、屋外プランターの試験栽培を計画した背景は、以下の通り。 ・伊東市・伊豆高原は、4月-10月は、夏いちご栽培の適合温度帯にあり、雨よけ環境を考慮すれば、屋外プランターで一定程度の収穫生産性が実証出来れば、伊東・伊豆高原というリゾート地では、夏イチゴが自給農・副業的農の新しい地域目玉

いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原  第4回 夏イチゴの栽培ガイドを、伊東・伊豆高原用にカスタマイズ

いちご生産者用と家庭園芸用の両方で通用する栽培管理方法を模索 準備課題 栽培環境・方法の選択肢を考える 伊東・伊豆高原の地域の特性から、副業型のイチゴ生産者用と家庭菜園用の双方に適した栽培環境・方法を考えることとした。 夏イチゴについては品種開発者の信州大学の試験栽培データを参照。栽培条件の基礎資料として活用することとした。 いちごは果菜類の中で出荷金額では、トマトに次いで2番目に大きな農産品である。 1990年代から、自治体・JA等で品種開発が進み、各自治体(県単位

いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原 第5回 夏イチゴ 定植後初期45日間に実施した栽培管理

品種開発元の栽培ガイドと公開文献を参考に試行錯誤 実施課題① 購入培土の品質・信頼性チェック 家庭菜園以上/副業農以下の環境でのいちご栽培を行う場合に、留意すべき点は購入培土の品質・信頼性チェックである。  いちご産地では、いちご栽培資材に対する知見・経験を有する地域の農業資材業者(JA含む)が存在しており、いちご生産者はそれらの資材事業者より、一定の品質・信頼性のある農業資材の調達が可能である。しかしながら、いちご産地でない地域で、家庭菜園以上/自給農/副業農以下の農

いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原 報告⑥ 夏イチゴ 施設園芸の試験データを読み解いてみる。

5月上旬-6月下旬の早期収量の試験データからの示唆下図が、試験栽培用のビニールハウスでの収穫量推移(等級別、46株定植) である。等級分類は、ネット通販サイトで夏いちご生産者がパッキングしている総重量、粒数から算定したもの。 信州大の夏イチゴ栽培ガイドでは、定植(4月中旬想定)から45日間は株の生育を優先、花房を摘除することを推奨しているため、6月下旬以前の早期収量については数値記載が無い。 【実施した栽培管理】  大室高原(伊豆高原)の小型施設園芸ハウスでは、夏イチゴ

 いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原⑦  夏イチゴ 家庭菜園/屋外プランター栽培データを読み解く

家庭菜園の環境で、いちご生産者の栽培方法に近づけるのが、夏イチゴ試験栽培2023の狙い 夏イチゴの試験栽培2023では、屋外プランター栽培と言う家庭菜園でも作れる栽培環境で、いちご生産者の栽培方法に可能な限り近い手段を取ることとした。以下がその具体的なアプローチである。 屋外プランター栽培、施設園芸の栽培条件に準拠した方法で試験栽培に着手することとした。 近年、いちごの促成栽培(冬春いちご)、ならびに、夏いちご栽培のいずれの栽培技術も、ビニールハウス施設園芸(+高設ベッ

いちごの在野研究所を目指して@伊東・伊豆高原 報告⑧ 夏イチゴの農&食のバリューチェン構築の試み 

夏イチゴ試験栽培2023の中で、「農:いちごが出来るまで」と「食のバリューチェン:いちごが出来た後の世界」の2つのフェーズで、伊東・伊豆高原でどのような展開が出来るかについて検討・試行を行った。 上記のコラムで述べた通り、農と食のバリューチェーンには、以下の2つの世界が存在する。 ・「食料安定供給のための農と食のバリューチェーン」 大規模農業、広域で大規模な流通・販売を伴う農と食のバリューチェーン ・「芳醇な価値を創出する農と食のバリューチェーン」 食することの価値、自

 総括前編:伊豆高原は夏イチゴの栽培に適しているか?

試験栽培の総括概要 総括① 伊東・伊豆高原での夏イチゴの栽培適正については、早期収量期(5-7月)から8月中旬迄の収量を考慮に入れると、概ね有望と言える。 信州大栽培ガイドの収量データとの比較方法 ① 大室高原/施設園芸ハウス栽培、屋外プランター栽培の収量はS等級(6g-8g以上)の収穫値を使った。 ② 信州大学の収量は、栽培ガイド資料の可販果重量のデータを使った。 〈一部要因〉 ・伊東・伊豆高原の春の温暖な気候が早期収量(5-6月)の立ち上がり早さに貢献している。 ・大

私と夏いちご その後 生命礼讃

コラムニスト Dancingdoll 「あっ、やられた」9月半ば、ネットを上げたときに時に思わず口をついて出た言葉。 6つの苗のうち、一番端にある苗は茎だけ残して無残にも食いちぎられていた。犯人は鹿。庭や畑の花、野菜あげくは樹の皮まで食べられてお手上げ状態。 気を付けていたのに、ネットをかけていない横から頭を突っ込んで。がっかりしたが、そのまま水やりは継続。11月になり、朝晩寒くなってきたので室内に移動。 朝は東側のブラインドを開け放ち、苗たちに「おはよう、元気」と声

私と夏いちご

コラムニスト Dancingdoll 4月末に夏いちごの試験栽培に挑戦してみませんか?という記事が伊豆新聞に小さく載った。 夏に苺が採れるなんて面白そうと軽いノリで参加。実はとてもまじめに本格的なミッションを持っていることに気づき場違いな自分にどうしようと焦り、気持ちはあとずさりした。 でも自分で育てたイチゴでスイーツを作ってみたいという気持ちが勝りにわか苺農婦に。 育てる中で一番感じたのは子育てと共通することが多い、というよりそのまま。成長過程でほかの方のアップした苗

夏イチゴ試験栽培 活動ミッションはリゾート型の菜園ライフ作り

伊東市のいとう・住もうPT(移住促進官民共同プロジェクトチーム)(こちらをクリック)と、ITO学びラボ(こちらをクリック)の活動と連携して、夏イチゴの試験栽培プロジェクト2023が同年4月に始動しました。 国内で流通している主要イチゴは促成栽培の冬春イチゴですが、夏イチゴとの栽培時期の違いについては、以下をクリック。 夏イチゴの試験栽培2023の狙い狙い① 『伊東・伊豆高原は、夏イチゴの栽培に適しているか?』栽培検証 伊東・伊豆高原では、家庭菜園以上、副業農業以下(半農

夏イチゴ栽培技術への挑戦は、公開文献の試験データを読み解くところから開始

伊東・伊豆高原等の温暖地域が夏イチゴの栽培に適しているかは未知数 夏イチゴの試験栽培の計画は、2022年夏に伊那市の夏イチゴ農園(信大BS-85品種を栽培)への訪問・見学後に始まりました。2023年3-4月定植苗については、軽井沢在住で「晴耕雨読」ライフ主宰者の新井氏と共同で数百株を購入。伊豆高原、軽井沢の気候の異なる2拠点での比較栽培を行うことにしました。  夏イチゴは、北海道、東北、長野等の高冷地での栽培に適しており、様々な試験栽培データが発表されています。しかし、静