私と夏いちご その後 生命礼讃
コラムニスト
Dancingdoll
「あっ、やられた」9月半ば、ネットを上げたときに時に思わず口をついて出た言葉。
6つの苗のうち、一番端にある苗は茎だけ残して無残にも食いちぎられていた。犯人は鹿。庭や畑の花、野菜あげくは樹の皮まで食べられてお手上げ状態。
気を付けていたのに、ネットをかけていない横から頭を突っ込んで。がっかりしたが、そのまま水やりは継続。11月になり、朝晩寒くなってきたので室内に移動。
朝は東側のブラインドを開け放ち、苗たちに「おはよう、元気」と声をかけることからスタート。太陽が高く昇ると南側に移動と、光を求めて動かす。体力テストで体組成計に乗ったら足の筋肉±0、腕の筋肉+2.
12月に入ってさほど寒くない日が続いても、イチゴのために薪ストーブに薪をくべる。そんな生活を続けていてふと気づいたら、すべての苗に又花芽が上がり、実をつけ始めていた。
ほかに比べて葉の数が極端に少ないにもかかわらず、ひときわ大きな実をたくさんつけ日に日に赤く色づく苗。データを確認してみると,あの鹿の食害で丸坊主になってしまった苗だった。
驚きと共にその生命力の凄みさえ感じられた。
クリスマスに間に合うだろうか?それから毎日朝、昼、晩と眺めて祈るような気持だった。
ボスが「1日のうち半分くらいイチゴのことを考えている」とつぶやいたとき、ふーん、私にはありえないと思っていたのに、あっという間にその病にどうやら感染。
祈りが通じたのか、クリスマスに一番大きな実〔18.5g〕が完熟、中まで赤く、甘い香りが鼻をくすぐる。イブのデザートにクリスマスカラーで、クリスマスにはアイスクリームを従えて。
たかがイチゴ、されどイチゴ。
命を育むことはこんなにも大きな喜びをもたらすのか!
酷暑に耐え、食害にもめげず命を繋ぐ、いちごがくれた最高のクリスマスプレゼント。
コラムニスト Dancingdollのバックナンバー記事は、クリックこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?