「芸術神学」批判序説 ~ 新しい公共劇場の在り方を模索するための省察 ~(6)
マルクス・ガブリエル(1980-)は、「世界」は存在しないと言う。
この場合の「世界」とは、平たく言えば、単一の土俵だ。もし「世界」が存在するなら、1000年前の人も100年前の人も現在の人も、単一の土俵に乗っていることになる。あるいは、人間が絶滅したとしても、その単一の土俵は存続することになるだろう。このような単一の土俵においては、「真理」もまた一つである。あるいは「真理」とは、単一の土俵が存在することを前提していると言ってよい。1000年前の人は太陽が地球の周りをまわ