小説|ハロゲンワークス(15)
レイドの気配がして飛燕達が家を出る。するとほぼ同時に、バキッ!っと大きな音と共に街の近くにに雷が落ちた。
「ーー……ちっ。早いな」
飛燕が眉を寄せる。すでにレイドの能力が発動している。急がなければ、雷で森が焼け焦げる。
「走れるか?紫苑」
「うん。大丈夫」
住民の避難はフリージアに任せてあるので、飛燕達は迷わず城に向けて走り出した。バキッバキッ!と、雷が立て続けに森に落ちる。
紫苑は飛燕の体も心配なのだが、事態が事態ゆえに、それを言っている場合ではなくなってしまってい