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#建築 まとめマガジン

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2018年4月の記事一覧

世界遺産ル・コルビュジエを見に行こう

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。 2016年7月、東京・上野の国立西洋美術館が東京では初めてとなる世界遺産に登録されましたね。 皆さんはなぜこの美術館が世界遺産に登録されたか、ご存知でしょうか。 近代建築の3大巨匠のひとりと言われる世界的建築家、ル・コルビュジエが設計した建物だから? 建築のデザインが優れているから? 建築の歴史にとって重要な作品だから? どれもちょっとずつ合っているようで、正解とは言い難い回答です。 もしかすると、世界遺産登録をきっかけに美術館に訪れて

“安全なまち”はいつも個別解。地方が抱えるジレンマ|【イベントレポート】

密集市街地の防災と住環境整備:関西編 セミナーレポート(その3) 密集市街地の防災性と住環境の向上に取り組んできたUR都市機構(以下、UR)の15の事業手法を総覧した書籍『密集市街地の防災と住環境整備』の出版を記念して2017年11月21日に行われた東京・密集市街地再生フォーラムに続き、「密集市街地の防災と住環境整備:関西編」と題した出版記念セミナーを2018年2月9日、大阪にて開催しました。 このイベントレポートを3回に分けてお送りしています。 最終回の今回は、大野さんか

Youtubeとかvimeoで見れる背景・建築が面白い動画

映像作品に現れる背景や建築を考えるにあたって,色々収集中.Youtubeで見ることができる背景・建築が面白い動画をサクッと紹介していきます。皆様が知っているものも教えて頂きたいです。 METAFIVE 「Musical Chairs」Googleマップを活用したミュージックビデオ.上空から見た金沢21世紀美術館や国立代々木競技場,東京ドームなどが登場します.音楽にマッチした映像が普段とは異なる視点をもたらしてくれます. TOKYO DENSE FOG - NIKKOR M

ベーコンを燻製できそうな。

日本の建築は没個性だと言われることがある。当たり障りのないグレーの四角ばかりだ。 時々飛び抜けて個性的なビルもあるけど、それは「社長、やめた方がいいっすよ」となぜ止めなかったんだろうと感じる「失敗側」が多い。 この写真の建物は悪くない。異質さがいい方向に出ているし、ベーコンなども燻製できそうな印象がある。 It's said that Japanese architecture is no personality. Just gray cubes without bla

閉鎖系建築家と開放系建築家 ─ 特集/「環境住宅」その先へ 地球と共存する住まいのアイデア─『住宅特集』2018年4月号月評

『新建築住宅特集』では、毎月、さまざまな作品や論考、記事を掲載し、広い射程をもって住宅から明日を拓く建築の可能性を伝え記録しています。しかし重要なことは、議論の場をつくることにあります。限られた誌幅の中で示されたものから何を考えていくべきか、それぞれの読み解きや発見を共有し、建築を取り巻く多くの事象や環境と共に議論を重ねること。この座談月評は、その場を広げていくことを目的に掲載します。2018年1~12月号は、西沢大良さん、吉村靖孝さん、西澤徹夫さんを評者として、1年を通して

都市を「そうぞう(想像・創造)」すること

建築家・青木淳さんの都営交通の考察.ぜひ建築業界以外の人に読んでもらいたいと思い,地味に紹介していっています. 今回は,東銀座駅の地下鉄路線が立体交差していることについて.詳しい内容は記事をぜひご覧ください. 今回は「想像」することがテーマになっています.見えない構造に思いを巡らすこと.なんてことのない風景でも地面の下には立体的な道が重なり合っていて,ダイナミックな都市性を生み出しています.それが「見える化」されれば...なんてある種の「想像(妄想)」からどう「創造」する

三田キャンパスが好きな理由

小さい頃から街とか建築物を観察するのが大好きな性格だし、こんな本を買って読んでみた。 三田キャンパスは慶應の総本山で、図書館旧館などの歴史的な建造物も多く残されている。このキャンパスの雰囲気が結構好きだ。なんで好きかというと難しいけど、何個か理由を挙げてみる。 一つ目に、都心キャンパス特有のコンパクトさ。文系4学部3・4年生の教育機能と研究機能が、あの端から端まで見渡せるような三田の山に収まってる。日吉では独立館から心理学教室まで10分近く歩かなければたどり着かないが、三

立場を尊重し合う人間関係──幸福感を得る家づくり

「私の失敗」は建築家自身が自分たちの失敗を赤裸々に語るコラムです。建築家たちはさまざまな失敗を重ね、そこから学び、常に自分たちを研鑽しています。そんな建築家たちの試行をご覧ください! 執筆者:川口通正(建築家) 1952年兵庫県生まれ/独学で建築を学ぶ/1983年川口通正建築研究所設立/2006年〜工学院大学非常勤講師/2008〜10年NPO法人家づくりの会代表理事/現在、NPO法人家づくりの会理事、家づくり学校副校長/1992年「草絲館」(本誌9108)でUD賞都市建築

重厚なフランジを聴く(東武浅草駅大カーブ)【東京フォトジェニック】

東武浅草駅 開業 1931年 半径100m、直角に折れる大カーブ。 昭和6年、銀座線への接続を図るために隣駅から線路を伸ばしたが、横向きの土地しか確保できず、このカーブが生まれた。 線路と台車がゆっくりと軋轢あい、耐え切れず溢れるフランジ音。 そして、モスグリーンの鉄骨で組まれた重厚な高架を見上げると、改めて気づくことになる。 ターミナル。 誰かの出発地であり、到着地であること。 重厚なフランジ、佇まいがストーリーに華を添えていること。 何かが生まれる、何かが終

「フィクション」,「リアル」,「リアリティ」について─背景が語ることはなんなのだろうか0

社会学者の大澤真幸が、1995年以降の時代状況を「現実から逃避する」のではなく「現実へと逃避する」と分析している。彼が「現実」に「リアリティ」とルビをふっていることに注意したい。現実は普通、リアルの語訳に当てはまるのであって、リアリティではない。ここで逃避が向かっている「現実」とは、「現実以上に現実的なもの、現実の中の現実、「これこそまさに現実!」と見なしたくなるような現実である」。つまり、「リアル」以上に「リアリティ」を持つ何かであって、私たちが生きている世界より、もっと身

最速宅建合格メソッド by 理系建築学生

 kokiです。2017年に理系建築学生でありながら、約5週間で宅地建物取引士資格試験に合格しました。  宅建を取るきっかけとなったのは就職活動です。建築を学んできた私は、企画する立場として価値ある建築物を残していきたいと思い不動産ディベロッパーを見ていました。ただ、建築物を不動産として見た時の取引のあり方には疎く、体系的に学び就職活動へ繋げたいとの思いから宅建取得に取り組みました。最終的に私は某鉄道会社への就職を選択しましたが、不動産ディベロッパーのインターンシップに数社参

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再整備に欠かせない「世代を超えた生活設計」という視点|【イベントレポート】

密集市街地の防災性と住環境の向上に取り組んできたUR都市機構(以下、UR)の15の事業手法を総覧した書籍『密集市街地の防災と住環境整備』。 その出版を記念して2017年11月21日に行われた東京・密集市街地再生フォーラムに続き、「密集市街地の防災と住環境整備:関西編」と題した出版記念セミナーを2018年2月9日、大阪にて開催しました。 今回はこのイベントレポートを3回に分けてお送りします。 大野さんからの概要紹介(→レポート第1回)のあとは、中迫悟志さん(門真市副市長)、林

着地点を見据えた挑戦

「私の失敗」は建築家自身が自分たちの失敗を赤裸々に語るコラムです。建築家たちはさまざまな失敗を重ね、そこから学び、常に自分たちを研鑽しています。そんな建築家たちの試行をご覧ください! 執筆者:宮本佳明 (建築家) 1961年兵庫県生まれ/1984年東京大学工学部建築学科卒業/1987年同大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了/1988年アトリエ第5建築界設立/2002年宮本佳明建築設計事務所に改組/大阪芸術大学准教授を経て、現在、大阪市立大学大学院教授/1996年第

集合住宅雑感

集合住宅について触れるなら51C型まで遡らなければならない、さらに51C型とは西山夘三の食寝分離論や吉武泰水、鈴木成文の議論から繋がっていた。 公団の大量の住宅供給はnDK・nLDKという形式が生まれたから可能になった。その後、nDK・nLDKというキーワードは建て売り住宅やマンションなどに広がり、現在、当たり前のように住宅の大きさや部屋数を示すフォーマットとして使われている。 一方、こうしたnDK・nLDKという形式は現在の生活には適さないとして、建築家からは脱nLDK