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建築専門誌の編集者→バーチャルへ 91年生まれ。リアル / バーチャル空間について考え…

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建築専門誌の編集者→バーチャルへ 91年生まれ。リアル / バーチャル空間について考える。 ワ探編集部

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  • VRChatワールド探索部マガジン

    • 84本

    VRChatワールド探索部のメンバーによるマガジンです! ワールド紹介やクリエイターインタビューなど、いろいろな記事を不定期に更新中。

  • XR空間を考える

    来たるべきパラレルリアルの世界へ向けて,XR空間について考える. 主として建築を参照しつつ新しく生まれつつある空間への思考を深化させるための断片記noteです.気になった方はまずは一番上らへんの記事をどうぞ!

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  • 2020-21読書録

  • 建築・都市定期報

    「建築・都市定期報」では定期的に建築・都市系(以外)のニュース・記事を取り上げ、感じたことなどを付記して掲載していきます。また、世に出ている「建築雑誌」というものを取り上げ、内容を概観して感じたことを綴っていきます。 ※一個人としての意見となります ※割と緩め ※不要な拡散防止のため有料設定にしています。面白くなかったら返金OKです!

最近の記事

より断片化していく世界『波打ちぎわの物を探しに』他【読書記録】 

小さい子どもと出かけようとすると、自然と都市の中で「行ける」場所を探すことになるのですが(物理的にベビーカーが行けることであったり、綺麗なトイレがあることであったり)、そうすると今までの都市の見方とは少し違った見方ができることに気づきます。綺麗なトイレ(授乳室、おむつ台があると最高)がこんなにもありがたい場所で、今までの自分の視界にはまったくなかった世界だなあと。 元々人が密集する場所に行くのは得意ではなかったので、行きたい場所はそれほど変わってはいないとも言えますが、ベビ

    • 生命科学を通して「体験」から建築を考える『EXPERIENCE 生命科学が変える建築のデザイン』 他【読書記録】

      仕事をしつつ、種々の原稿をまとめていたりしたら、いつの間にか2月になっていました。今年はゲームをやるぞ、と思っていたけど、本を読んでいたら寝る時間になっていて……みたいな繰り返しでほとんど触れず…… とりあえず、今やっている『未解決事件は終わらせないといけないから』をクリアしたいですね。 『EXPERIENCE 生命科学が変える建築のデザイン』(ハリー・F・マルグレイヴ 著/文、川添善行 監修/翻訳、兵郷喬哉 翻訳、印牧岳彦 翻訳、倉田慧一 翻訳、小南弘季 翻訳、2024年

      • 最近読んだ本

        またすぐにやらなくなってしまいそうですが、簡単にでもいいので読んだ本を軽くまとめるやつを今年はやっていこうと思います。 〈怪奇的で不思議なもの〉の人類学「妖怪」を人類学のフレームで捉え直すという試み。民俗学や人類学にそんなに親しんでいないので、理解するのに少し苦戦しました。後半では、「バックルームス」などが取り扱われ、現代的な怪異の在りようが分析されていたのも興味深かったです。ノスタルジックな要素(ビデオテープやテレビのノイズ)が使われることで、「少しずれた世界」が生み出さ

        • 2023年振り返り

          いよいよ振り返りくらいしか記事書いてないんじゃないか?って感じになってきましたが、毎年恒例の振り返りです。 本業の方は本業の方で振り返りを書いたので、今回も個人活動の振り返りになります。今年はプライベートでかなり大きい変化があったので、印象的な1年になったと思います。 ワ探インタビューVR演出についてかんがえてみた 2021年からVRChatワールド探索部部長のタカオミさんと始めたインタビュー。今年は1企画しかできませんでしたが、かなり密度の高い?記事ができたので、エネ

        より断片化していく世界『波打ちぎわの物を探しに』他【読書記録】 

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        • 2019読書録
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        記事

          読書記録『冷蔵と人間の歴史―古代ペルシアの地下水路から、物流革命、エアコン、人体冷凍保存まで』

          冷蔵庫の冷やす仕組みは主に気化熱と凝縮熱によってもたらされ、それらをより効率化するために冷媒が開発されてきた。つまり、冷蔵庫の仕組みは非常に科学 / 化学的なものである。 本書は人類が追求してきた冷蔵方法、低温にする方法を古代からさかのぼって紹介する。氷室等からはじまった冷やす行為は、当初魔術的なものと捉えられていたが、やがて温度の仕組みや圧力、原子の発見によって科学的な分野として確立していく。ロケットエンジンの仕組みは-253℃ほどの液体燃料を3315℃ほどまでに瞬間的に

          読書記録『冷蔵と人間の歴史―古代ペルシアの地下水路から、物流革命、エアコン、人体冷凍保存まで』

          読書記録『脳は世界をどう見ているのか──知能の謎を解く「1000の脳」理論』

          著者は1990年代に携帯情報端末「パームパイロット」で大成功を収めたジェフ・ホーキンス。彼はもともと脳の研究をしたかったようで、その後紆余曲折を経て、神経科学の研究を行う研究所「ヌメンタ」を立ち上げる。とにかく脳の研究への執念が感じられる経歴である。 彼らが研究するのは、脳の中でも新しい部位とされる「新皮質」。哺乳類の中でも人間の新皮質はとにかく大きく、脳の容量の約7割を占めるらしい。脳は長い時間をかけて新しい部位を進化させることによって人間に複雑なふるまいを可能にさせるよ

          読書記録『脳は世界をどう見ているのか──知能の謎を解く「1000の脳」理論』

          読書記録『北関東の異界 エスニック国道354号線―絶品メシとリアル日本―』

          北関東のそこらで見かけるエスニック料理屋。パキスタンにインドにタイにベトナム…それらが位置するところを辿っていくと、なんと「国道354号線」に連なる場所だと気づき、著者らは国道354号線を北上しながら各所の料理や文化を紹介していく…という体のノンフィクション。 新大久保あたりがすっかりコリアンタウンになったり、池袋に本格的な中国店が増えたり、と都内の各所で移民街的なものが生まれているのはニュースで見かけたりしたが、北関東にもそうした流れがあったとは知らなかった。 本を読み

          読書記録『北関東の異界 エスニック国道354号線―絶品メシとリアル日本―』

          読書記録『ex-dreams』「グーギー」

          福島加津也+冨永祥子建築設計事務所が展開するインディペンデントな出版レーベル「GADEN Books」の第二弾である『ex-dreams』に、以前から気になっていた「グーギー建築」が掲載されていたので、読書。 「設計事務所が書籍をつくる」という点では、湯浅良介氏の『Houseplaying No.01 Video』やo+h booksの『青華―伊東豊雄との対話』が思い当たる。 こうした例がいくつも出てきている事自体も興味深いが、どの本も単なるポートフォリオではない、視点が異

          読書記録『ex-dreams』「グーギー」

          読書記録『レアリスム 再考諸芸術における〈現実〉概念の交叉と横断』

          「レアリスム」と言うと、ありのまま(「現実」)を描写する姿勢や芸術の作品を指すが、一口に「現実」と言っても、その捉え方は時代や社会状況によって異なってきた。 本書は、複数の著者がそれぞれの視点で「レアリスム」(「現実」)について、その多様さを論じた、論考集となっている。 「現実を表現する」ということはつまり、「『現実』についての思考」が存在することである。その違いを認識することで、実は私たちが見ている「現実」も、あくまで一時代の在り方でしかない、という視点に気づくことができる

          読書記録『レアリスム 再考諸芸術における〈現実〉概念の交叉と横断』

          読書記録『水族館の文化史』

          人類は、古代の養魚池にはじまり、人工的につくった環境に水族を入れ鑑賞することを続けているという。そこには、「水族」という普段はまったく目に触れない世界への畏怖と好奇心が関わるのだろう。 本書でも、こうした「水族を見る」という営為が続けられてきた大きな理由を「アクアリウムのもつ魔術的な側面」に魅了された可能性も考えるべきと述べている。 つまりは、多くの人びとは水族の詳細な生態を知りたいというより、謎めいた生態を目の当たりにすることで、まるで「異世界」に来たような経験をしたくて

          読書記録『水族館の文化史』

          2022年振り返り

          毎年恒例の振り返りです。 去年は転職という、ガラッと環境を変えることをしたので、新しい環境に慣れることにエネルギーを使っていた記憶があります。 今年は読書ペース戻せたり、ちょっと落ち着けてきた感があります。 さて、一応サラリーマンなのですが所属しているところの躍進は僕からあえて特筆するまでもなく、という感じなので、今年は個人でやったことについて振り返ってみようと思います。 ワ探インタビュー去年の終わりくらいから、VRChatワールド探索部の部長のタカオミさんと一緒にVR

          2022年振り返り

          建築学生にとってソーシャルVRでのワールド制作が良いかもしれない話

          本記事はワ探アドカレ12/16の記事です。 はじめに大学の建築学科などでは「設計課題」という、独自の演習授業があります。 いわゆる「建築家・設計者」や「空間デザイナー」と言った職能を目指す学生にとっては、実際に手を動かしながら学習ができる楽しい楽しい授業です。 筆者も大学では建築学科に所属していたので、学生時代はこうした課題に打ち込んでいました。 今自分は、VRChatワールド探索部で色々なワールドを巡ったり、たまに自分でワールドをつくってみたりしているわけですが、学生の

          建築学生にとってソーシャルVRでのワールド制作が良いかもしれない話

          ワールド探索日記日記 #ワ探アドカレ

          本記事はワ探アドカレ12/7の記事です。 日が空いてそうだったので、急遽徒然なるままに書いてみます(色々良い記事いっぱいの中で恐縮ですが...)。 さて普段はワ探インタビューをタカオミさんと一緒にやっているFUKUKOZYと申します(もうちょっとで新しいインタビュー記事を出せそうです)。 最近「ワールド探索日記」という日記めいたものを書いています。 タイトル通りですが、ワールドを巡った時に思ったこと・考えたことを好きに書いています。 自分は思考がアウトプットされたような

          ワールド探索日記日記 #ワ探アドカレ

          文脈の接続についての妄想─リアル/バーチャルのサンリオピューロランドから

          2022年7月15日からサンリオピューロランドで開催されているショー「Nakayoku Connect」を見てきたので、久しぶりにキーボードを叩いています。 ──いたのですが、しばらく筆を置いてしまっていました。ですが来年も「SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland」が開催されることが決まったそうなので、改めてキーボードを叩き直しています。 「Nakayoku Connect」は、昨年12月に開催された「SANRIO V

          文脈の接続についての妄想─リアル/バーチャルのサンリオピューロランドから

          ワールド探索日記 2022/11/13

          先週の、イギリスの独立系映画祭RAINDANCE映画祭のVR部門として10/26~11/26で開催されている「RAINDANCE IMMERSIVE」の特設ワールドツアーに続き、ノミネート作品のVRChatワールドを作者さんに案内してもらえるという貴重な機会があったので、参加してきました。 今回案内いただいたのは「Lost Valley Lake Retreat by nprowler」「Namuanki by Kevin Mack」の2ワールド。それぞれ趣向がまったく異な

          ワールド探索日記 2022/11/13

          ワールド探索日記 2022/11/6

          Raindance Embassy By marirakuVRChatワールド探索部の特別回。 イギリスの独立系映画祭RAINDANCE映画祭のVR部門として10/26~11/26で開催されている「RAINDANCE IMMERSIVE」の特設ワールド「Raindance Embassy」をキュレーターのMariaさんにご案内いただきました。 「RAINDANCE IMMERSIVE」は今回で7年目らしく、VR作品を取り扱ったイベントとしてはかなり歴史があるように思えます。

          ワールド探索日記 2022/11/6