読書記録『レアリスム 再考諸芸術における〈現実〉概念の交叉と横断』
「レアリスム」と言うと、ありのまま(「現実」)を描写する姿勢や芸術の作品を指すが、一口に「現実」と言っても、その捉え方は時代や社会状況によって異なってきた。
本書は、複数の著者がそれぞれの視点で「レアリスム」(「現実」)について、その多様さを論じた、論考集となっている。
「現実を表現する」ということはつまり、「『現実』についての思考」が存在することである。その違いを認識することで、実は私たちが見ている「現実」も、あくまで一時代の在り方でしかない、という視点に気づくことができる