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#建築 まとめマガジン

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記事一覧

重要なのは「変化を受け入れ、行動すること」「真摯に取り組むこと」——アーキテクチャーフォト® 後藤連平さんに聞く、〈Webメディア〉と〈まち〉

人びとがインターネットに触れるようになってからわずか数十年でTwitter、Instagramを筆頭にしたSNSの発展などインターネットを取り巻く環境は大きく変化しています。 2003年に個人サイトとして始まり、2007年から本格的に活動を始めた建築系Webメディア「アーキテクチャーフォト」は、「建築」という専門メディアの視点から、そうした目まぐるしい「変化」と並走し、その時々でより良い発信のあり方を考え続けてきました。 そうしたアーキテクチャーフォトの道のりからは、同じく

建築のウェブ発信の現在を分析する───apが独自の編集方法を模索した理由

はじめにarchitecturephotoという建築メディアは、2003年に編集長がウェブサイトを立ち上げた時から計算すると、今年で19年目に突入しています。 2003年というと、dezeenもarchdailyも存在していなかった時代です。ぼくはこの時代をインターネット黎明期と呼んでいるのですが、この時代から建築をウェブ発信しながら、ネット上の変化を見続けてきました。 そして、2020年以降の建築におけるウェブ発信を取り巻く状況は、それ以前と比べ大きく変わっているように

思い通りにならなかった出来事を振り返ってポジティブなストーリーを紡ぐスキル

先日、とある方から建築関係者のキャリアに関するインタビューを受けていました。ぼくがどんなことを考えて、どんな経験をして今に至っているのかという内容でした。 ぼくのよく使う言葉で言うと建築人生に関わるお話ですね(その内容は来月公開されるのでまたお知らせします)。 その中では色々な事を話しましたが、ぼくが自分でも印象的だったのは「自分のキャリアを振り返って肯定してあげよう」という話でした。詳細は本編を見ていただくとして、ここでちょっとだけ紹介します。 それは、自分が過去に関わっ

【建築生産マネジメント特論講義】 霞が関ビルとはなんだったのか──超高層ビルと、「建築生産の科学」の時代

本稿は、東京大学大学院にて開講された権藤智之特任准教授による講義『建築生産マネジメント特論』を筆者が一部再構成し、テキストベースで公開するものです。 カバー画像:霞が関ビル上棟式の鉄骨(霞が関ビルディング50年記念誌より転載、三井不動産蔵) 新たな技術と、それを使いこなす想像力が組み合わさった時、これまでにない建築構法システムが突如可能になることある。過去100年ほどの間に突如登場した”超高層ビル”というアーキタイプは、その顕著な実例の一つだと言えるだろう。超高層ビルの構法

クリエーターは自身の制作プロセスを言語化・方法論化することで、自身をブランド化できる。—――創作とビジネスを両立させるための指南書『ブランディングデザインの教科書』

尊敬する大先輩、エイトブランディングデザイン西澤さんの新著『ブランディングデザインの教科書』を年末年始に読了。 素晴らしい書籍だった、、! 平易な文章の導入から、専門的な用語が徐々に増え、ブランディングという仕事の様々なフェーズを追体験できる内容で、非常に学びが多い。特にクライアントとの協働関係を明確に言語化し、その重要さを説く部分が面白い。 建築とかデザインって、全て施主との協働だと思うのだけど、やはり作品としての側面もあるから、その施主の存在は隠れがち。でもブランディ

大都市から超都市へ

クラウド化する都市少し前になるが、ニコラス・カーの『クラウド化する世界』(2008・原著 Nicholas Carr『The Big SWITCH』2008)という本が話題になった。この本が予言していたのは以下のような世界の大転換(Big Switch)である。 20世紀初頭の大転換は、それまで各工場ごとに必要だった発電機を、大規模発電所と大容量の送電線のネットワークの整備によってひとつひとつの工場が持たずに済むようになり、維持管理のコストや停電、騒音に悩まされず安定して電

リモートワーク時代の住空間

コロナウィルスのおかげで、在宅ワークの世界が到来し、住空間が大きく変わろうとしています。 そんな中悲しいくらい変わらなすぎる日常を送っているのが弊社(株式会社TATTA)です。 建築や内装の設計をする小さな設計事務所です。 (*2015年引越し当初の弊社。右にキッチンや水回り、奥に2部屋ある) 代表の僕は、いくつかの大学で非常勤で建築設計教えながら、 建築家という肩書で住宅から事務所、店舗、クリニックまで幅広く設計活動をしています。 建築家というのは建築士の資格を使うお

建築事務所のいろいろ_乗り越える

コペンハーゲン、ロンドン、バルセロナ、ニューヨーク、BIG全事務所がシャットダウン、そしてテレワーク/引きこもり生活に突入して2週間半が経った。ニューヨークの状況は誰もがニュースで知るように、すさまじい状況である。家から出るのは毎朝の犬の散歩と週1回のスーパーへの買い出しのみ。外出の時は、すれ違う人達と2メートルの距離を開ける「Social Distancing」が欠かせない。 近所に総合病院があり、そこに向かう救急車のサイレンが一日何度も聞こえる。その度に、そんな中で仕事

クライアントの世界の言語を理解するー理想と現実が明らかになった時代に設計者が生き抜くための教科書『建築と経営のあいだ』

創造系不動産の高橋寿太郎さんが執筆された『建築と経営のあいだ』拝読してるけど素晴らしい書籍だと思う。 僕が読んでいる感じでは、これは建築設計分野の人間に対し、ビジネスの世界の言語を分かりやすく伝える書籍のように思えた。 これは、ぼくも編集に関わっている書籍『“山"と“谷"を楽しむ建築家の人生』の中で、建築家の永山祐子さんとのやり取りの中でも語られているのだけど、自分の仕事を説明するときに、相手の世界の言葉で語れると間違いなく事業の成功率は上がるのである。 例えば、行政相

2008 July, Part 1_Tampa_Sarasota-3

リヴィア・クォリティ・ハウスに続いて向かった場所。 コクーン・ハウス。 水辺に建つ1950年に出来た小さなコテージ。 ワイヤーによるサスペンション構造とガラスと木製可動ルーバーのダブルスキンファサード。 フロリダ時代のポール・ルドルフの一番有名な住宅。 ルドルフが設計した初めての大きな建築であるリバービュー・ハイスクール。1957年です。保存運動があったにも関わらず、2009年には取り壊されてしまいました。私が訪ねたのが2008年の夏で、多分夏休みだったのでしょう、学生の

街並みと行き来して楽しむ「建築家 浦辺鎮太郎の仕事」展

先週末よりスタートしました、展覧会「建築家 浦辺鎮太郎の仕事―倉敷から世界へ、工芸からまちづくりへ 」。 元紡績工場の大スパンが生きた展示空間(ちなみにこの倉敷アイビースクエアも浦辺の改修物件です)、初公開となる原図やスケッチ等展示物の数々、そして圧巻の木模型。 制作を担当したのは各地の建築学科の学生さんたち。(実はその苦闘の日々が浦辺展公式インスタグラムで記録されてます。舞台裏も面白い)。 浦辺展会場はこんな感じでめちゃくちゃかっこいいです。そして広い・密度濃い。すべ

アトリエのイタリア紀行

 事の起こりは、シチリアの美術館に行きたいと思い立ったことだった。 建築家 カルロ・スカルパが、そのキャリアの初期(1954年竣工)に手掛けた「パラッツオ・アバテリス」は第二次世界大戦中に爆撃され、瓦礫になっていた建物を修復していった建築で、シチリア州立美術館となっている。  スカルパは、学生時代からずっと気になり、幾度もその作品を辿っているけれど、ずっとシチリアには足を延ばせないでいた。  旅行会社にフラッと入り、その場で自分も調べながらザックリ一週間程度で行けるもの

建築の3次元デジタルアーカイブの未来はどこへ?─『旧都城市民会館』3DDAトークセッションレポート

菊竹建築設計事務所によって設計され,1966年に竣工した都城市民会館. 変わらない部分と社会の変化や技術の発展によって変わっていく設備などの部分を分け,屋根は部品化された部材を用いて,交換可能なものとして設計されたメタボリズムの思想が取り込まれた建築である. 鉄筋コンクリートの基壇の上に鉄骨屋根架構が載る特徴的な形態を持ち,まるで昆虫のような独特な姿が印象的だ. 旧都城市民会館の「残る部分」 竣工してすぐに掲載された建築専門誌『新建築』の解説で,菊竹氏は「残る部分」につ

「消費者」から「所有者」へ──なぜいま「修理する権利」が重要なのか

先週wiredでも記事が出ましたが、ついにアップルが(部分的にですが)折れました。最近よく耳にする「修理する権利」の話です。 個人的に「修理する権利」に注目しはじめて約一年、その重要性への確信は日ごとに高まっています。今回はこの記念すべき(?)イベントを祝して、なぜいま「修理する権利」が重要なのかを考えてみたいと思います。 Appleはどのように修理を「拒んで」きたか手元にiPhoneがある方は、底面の充電ジャックの両脇にある小さなビスをよく観察してみてください。ビスの穴