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脳科学の嘘OR本当?脳の大きさは頭の良さに関係する?#2

さて、今日は脳の嘘か本当かシリーズの2つ目やります。

”頭が大きい人は頭がいい”という噂がありますが、頭の大きさだけで頭の良さがわかるわけではないので、その点についてNoといえます。

ではその理由を述べていこうと思います。

脳と体の大きさの比率

(Borrell)

頭が大きいにもさまざまな定義ができるので、まずは人が他の動物と比較したとき、人の脳は体の大きさと比較したらどれぐらいの割合なのでしょうか。このグラフは脳の大きさと体の比率について示しており、どの動物が一番比率が大きいのか調べたものなのですが、当然のように哺乳水で1番の大きさである鯨に続き、陸上で1番の大きさを誇る象が2位にランキング入りしています。続いて、イルカの後に人間がいます。そのさらに後ろにはチンパンジー、鰐とカラスがいます。

では、人間は鯨や象よりも頭が悪いのでしょうか?また、ほとんど同じ比率にイルカがいますが、イルカも人間と同じように認知機能は高いのでしょうか?

実はイルカは人間よりも脳が大きいですが、知能は人間の3歳レベルといいます *1。よって、脳の大きさと頭の良さと比例しません。そして、これは人間同士でもいえることです。例えば、あの天才的な脳を持つアイシュタインの脳を分析した時、なんと重さは1230g人間の平均的な脳の重さより下だったことがわかりました *2。

人間の脳のつくり

では人間の脳と他の生き物との圧倒的な脳の違いはなんでしょう?

それは、大脳皮質と呼ばれる部位が大きいということです。大脳皮質というのは、体を動かしたり、認知機能を司る記憶力や言語能力の生成といった役割があります。以下のグラフはその大脳皮質の質量が他の生き物と比べた時の違いです。

(Jeromin)

陸上生物で一番大きい脳を持っていた象よりも、大脳皮質が大きい人間ということから、認知機能の違いはここにあるといえますね。また、この大脳皮質には神経細胞が詰まっている灰白質といわれる部位があるのですが、実はこの灰白質が1番のポイントです。

神経細胞

このイメージは簡略化された神経細胞ですが、Axon と呼ばれる、細胞核から伸びているしっぽのような部分が詰まっている場所が灰白質です。この灰白質がたくさんあればあるほど、人の認知機能は下がりません。しかし、以前の脳の嘘OR本当で書いた、「馴れると効率化する」ということを覚えていますか?実はこの効率化というのはこの神経細胞が減ることを指します。

脳の成長

脳の成長が神経細胞が減るということ、と聞くと恐ろしいとは思いますが、効率化するのはむしろいいことなんです。なぜなら、何かを学んで身につけることを指しいるからです。例えば、私たちは生まれた時(1,000億)よりも今の神経細胞の数は半分以下(250,000)に減っています *3。新生児は触れるものすべてが新しいので、さまざまなものに触れていくたびに必要のない細胞が消滅していきます。

では、なぜ人は歳をとると認知機能が下がるのか。これもまた効率化によるものだからです。たとえば、「この映画も他の映画と似ているな」とか、「新しい曲より懐かしい曲が聞きたい」という感覚は慣れ親しんだものや、知っているものがあるということは、時間の短縮やエネルギー消費を抑えてくれます。新しいことに触れたり、新しいことを学ぶのは疲れるからです。よって、若い世代が新しいことを沢山したいと思う中、歳を重ねるにつれていつもの習慣を繰り返す方が安心感を感じるようになります。

ですが、もし認知機能が下がるのが嫌、神経系の病気になりたくないと思うなら気をつけてください。こういった病気を治す、防止するためには新しいことに触れ続けなくてはいけません

脳だけはどんな年齢になっても成長できます。そのために、運動をしたり、趣味を見つけて没頭してみたり、新しい知識を得るために本を読んでみたりすると、そのたび新しい神経細胞ができるので、ぜひ、早いうちから脳の健康を意識することが認知機能を保ち続けることの秘訣なので今すぐにでも始めてください。

ということで、自分の大好きな脳についてまた一つ記事が書けて満足してます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


引用サイト:
*1:

*2

https://www.science.org/content/article/closer-look-einsteins-brain#:~:text=The%20team%20also%20found%20other,of%20average%20for%20modern%20humans.

*3


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