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虹色ねもと
2021年5月2日 21:46
その日は雪が舞う、寒い日だった。職場に母からの電話がきて電話口に出た。「お父さんが道に倒れてるところを発見されて、病院に運ばれたって!」その言葉に一瞬、頭の中が真っ白になった。早く病院に行かなくちゃ。「きっと大丈夫!」そう自分に言い聞かせながら病院に向かった。でも、大丈夫じゃなかった…病院に着いた時には父親はもう息を引き取った後だった。仕事中の急性心筋梗塞だった。こ
2021年4月21日 12:57
弟が働きもせず、家でパソコンをいじり、テレビを見て過ごしていく毎日。父親も母親も幾度となく「仕事を探せ!」と言ったが、聞く耳を持たず、奨学金の返済の催促や税金の催促だけがやってくる。電気工事士の資格を持ってるだけに、その関係の仕事にこだわる弟。しかし、その求人がないのだから仕方がない。こだわっている場合じゃないのだ。コンビニのバイトでも新聞配達でもなんでもやって、せめて、奨学金の返
2021年4月19日 22:53
警察のお世話になって帰ってきた弟は、普通じゃなかった。親が泣くようなことをしでかしていた。借金だ。借金を抱えて戻ってきたのだ。その額は150万円複数のキャッシング会社からお金を借りていた。うちは貧乏なのだ150万円をどうやっても返せる訳がない。仕事もしていないのに、どうやって返そうというのか。奨学金の返済もあるのに。親は絶望に近いものを覚えたに違いない。働いたお金が只々、息
2021年4月5日 11:02
弟の行方がわからなくなって2ヶ月が経った。メールをしても、もちろん返事はないし、電話をしても出るわけがなかった。そんな中、ずっと体調が悪かった祖母が亡くなった。蒸し暑い日だった。祖母が亡くなった事を知らせる為に弟の電話を鳴らし続けた。何度も何度もかけ直した。でも、繋がらなかった。こんな時に何処で何をしているのか、心配よりも苛立ちのほうが大きかった。可愛がってもらった祖母のお葬式
2021年3月20日 22:56
青森から実家のある山形へ帰ってきて、仕事に就いた弟。5ヶ月は真面目に働いた。落ち着いて働いているとみんなが思っていた。が、ある日の朝、一本の電話が入る。「あのー、板垣君、出勤して来てないんですが、どうしたのでしょうか?」まただ!無断欠勤とは。家にはいない。どこをうろついているのか。また父親が謝らなくてはいけない破目になった。もう何度、自分の息子の為に頭を下げたか…情けない。いな
2021年3月4日 22:53
引き続き、弟のことをさらけ出してみよう。家賃滞納の衝撃的なことがあったが、何とか大学を卒業することができた。そのまま、大学のある青森での就職も決まった……のだが、またまた、ダメさをさらけ出すのである。電気工事関係の就職先で、寮があり、家具家電も会社で半分の費用を負担してくれるという、今時にない待遇の会社だった。そこを、たったの3日行っただけで辞めてしまった弟である。何が嫌だったのか
2021年2月26日 10:28
引き続き、弟のことをさらけ出してみよう。山形から青森へと、行く予定のなかった長旅をすることになった両親。家賃を3ヶ月も滞納しているという衝撃の事実に、一体どうなってるのか確かめに行かずにはいられなかったのだ。大家さんにも頭を下げに行かないといけなかった。情けない。無事に青森に着き、弟の部屋を見た両親は、さらに衝撃を受けた。部屋の中に物が溢れていたのだ。数種類のアニメ、コミック本