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『詩:カミナリ』


恐ろしい嵐の夜
私は一人誰もいない街を歩いていた

雷が落ちてくる
ピカドン、ピカドン

突風は木々をなぎ倒し、
豪雨は全てを飲み込み、
雷は全てを破壊する

私は吹き飛ばされそうになりながら
暗い夜道を歩いていく

私は胸を高鳴らせていた
私は、偉大な破壊を愛している

誰の心の中にも、破壊を愛す感情がある。

爆発、倒壊、陥没。

人々は、偉大なる破壊を前に胸を高鳴らせる

誰の胸の中にもある
偉大なる破壊への愛

瞼を閉じると、どんなに辛い現実も「これは夢だ」と信じることが出来る。

きっと、これは夢だ。
きっと、これは何かの間違い。



不思議な大自然の理
私は指を空に向ける

ピカっと光った瞬間

私は微笑む


涙が大地に落ちる
芽が出て花が咲く


その花が私に向かって言う

もう大丈夫そうだね、と。

私は瞳を閉じて
誰もいない嵐の夜を歩き出した







 

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