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花一匁


さよならが心地良く感じられるようになったのは
一体いつからだっただろうか

もとから一人だったわけでも
はなから多くの人に囲まれていたわけでもない

温かくもあったし、寂しくもあるこの人生

人の温もりを知るときも、
孤独の味を知るときも、

そのどちらも、私にはあったように思う

どちらも経た私は、やっぱり、
近くにいる人たちの温かさを感じる

きっと、寂しくないわけじゃない

どこまでいっても人は
最後は一人になる

死ぬときは多分、自分一人

そんなこと分かっているけれど、
どうしても一人だとは思えない

だって、温かいから

もし私が一人だとしたら
この暖かさを、この胸の温もりを
どう説明すればいいのか
私には分からない

初めましても、さようならも、
そのどちらも、私にとっては
同じようなものなのだ

全員等しく、愛しい仲間
そう思っている



頑張っているあなたを
どうか癒せる自分でありたい

私はずっと、そう願ってきた
人知れず辛い道を行く君だから

何かあったときに
おかえり、って笑顔で迎えてあげられるように
私はいつでも待っている

君はずっと変わらないね
どうしてそんな風になるのか
未だに僕には理解できない

恐らく一生かけても、
君と同じ世界は見れない気がする

それでも、なんだか、心地いいから

君を僕のなかで大切にしていれば
きっと上手くいく気がするから
どこまでも一緒に歩いていこう

ねぇ、次はどこへ行こうか




甘ったるい詩的な文章も
現実をぼかすまやかしの言葉も
私にとっては毒だった

何もかもが、等しく一様に
みんなどうでも良かった

でも、そうじゃないと思えるときもある

そういう瞬間を、取りこぼさないように
大切に掬い上げるように
私は毎日を生きている




本当に欲しいものが見つかるまでは何も選ばない
それが私の生き方だ

ずっと、気になったものに
素直になって
ある程度一生懸命、取り組んでみる


明日を知ってたみたいに
本当に大切にするべきものを
本当に欲しいものをみつけるまで
私はじっと、じーっと、堪えて待っている

どこかの神話のワンシーンみたいに
私は大切なものを手に入れる

懐かしい、愛おしい
あなたの輪郭がくっきりと思い出される

いまはどこにいるのかな

きっと待っている
あなたを、いつも、どこかで



私はきっと、偉大なる人類史において、
特筆すべきような重要な人物ではない

多くの人にとって目から鱗の発明をするわけでも
誰かの命を救うわけでも
誰も成し得なかった偉業を達成するわけでも
きっとないのだと思う

これくらい生きていれば
少しくらい、分かってくる

でも、私は私を尊重できる
私は、この毎日を愛している

この先に何があるのか
私は知らない

でも、そんなことはどうでもいい

ただ心躍るように、毎日を歩んでいくだけ


たった一つの命なんだから
あなたはあなたの命を
蝶より、花より、丁重に扱え

人の命が尊いように
あなたの命だって尊いのだ

人はどこかで一人になるのだから

どこかのタイミングで
あなたはあなたを認めなくてはならない



君が笑顔でいられるように
私は書いているのかもしれない

そうでなければ
僕が生きている意味はないから

君がもう少し笑ってくれたら
僕はちょっぴり、幸せかもな

ほんとは分かっているんでしょう

自分を求めているのは
誰よりも君自身なんだって

君ってそんなに素敵な人だったっけ
今この瞬間に、生まれ変われるかもしれない

ちょっとくらい、笑ってみようよ
ほら、一緒にさ、
前みたいな笑顔を見せてよ

悲劇も誰かと分かち合えば
喜劇になるかもしれないからさ

僕はあなたをほしいと思うよ
私と踊ってくれますか











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