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いつの日か


大粒の涙を流して泣く赤子が
私の瞳を見て微笑んでくれる

そういうとき
抑えられないほどに
胸の内から大きくて温かなものが込み上げてくる

どうか、この子が幸せになりますように

この子に、いつの日にか、愛すべき人ができて
永遠の幸せが、この子を包み込みますように

私は願う

どうして泣かなければならないのだろう

痛みを知っているから
人に優しくなれるなんて
全部、詭弁だ

笑っていられるなら
そっちの方がいいに決まっているじゃないか

痛みなんて、いらない

父、母と手を繋ぎ、
幸せそうに歩いている子供を見ると
「どうか、この幸せが永く続きますように」と、私は願う

神さま、お願い

羨ましいんです
悲しいんです
寂しいんです

お願いだから、あの幸せが、
永く続くものでありますように


乾いた心に降り注ぐ
温かな慈しみの雨が
この街を包み込みますように


私は、温かな雨になりたいんだ
私一人の幸せ何て、ちっぽけなものは、
ちっともいらないんだ

かわいい子ども達に、どうか笑っていてほしい
どうか、傷つかないでほしい

もし、悲しくなってしまったら
私が包み込んであげたい

大丈夫だよ、と笑顔で言ってあげられる人でいたい
私が太陽になるから、泣かないで


傷つくために生まれてくる人が
いていいわけがないんだ

人類の運命なんて、知ったこっちゃない
社会変革など、勝手にしろ

子供が泣かなくてもいいようにする

温かな愛情と
向日葵のように咲く笑顔が
人々の間に溢れていればいい

いつの日か
私が太陽になる

いつの日か
私が温かな慈雨になる

きっと、みんなが幸せになりますように
私は、そのために生まれてきたのだから

神から、贈り物を受け取ったんだ
使命は果たさなくちゃならない

誰よりも泣いて
誰よりも悲しんで、惨めで、それでも、誰よりも愛されていた

私は温かな雨になる

強くなりたい
守りたいものを守れるように

ずっと欲しくてたまらなかったものを
人に分け与えてあげられるように

私の周りにいる人たちには
どうか笑っていてほしい

私が人を傷つけることもあるけれど
それでも

いつの日にか









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