リフレクサ

トレーナー、治療家をやってます。 トップアスリートや武術の達人の身体の使い方は、実は特…

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トレーナー、治療家をやってます。 トップアスリートや武術の達人の身体の使い方は、実は特別なものではなく誰でもできるものということを皆さんに知って頂く活動を行っています。noteの投稿は#1から続き物になっています。始めから読んでいただくと嬉しいです。

最近の記事

Polar star of effort (case12) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

 一流アスリートが信じられないようなパフォーマンスを発揮する秘密・・・  それは、「重力を利用した身体の使い方」にあります。   「Utilizing Gravity Movement (U.G.M.) 利重力身体操作法」  重力に「抵抗する」のではなく「利用する」。  この「polar star of effort」シリーズは、一流アスリートの持つ身体の感覚を解剖学に基づいて理論的、段階的に「求めるべき状態、動作」を明確にしていく試みです。  求める状態が理解できれば、努力

    • Polar star of effort (case11後編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

      Case 11  28歳 男子 柔道  後編  「まあ、そんな落ち込まないで・・・」と光太郎君の盛り上がった肩を叩く。  「大丈夫です! 引っ張る方はどうなるんですか?」  「えっとね、『引き』も基本的な考え方は同じ。『押し』は相手の力や自重を自身の身体の内側に受け入れて肩甲骨、胸腰椎移行部、骨盤を連動させる。特に骨盤の前傾によって上から蓋をするように地面に向かって力を伝えることが重要。それは『引き』の場合も同じ。」  「はい。

      • Polar star of effort (case11 前編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

        Case 11  28歳 男子 柔道  前編  「知っている」と「理解した」は全く違うものである。「知っている」とは、テレビ、書籍、ネット、人の話し等から得た知識として「知っている」ということであり、「理解した」とは、体験し体感、実感するといった、いわゆる経験によって裏打ちされたものである。  したがって「理解した」人の言葉は、その人自身の言葉として語られ、雄弁ではなくても重みがあり説得力がある。  この「本当の理解

        • Polar star of effort (case10) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Case 10 23歳 男子 野球 ピッチャー  「お久しぶりです!」と入会手続きに来たのは、岩間 健太 23歳 社会人野球チームでピッチャーをしている。178㎝ 82㎏と厚みのある身体をしている。  実は、彼は高校時代に私の施設でトレーニングを行っていた。当時は練習が忙しかったため週一回くらいのペースで通い、コンディショニングを目的として使ってくれていた。  「久しぶりだね。何年ぶりかな? 大人になったね。あれ?お腹出てない?」  

        Polar star of effort (case12) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

        • Polar star of effort (case11後編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

        • Polar star of effort (case11 前編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

        • Polar star of effort (case10) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case9) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

            Case 9  20歳 男子 陸上短距離  「身体が固くて、柔軟性が大事なのは分かるので、部活でもストレッチは必ずやっているのですが、全然柔らかくならないんです。」  と言って入会してきたのが約1年前。太田 慎司 20歳。大学2年生。  陸上競技をやっていて、専門は100m、200m。  身長177㎝、体重75㎏と、なかなか良い身体つきをしていた。  確かに入会当時は、前屈や開脚の可動域に制限があったが、これまでのトレーニングにより改善され

          Polar star of effort (case9) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case8 後編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

            Case 8 35歳 男性 競輪 後編           石渡さんは、すでにウォーミングアップを終えていた。  「今日のコンディショニングは大丈夫ですか?」  「大丈夫です。前回の内容もバンクで確認してました。問題ないと思います。」  「いいですね!では、実際の動きをやってみましょう。と、その前に結論を言いますと、一般に言われる筋肉を大きくするトレーニングとパフォーマンスUPのためのトレーニングは、全くの別物です。どっちが良い、

          Polar star of effort (case8 後編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case8 前編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Case 8 35歳 男性 競輪  石渡 一樹 35歳 競輪選手。3年前から通ってくれている。入会当初は、腰痛に悩まされているということでコンディショニングを主な目的として利用してくれていた。   太腿は、63㎝。流石の太さである。  競輪の世界は、実力主義である。勝てば上のランクに上がり、比例して賞金も上がる。  勝てなければ成績が下がり、代謝制度というものがあり、最終的には「強制引退」いわゆる「クビ」になってし

          Polar star of effort (case8 前編) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case7) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

            Case 7 27歳 男性 サッカー   長谷川 真 27歳 男性 サッカー選手  チームは県社会人リーグの1部でしのぎを削っているという。  この施設でトレーニングを始めて、もうすぐ5カ月経とうとしていた。  「監督にフィジカルが弱いから体幹を鍛えた方が良い、と言われたんですけど、体幹トレーニングをお願いできますか?」と言う。  身長170㎝、体重65㎏とサッカー選手らしい締まった身体つきだが、近年のサッカー選手としては、確かに大

          Polar star of effort (case7) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case6) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

            Case 6 21歳 男性 スノーボード  「この前、サーファーの女の子に教えていた脚の使い方、自分にも教えてください!」 パーソナルトレーニング開始の挨拶もそこそこに、迫って来たのは榊 凜太郎 21歳 大学生。趣味は、冬はスノーボード、夏はサーフィン、陸ではスケートボードとボードに乗るのが大好きな男子である。  トレーニングを始めて3カ月。週3~4回は、トレーニングに励んでくれていた。  「ああ、見てたんだ。そっか、始めて3カ月だね

          Polar star of effort (case6) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case5) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Case 5 26歳 女性 バスケットボール  膝の骨模型を眺めていた。膝の構造を見ていると決まって思い出すことがある。  今から15年くらい前になるだろうか?現在の施設を立ち上げる前、別の施設で働いていた時のこと、実業団のバスケットボールチームに所属している選手のトレーニングを担当したことがあった。  新井 響子 26歳 身長182㎝と長身で、手足が長く、本当に8頭身以上あるのではと思わせるほど顔が小さいのが印象的だった。  「やっ

          Polar star of effort (case5) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case4) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

               Case 4 28歳 男性 陸上競技 槍投げ    電卓を叩く手を止めて、頭を抱えて天井を見上げた。「いや~、今月も赤字か・・・世の中厳しいなぁ。」もうこれ以上計算したくない。  現実から逃げるように、予約表に目を通した。「お!」トレーニング体験の方が1名入っていた。「よし。ここは一つ、ご入会につなげたいなぁ。」  体験に来られた方は、長谷川 雄太 28歳 中学から陸上競技をやっている。大学では、槍投げ競技で日本インカレに出場するほど本格的に取り組んでいたという。

          Polar star of effort (case4) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case3) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Case 3 21歳 男子 野球 野手 「大野さん!自分ヤバいんすよ!」唐突に話しかけてきたのは、嶋田 翔吾 21歳。    大学の野球部に所属している。身長182㎝で体重75㎏と締まった身体つきをしており、野球選手というよりは、陸上の短距離選手のような体型をしていた。  彼は、1年ほど前に入会し、トレーニングを継続してくれている。  入会時、打率は割と自信があるが、長打力が欲しいということだった。  入会す

          Polar star of effort (case3) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort (case2) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

                Case 2 17歳 女子 サーフィン  ある日の夕方、パーソナルトレーニングを終えて、フロントに戻ると一人の女の子が座っていた。顔や腕は綺麗な小麦色に日焼けしており、笑った時に覗く真っ白い歯が印象的な女の子だ。服装はラフだが、彩鮮やかなで、お洒落な感じであった。  本人に聞くまでもなく、「サーフィンやってるの?」と聞くと「はい!ショートやってます!」と元気に答えてくれた。  彼女は、片瀬 舞 17歳。サーフィンの先生から紹介されたとのこと。先生に「股関節が硬い

          Polar star of effort (case2) アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          Polar star of effort case1 アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

              Case 1  14歳男子 陸上競技部 短距離   秋も深まり、冬の訪れが近づいたころ、母親に連れられ来館してきた中学生、谷沢 秀斗。  細身で175cmの長身、口数は少ないが真っ直ぐな視線が負けん気の強さを感じさせた。  小学生の頃から脚が速く、特に練習もしていないのに走り幅跳びで市の大会で優勝するなど身体能力の高さを窺わせた。その経験から中学で本格的に陸上を始めることにしたという。  中学1年の秋の大会までは順調にタイムは伸び、100mでは「12秒63」を出したと

          Polar star of effort case1 アスリートとアスリートに関わる全ての人達に・・・

          #38 身体能力の限界。あなたはポジティブ派? ネガティブ派?

          身体能力の限界について ネガティブに考えると、   ゴールが遥か彼方過ぎて気が遠くなる話・・・・・・ 「人間は、トレーニングを重ねれば重ねた分だけ筋力が強くなっていくのか?」 「筋肉はどんどん大きくなっていくのか?」という疑問。    残念ながら人間である以上、やはり物理的に限界があります。  骨格が決まっている訳ですから筋肉のつく量もおのずと決まりまってしまいます。  どんなに筋トレをしても、ヒグマや白熊のようにはなれません。生物の形状はDNAで決定されているので、おの

          #38 身体能力の限界。あなたはポジティブ派? ネガティブ派?

          #37 「○○の呼吸!△の型!!」からの「守破離」

           今まで見てきた動作と呼吸の関係は、まず先に「正しい動作」でした。  正しい動作ができれば自然に呼吸が必要な分だけ行える。  では、腹圧と同じく逆はどうか?  正しい呼吸を意識して行えば、正しい動作が身につくのか?  正しい呼吸を身に付けることで信じられない力を発揮するといえば、  あの、鬼を狩る某大ヒットアニメの「鬼〇の刃」です。  最初は息子に見せていたのですが、自分がはまってしまい、アニメ、映画全部見ました。  それは置いといて、物語の中で頻繁に出てくる「呼吸が大

          #37 「○○の呼吸!△の型!!」からの「守破離」