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仕組みにも人にも、自分なりに理解して向き合う|私たちの職務経歴書 ~ 國本 智明

こんにちは!
マネーフォワード ビジネスカンパニー(MFBC)コミュニケーションデザイン室の塩原です。

「私たちの職務経歴書」シリーズでは、面接の場でみなさんとお会いする社員のこれまでの経歴、マネーフォワード(以下:マネフォ)になぜ入社したか、今の仕事ややりがいなどをお伝えしています!

今回紹介するのは、経理財務プロダクト本部 本部長の國本 智明(くにもと ともあき)さんです。

IT企業で海外拠点の責任者を経験したのちマネーフォワードに入社し、2022年12月から経理財務プロダクト本部の本部長を務める國本さんが、マネーフォワードを選んだ理由や、どんな方にMFBCで活躍いただきたいかなどを聞いてきました!

経理財務プロダクト本部 本部長
國本 智明
新卒で知り合いに誘われるがままバーテンダーを2〜3年経験した後、未経験でIT業界へ。大規模プロジェクトでの開発を担当した後、技術スキルをより高めるために規模の大きな企業に転職。PMとして幅広い業種のプロジェクトに携わり、ベトナム拠点の責任者を6年務める。2022年にマネーフォワードに入社。2022年12月より本部長としてエンジニア組織のマネジメントを行っている。

ーー國本さんは、大学卒業後にバーテンダーをされていたと聞きました。いわゆる普通の就職をしない選択をしたと思うのですが、どうしてバーテンダーになったんですか?

國本:学生時代によく通っていたレゲエバーの店長に、卒業と同時に働かないかと誘われたことがきっかけです。ほかに一緒にお店に通う同じ大学の友達もいましたし、私はお酒が飲めないんですが、「國本はお金の計算ができそうだ」と言う理由で選ばれたそうです(笑)

卒業後にバーで働くことについては、全く迷いはなかったですね。ライブやイベントができるバーだったので、音楽をやっている友人が出演したりして、楽しく働いていました。

塩原:大学卒業後も、そのバーが友達と会える場所になっていたんですね。楽しそうです!ただその後、プログラマーに転身されたということですが、どんなきっかけだったんですか?

國本:当時店長だった人が独立するタイミングで、次の店長にならないかという打診をもらったんですが、3年弱働く中で、人前で話すのに少し疲れていたことに気づきました。それで今後の進路を考えた結果、姉が働いていたIT業界に興味をもち、プログラマーとして就職しました。

そこは受託開発をしている二次請けの10人強の規模の企業で、2年ほど働いたんですが、もっとほかのエンジニアとも一緒に仕事をしてみたい、さらに技術的な経験を積みたいと考え、インテリジェンス ビジネスソリューションズ(現在のパーソルプロセス&テクノロジー)に転職します。

パーソルには合計17年ほどいたのですが、はじめの10年ほどは日本で、クライアント向けの開発や、グループ会社の基幹系システムの開発に携わりました。いずれも数十億規模の大規模プロジェクトで、大規模開発の開発手法やプロジェクトの進め方を知ることができましたし、PMとしてマネジメントの経験もしました。

今振り返ると、多くのプロジェクトに関わる中で、多種多様なクライアント、そして多種多様なシステムに触れた10年間だったと思います。またこの期間に、その後のマネフォ入社につながる多くの人との出会いもありました。

ーー日本で、多くの大規模開発プロジェクトを経験されたのち、ベトナムでオフショア開発を行うパーソルプロセス&テクノロジー ベトナムの代表を務められることになったんですね。

國本:そうですね。パーソルで10年働いて、そろそろ転職かなと思っていたところに、ベトナムの子会社を担当するという打診をもらいました。

塩原:もともと、ベトナムに関係するお仕事もされていたんですか?

國本:赴任の前に半年ほど、出張でベトナムに行っていた経験はあり、ベトナムの雰囲気は知っていたつもりです。なので、全く知らない場所という感じではなかったですね。一方で、英語に関していうと、読み書きはある程度できましたが、会話の経験は全くない状況でした。ただ、それも何とかなる気はしていました。

塩原:「とりあえず行ってみよう」という前向きさ、すごいです!英語が100%でなくても何とかなる感じはあったんですね。実際にベトナムに行ってみてどうでしたか?

國本:ベトナムのオフィスは、数人の日本人スタッフと100名程度のベトナムメンバーという構成でした。もちろん、コミュニケーションはすべて英語です。

最初の3ヶ月〜半年くらいは、「careful」が「colorful」に聞こえるなどベトナムベンバーの英語が聞きとれないこともありましたし、たぶん私の英語も伝わっていないことが多くあったと思います。そして「急に来たけど、あなた誰?信頼できる人なの?」とも思われていたはずで(笑)。自分が試されていた期間だったなと思います。

なので、まずは毎日一緒にご飯を食べたり、お茶をしたり、とにかく話す時間を増やすことを意識しましたね。彼らが考えている課題や解決策について聞くだけでなく、積極的に自らがやってみせて、実際に変えることも心がけました。

塩原:言葉がスムーズに通じない段階で、コミュニケーション量を増やすのは大変そうですね。

國本:ここは精神力の問題になってきますよね(笑)。話しやすい雰囲気づくりはベトナムに限らず心がけてきたことでもあります。

塩原:バーテンダーで多くのお客さんと話してきた経験を持つ國本さんにとって、(たとえ言葉が通じなくとも)まずは会話を通じて人と人として向き合うということは自然な流れなのかもしれないですね。日本とベトナムでは、マネジメントする上でどんな違いがありましたか?

國本:日本人同士なら10のうち5を伝えれば、残りの5の部分は同じ世界観の中で察して、対応してくれることが多くあります。しかし、ベトナムでは5を伝えたら、その5部分は完璧でも、残りの5はこちらがイメージしていたものと違うものになってしまうこともありました。話をすり合わせたと思っていても、実際は別の理解をしていたというケースが多く、行間を埋めるコミュニケーションを心がけていました。

ーーマネフォに入社したキッカケを教えてください。

國本:MFBCのカンパニーCPOである杉田さんに誘われたことがキッカケです。パーソル時代に同じ現場で仕事をしたことがあり、杉田さんがマネフォに入社して以降も、時折連絡を取り合っていたんです。

2019年にマネフォがベトナムに初めて開発拠点を設立した際、杉田さんから「ホーチミンに開発拠点ができたから、見学してみたら」と連絡をもらったんです。ちょうど私もベトナムにいた時だったので、オフィスに遊びに行かせてもらい、当時のマネーフォワードベトナムの代表であった都築さんなどを紹介してもらいました。

見学したときは「マネフォは今後、ベトナム拠点を本気でスケールさせていくんだな」と感じました。というのも、私もベトナム拠点での拡張などを経験していましたが、マネフォのホーチミンオフィスは、立地も内装も非常に本気度が感じられるものでした(笑)

塩原:その後、どんな経緯でマネフォへの入社を決めたんですか?

國本:2020年頃に改めて杉田さんから「マネフォのベトナムで働いてみないか」と声をかけてもらいました。しかし、実はもう日本に帰国することを家族とも決めていたんです。その事情を話したところ、日本に戻ってからマネフォで働かないかと誘っていただきました。

塩原:そのときはどんな印象でしたか?

國本:ポジティブな印象でした。いくつか理由があり、1つめはグローバル化。海外のエンジニアを増やしたり、海外拠点をスケールさせることを強力に推進していると感じたことです。
国内エンジニアのTOEICの点数目標を設定し、CTOの中出さんをはじめとした経営層自らが積極的に英語を学んでいました。グローバル化を進めていく環境なら、自分のベトナムでの経験が生かせるのではと思ったんです。

(以下は、CTO中出さんによる「エンジニア組織の英語化」宣言です)

2つめはマネフォのプロダクトがバックオフィスの課題を解決するものであったこと。私はベトナムで事業運営側の仕事を多く担当していて、人事労務や経理財務などのバックオフィス業務のアナログな状況に苦労した経験があります。そのペインを解決できるプロダクトに自分が参画できるのが魅力的でした。

塩原:なるほど、ベトナムで代表をされていた時に、バックオフィスのペインを肌で感じられていたんですね。カルチャー面で、マネフォに感じた魅力はありましたか?

國本:トップダウンではなく、現場がオーナーシップをもって仕事を進められる点は非常に魅力に感じました。

その後、マネフォへの転職の意志を固めましたが、新型コロナの影響もあり、入社までの準備に2年ほどかかりました。最終的に2022年6月に入社することになりましたが、みなさんあたたかく迎えてくれました。

ーーマネフォに入社して驚いたことやギャップはありましたか?

國本:チームの8割のメンバーが英語話者だったことです。たまたま初めに配属されたチームの状況もあったんですが(笑)

その後、私のポジションが変わるにつれて日本人メンバーの比率は高まりましたが、こんなに英語話者のメンバーが多いのかと驚きました。

それから、毎月組織変更があって、自分の役職も毎月変わっていった、スピード感やフレキシビリティもマネフォらしいと思いました。入社時には、本部長をやるという話は特になかったんですが、気づいたら入社半年で本部長になっていました(笑)

塩原:そうやって、入社後もどんどん役割が変わっていった國本さんですが、心がけていたことはありますか?

國本:精神論になりますが「習うより慣れろ」は心がけていました。人からただ話を聞くだけでなく、体験したほうがキャッチアップしやすいので、実際に自分でソースを確認しに行って手を動かしたりといったことをするようにしています。

状況によっては毎日のミーティングに入ってメンバーが日々対応している課題内容を温度感含めて確認しましたし、非常に難易度が高い課題に対しては、自分が最前線に立って対応にあたることもありました。プロジェクトへの理解度が深まると、メンバーからも「わかってる人だな」と思ってもらえて、信頼関係が深まり気軽に相談されるようになった気がしています。

ーー働くうえで大事にしていることはなんですか?

國本:大事にしていることは、解像度をできるだけあげて仕事をすることです。自分が正しく判断しメンバーに適切なアドバイスをする上でも、自分自身がしっかりと理解することを大切にしています。

例えば、メンバーから相談をもらったときに、二つ返事で承認するのではなく、どういう事象なのかを理解した上で話を進めています。

塩原:國本さんは、メンバーともすごく丁寧に向き合っている印象で、入社時のメンバーとの1on1も多くされていました。仕組みや事象に対しても、人に対しても、自分なりにしっかり理解・納得してから判断したいと思われる方なのかなという印象を持っています。ちなみに、一番仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?

國本:メンバーと一緒に仕事をしていく中で、できることが増えたり、前向きに仕事をしているなと感じられたりするとうれしいですよね。引き続き、みんなと一緒に頑張っていきたいなと思います。

ーーマネフォではエンジニア組織の英語化を進めていますが、國本さんからみてどんな状況に見えますか?

國本:経理財務プロダクト本部では、半数くらいのチームで英語化がかなり進んでいます。やはり英語話者のメンバーがいたり、ベトナム拠点と仕事をしたりしているチームはしっかりと英語化が進んでいて、ミーティングのドキュメントも英語になっている状況です。

一方で、直近では電子帳簿保存法やインボイス制度等の法令対応が最優先のプロダクトも多くありました。そういったプロダクトに関わるチームは、メンバーの英語学習の優先度を少し下げていたので、まずはTOEICのスコアを上げていくところから進めています。

塩原:海外拠点で働いていた國本さんから見て、英語上達に向けたアドバイスはありますか?

國本:私自身は、ベトナムで英語で仕事をしていたら、TOEICの点数もどんどん上がっていきました。やはり学習目的ではなく、英語の海に入って自ら溺れにいった方が、必要に迫られて話せるようになっていくと思っています。しっかりと準備できていない状態でも、どんどん英語を使っていくのがいいよという話は、メンバーにもしています。

――これからやっていきたいことを教えてください。

國本:経理財務プロダクト本部では、マネーフォワードのBusinessドメインの中で、SMB領域のプロダクト開発を担当しています。SMB領域のお客様は、日本の事業者の大多数にあたる中小企業や個人事業主の方々です。たとえば、『マネーフォワード クラウド会計』の開発も担当していますが、会計ソフトを利用している中小企業の割合は半数程度で、それ以外の企業では、表計算ソフトに仕訳を手入力されていたり、手書きで帳簿をつけていらっしゃったりというのが現状です。

会計ソフト、そしてクラウド型サービスの便利さは、いまもアナログな業務を続けている企業へもっと届けていきたいですし、使っていただくことで、本業に集中できる時間を作り出していただけたらと思います。また、クラウドサービスをさらに便利に使っていただけるよう、今後はAI活用も検討していきたいです。

我々の提供するプロダクトで企業のバックオフィス業務を効率化し、企業の成長に役立つことができれば、日本を元気にしていくことにもつながると考えています。

エンジニア組織としての成長余地や改善点は色々とあるので、課題を改善していきながら組織を成長させていきたいです。また、なかなか難しい部分でもありますが、エンジニア一人ひとりがやりたいことを実現できる場にしていきたいです。

マネフォは提供プロダクトの幅も数も多く、さまざまな開発手法を取っていたりもするので、様々なメンバーの成長機会がある環境です。

経理財務プロダクト本部に限らず、MFBC内のほかの本部や、ほかのカンパニー、横断のエンジニア組織も含めると選択肢は広いので、一人ひとりの希望に叶う、働きやすい場を提供していけたらと思っています。

ーーどんな方にマネーフォワードに来ていただきたいですか?

國本:当事者意識があって、「テクノロジーで世の中を変えたい」「プロダクトで価値提供したい」と強く思っている方と一緒に働きたいです。

経理財務プロダクト本部では『マネーフォワード クラウド会計』『マネーフォワード クラウド確定申告』『マネーフォワード クラウド請求書』の3つのプロダクトの開発を担当しています。中でもクラウド会計はプロダクトの歴史が10年と長いため、ユーザー数もトラフィック数も多い。そういった社会的な影響が大きいクラウドのプロダクトに関わる経験ができるというのは、エンジニアにとっては面白い環境だと思います。

また、「マネーフォワード クラウド」としては20を超えるプロダクトがあり、さらに今後も増えていくと見込まれるデータ量を前提としたアーキテクチャーが必要という点を考慮しながら、マイクロサービス化を進めたり、フロントエンドの技術を見直したりしているフェーズです。プロダクト開発視点だと、過渡期とも言えます。

技術には、最新技術の活用と、新しくはないが難易度の高い課題に立ち向かうための技術があると思うのですが、いまの「マネーフォワード クラウド」の開発には、そのいずれも求められます。そんな、難易度・複雑度が高い環境を楽しめる方に来ていただきたいですね。

ーー最後に、國本さんのプライベートについても教えてください!

國本:小学生と中学生の子供がいるんですが、一緒によく遊びに出かけています。自転車の練習をしたり、買い物に行ったり。

この前は、渋谷に一緒に買い物に行ったんですが、つい欲しいものを買ってあげてしまい、奥さんに叱られました(笑)

札幌の円山動物園にて

ーー編集後記

國本さんは普段、大勢がいる場で熱くビジョンを語ってメンバーを引っ張っていくタイプのマネージャーというよりも、静かにあたたかく見守っているイメージです。

ただ、なにか大変なことが起こった時には真っ先に先頭に立って解決しにいく、そんな「なにかあっても國本さんがいれば大丈夫」な感じを出している本部長だと思っています。

その信頼感の背景にあるのがまずは、エンジニアとしての確固とした知識とスキル。キャリアの割と早い段階からマネジメントの経験をされている國本さんですが、最新技術への薄れない興味や、いつでもテクノロジーに触れていたい感じは、インタビューの端々から感じました。

そして、一貫したぶれない言動。時には難易度が高く急を要するシステムトラブルや、組織としての難しい問題に直面することももちろんあるわけですが、そういった状況で國本さんは、躊躇することなく最前線に立って、自ら解決しにいこうとする。その覚悟や逃げない姿勢が、「この人なら信じて大丈夫」と思わせるのではないかと思います。

もう一つ付け加えるとすると、向き合う相手とのコミュニケーションを大事にしようとする気持ち。バーテンダーの頃のお客さんとのコミュニケーションも、代表としてベトナムに行った時にメンバーと話す時間をとにかく増やしたというエピソードも、マネフォに入社してからメンバーとの1on1を大切にされたというお話も、どれもまわりの人の話に真摯に耳を傾ける姿が印象に残りました。

こんな國本さんが率いる、経理財務プロダクト本部では、新しい仲間の力を求めています。ぜひ力を貸してください!


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