見出し画像

ベトナム人スタッフ今日解雇しました


本社から電話があり、「〇〇さんから変なメール来たけど、説明してくれる?」と言われ、すぐに気づいた。

その2時間ほど前に、このスタッフに態度の悪さから、再度の注意喚起の連絡を入れたのだった。

本社から転送してもらったメールの内容を見て、呆れてしまったが、適当な嘘で自分の主張を繰り返し、最後にお決まりの「弁護士」のワードが入っていた。

「私は2の子供の為なら何だってするし、弁護士の用意もある!」

本社側は呆れていたが、いくらアホでも適当な嘘の作り話を、いきなり本社にメールして良い方向に向くとでも思ったのだろうか。

私は理路整然と事実と経緯を話し、事前に弁護士に確認しておいた動労基準法にのっとった退職の勧告と共に、適当な嘘の主張に綺麗に事実を返信した。

「あなたの主張に対する返信は下記の通り、全て1つづつ回答します。ーーーーーーー最後に、労働基準法に沿い、弁護士に確認しました。あなたは1週間の猶予があり、解雇となります。しかしながら、本日付けでの退職を希望するのであれば、会社はそれを受け入れます。」

その後、携帯のメッセージに「今日で退職します」と来た。

何も特別な事ではない、これがベトナムで働く日常でもある。

適当な嘘が見抜かれる事を考える事も無く、感情で行動し、弁護士に何を相談するかも分からずに適当に弁護士のワードを出し。事実を告げられると、嘘の羅列の為に言い返す事も出来ずに終わる。

本当に頭が悪いと思うのだが、これを繰り返して互いに成長するのだ。

いや、こういうベトナム人は自覚が無いので成長などしないが。。


該当スタッフは1か月前に採用し、【試験採用期間中】であった。

ベトナムでは、試験採用期間が2か月あり、その中で見極める。

試験採用期間中は本採用時の給与の85%の支給となり、雇用保険や社会保険等の必要も無く、年12日間ある有給休暇も適用されない為、休んだ分を引いて給与支給すればよい。

タイだと試験採用期間が4か月あるのが、採用側にはありがたい。


この違いからもいかにベトナムの労働基準法が非雇用者側に有利か想像できるであろうが、試験採用期間が過ぎると基本は1年契約をして、その後は延長で5年契約、1年契約を再度する場合は、翌年に終身契約を結ぶという決まりがある。


これからベトナムで採用を検討している方は、短い雇用期間で見極めて、安定するまでは何度も人を入れ替えなければならない覚悟は必要だ。

これは、ベトナムだけでなくシンガポールを除いた他の東南アジアでも同じである。

特に飲食店等でサービス業のブルーカラー人材を採用する側はこんなもんじゃない。定着率も低いし、単純作業の仕事もなかなか覚えられない。ベトナムの飲食業でそれなりの高級店を出す場合にはサービスの質は最低限保たないと、当然ながら世界中かの客も接客には意外にうるさいので、態度の悪い店員は嫌でも目に付く。

勤務中に携帯いじって猿のように「ゥキャッキャッキャッ」と地べたに座ってる、一流ジムのトレーナー達や客が来ているのにボケーっと客用の椅子に座り接客もしない店員や、オーダーを覚えられないのに、メモしないアホも多い。

でも、これが日常である上に、ベトナム人にとっては何ら悪い事という認識がそもそもないのだから、当然言っても改善しない。


2014年の末だった。滞在先のフィリピンで唯一、夜間でもデリバリーしてくれる日本食屋のマネージャーの高木さんが、ある日店に食べに行った時にこう漏らした。

「いやー、私も飲食業界長くて、元はイタリアンだったから、この店の方向性良くしようと頑張ってるんですがね。フィリピン人はもう無理です。」と言って翌月には退職していた。

「〇〇人は無理です/〇〇人には出来ない」このフレーズを今まで幾度となく東南アジアでは聞いてきた。

私は100%同意できるが、仕方ないのである。

そもそも雇用主も東南アジアの現地人がテキパキ働いてくれるなんて思っても居ないのだが、最低限のレベルがあるのだ。

それが出来ないレベルだと、そもそも事業が成り立たないのである。

「4番テーブルにビールを運ぶ / 〇〇さんにメールを送る / 大幅に遅れる時や休む時は連絡する / 接客せずにボケーっと突っ立たない」

日本人が「そば食って音立てるな / 列に並ぶな、割り込め / 会社勝手に休め」って言われたって無理でしょ?

それをしない理由が無いというか、それをするのが当たり前で教育されてきたから、出来ないのと同じというか逆で東南アジアの今のオフィスワーカー世代は、そもそも親がオフィスワーカーではなくて自営業か農業の人たちで模範が居ない上に、ミスが悪い事という認識が無いのだから。


とは言えども、ここをクリアしてくれる人材を見つけて育てて、定着させられれば、大抵は現地でのビジネスはよほど無茶なビジネスモデルでない限りはうまくいくと思う。


メッセージやコメント頂ければ知ってる範囲でベトナムやタイの事情をお伝えさせて頂きます。



それでもまた明日から、1人ベトナムで生きてゆく。


#ベトナム #仕事 #労働基準法 #解雇 #人材 #市場 #試験採用 #クビ #事実 #ブルーカラー #飲食 #ビジネス #新規参入 #マーケット #飲食業 #海外進出 #note  


サポートが大きな励みになります。