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映画『キングダム』感想

予告編
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映画『キングダム2』感想文はこちら

今年の7月にシリーズ三作目も公開される予定みたいですし、これを機に観直してみても良いかもしれません。


公開当時、およそ4年くらい前の感想文ですが、もしよろしければ併せて読んでくださいな。


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 何年前だったかな? 原作の『キングダム』連載10周年を記念した特別動画で、わずか3分ほどでしたが実写化されたんですよね。当時も山崎賢人さんが主演だったその動画を見て「何これ? もはや映画じゃん」と唸ってしまうほどのクオリティに思わず「本当に実写映画化しないかな」なんて思っていましたが、まさかそのまま山崎賢人主演で実写化するとは……。

しかし去年、佐藤信介さんが監督された漫画原作の実写映画2本の印象があまりにも違ってしまっていたため(『いぬやしき』は面白かった!『BLEACH』は、まぁ……ね、うん笑)、少し警戒して観に行きましたが、今回は良かった、凄く面白かった! 単純にCGが良くなっている印象です。実写部分と乖離してCGだけが浮いてしまうような違和感が少なく、背景として自然に溶け込んでいました。いやホント、『BLEACH』時のそれは……、あんまり好きになれなくて笑。


 監督がインタビューで口にしていた “醍醐味” が存分に描かれていると思います。本作のそれはおそらく、いや間違いなく “アクション”。 殺陣そのものの一部は決して綺麗(或いは上手?)ではないけれど、むしろ、だからこその魅力に溢れたアクションシーンが満載なんです。特に主人公・信(山崎賢人)の暴れ具合が最高。“斬る” というより “振り回す” に近いぐらいの滅茶苦茶な動きが故に、マジで危なっかしい本当に斬りに(当てに)行っている感じのせいで観ているだけでヒヤヒヤ、ハラハラさせられる。そのおかげで生み出されたアクションシーンでの緊張感だけでも見応え十分なのですが、その異質さを放つ途轍もない動きによって、戦士ひしめく群衆の中にあっても目立ち続け、且つ、主人公のガムシャラな感じとリンクしていて一層面白く感じる。

“観たことがない”、“斬新な” というよりは、型や様式美を意識するあまりに今まで「ナシ」とされてきたアクションを「アリ」にしてしまったような、そんな形容の方が適当なのかもしれません。そりゃそうだよ、戦場は生きるか死ぬかの紙一重で、形だ何だではない。くずおれようが立ち上がり、泥臭かろうが前進する者こそ真に美しい! まさに滅茶苦茶、だからこその美しさ。


 そんなアクションシーンを彩る音楽もかっこよくて素敵でした。何の楽器かな? 多分コントラバスとか低音の弦楽器の刻むような音から始まるBGMが特に好き(タイトルがわからないです。ごめんなさい)。作戦が決まったり、逆境を覆せるかもしれない一筋の光明が射したり、「ここから物語が動き出すぞ」という時に流れてくるため、タイミングも相俟って、よりゾクゾク、ゾワッとさせられ「来た来た!」「始まるぞ!」と思わせてくれる。



 個人的にですが、以上のことはとても重要なことだと思うのです。奴隷から始まり、天下の大将軍を目指す……。苦境に立たされても前に進む。壁に阻まれても前を見据える。そして王座奪還という、映画上での最終的な目的に到達してもなお、“中華統一” という更なる高みを提示して終幕する……。

アクションといいBGMといい、本作には原作同様に ”前に進むかっこ良さ” が存分に出ている。“興行成績ハネた時のために続編を匂わせて終わる” というのは映画にはよくある話かもしれませんが、殊、本作『キングダム』においては違う。“まだ終わらない” という終わり方こそ相応しい、そんな気がします。


 本当に面白かった。まぁ、時代モノだし、お堅いしゃべりが多いから、アクセントとか滑舌が甘いのは正直言うと気になってしまいましたかね……。こういう類の作品は平板に喋り過ぎたり助詞が変に上がっていたり若者言葉に近付くと言葉に厚みが無くなっちゃう気がします。あ、でも信だけはそういう喋り方のほうが、良い意味で浮くというか、主人公らしく目立つ気もするので、信についてはアリなのかな……?
こんな重箱の隅を突くような難癖しか付けられないくらい、アクションを含め、他が良かったってことです笑!


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