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精神科で働いていると暗い気持ちになりませんか?とよく聞かれますが

精神科で働いている人の
昔からの〝あるある〟だと思うんですけど

・暗い話を聞いていて自分も暗くなりませんか?
・うつに〝引っ張られる〟ことはありませんか?
・統合失調症とかうつ病って
 うつるんじゃないですか?
・ネガティブな性格になったりしませんか?


などと聞かれることが
本当によくあります。

何なら
急性期病院から
精神科病院に転職した際には

うちの父親や親戚からも
よく聞かれたものです。


「そんなとこで働いて
 お前のメンタルは大丈夫なんか?」

と。

それが世間の感覚なんだろうと思います。


それから6年くらい精神科病院にいますが
今日その結論を
お伝えします。



暗い話を聞いて
暗い気持ちになることはあります!

そりゃあります!


ですが
そこから
患者さんや家族と
一緒に良くなる方法を考えているので
暗い気持ちのままでいることはありません。


これが今日の結論です。


◯共感するだけが能じゃない


・ハードな仕事でうつ病になった
・虐待されてPTSDになった
・学校でいじめられたから
 対人恐怖症になった

など
過去の出来事が
精神に影響を与えていることは
多々あります。

ですが
そこに対して
傾聴と共感だけでは
あんまり何も変わらないと思います。


もちろんいきなり
対策を考えていく

と言うわけでは決してないので
まずはしっかり話を聞いて
相手の感情を想像することから
始まりますが。


ですが
そこから
今起きている問題を整理して
患者さん自身が
自分自身の足で
歩いて行けるように
何をすべきか考えることが
我々の仕事の本質

患者さんと
同じ気持ちになることが
仕事ではないんですね。


ここが大事で
医療者や援助者のペースで
患者さんに接しない
ということが大事なんです。


◯過去の不満より将来の不安を考える


そして
過去にあったさまざまな
辛い出来事に対して
傾聴して共感するだけでは

患者さんはいつまでも自分のことを

かわいそうな人
かわいそうな人生

と自己評価してしまうだけで
より良くしよう
というモチベーションには繋がりにくい。


で、どうする?

と今のままでは
何が不安なのか
何が問題なのかを考えていく。


これって未来を向くから前向きであって
過去ばかり見ていると後ろ向きなんですね。


むしろ
この感覚を持っていないと
医療者や家族側も
暗い気持ちに引っ張られる
ということは起こるんじゃないかと思います。


◯医者も精神病になる


あと付け加えておきたいのが
精神科医でも
うつ病にもなるし
統合失調症にもなります。



うつ病の生涯発症率は13〜17%
統合失調症の生涯発症率は約1%

と言われているわけです。

単純に医者が10人いれば1人はうつ病になり
100人いれば1人は統合失調症になっても
おかしくないわけです。

うつ病を患ってから
医師になる人もいるでしょうし。

そして
医師だけでなく看護師などの
医療者も同じですが
精神病院で働いているから
精神病がうつるとか

そういうことではないんです。

誰しもがなる可能性があるわけで
因果関係があると思いすぎない方がいい。

どんな職種にも
大なり小なりストレスがあって
それをきっかけに
精神病を発症することはありますが

精神科病院など
メンタル系の職場で働くことで
精神的に病んでいく

ということは
あまりないのかなと
個人的には思いますよ😌

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