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賽を振るは、神か人か -4-

 門が豹変して襲ってくる。そう、冷静に考えればそうおかしなことではない。侵入者を阻むのが門の役割だからだ。言うなればこれもある種のミミックと言えるだろう。

 とはいえ、この鬼瓦の様な面構えをあらわにした奇怪ゲートキーパーを前にするとちょっとばかしたまげたのも事実だ。咄嗟に投げ放ち、そしてブーメランの様に帰ってきたハチェットをキャッチすると、今度は大口径拳銃と入れ替えつつしゃがみこむと横振りの回転ノコギリを寸前で避ける。

 俺が七転八起で人間などたやすくひき肉ネギトロに出来る凶器攻撃を器械体操の如く回避しながら関節部を拳銃で狙い撃つ一方で、6・Dもまた走り込みながら手にしたアサルトライフルでもって鬼瓦ゲートキーパーを牽制する。

「出オチポジションかと思いきや中々頑丈だ!」
「全くだぜ!次はまともな出目頼む!」

 阿修羅マシンアームだけで仕留められない事に業を煮やしたか、鬼瓦ゲートキーパーはモーター音を伴い下部に密集させた火器を砲火し始める!だが6・Dがグレーのダイスを振ったのはほぼ同時だった。出た目は、5。

 掃射と共にこちらを照準に入れようとした火器群は突如異音と共に暴発、爆発を繰り返し瓦解していく。常識では、動き始めたばかりの自動制御火器があっさり自滅するなど考えにくい事だが、それをつかみ取るのがあのダイスの恐るべき長所であった。

 もっとも、某幸運頼りのヒーローと違って毎回都合のいい目が出て何とかなるわけではないらしく、ここ一番は地の実力が重要となるとの事だ。

「ナイスだ!」

 賞賛と共に俺は大地を踏みしめ、両手でもって大口径拳銃を握り四連阿修羅マシンアーム回転ノコギリ部を狙い撃つ。構造上強度を確保できなかった関節部に着弾すれば凶悪な回転ノコギリはキュルキュルと回転を止めた。

「マスター、脆い箇所をポイントします」
「頼むって!」

 素早く随伴するAIドローンがポインティングディバイスによって赤い軌跡で示した先は、ちょうど鬼瓦ゲートキーパーの眼にあたる部分だ。どうやらあそこにカメラがマウントされているらしい。

「そこだ!」
「あたれぇーっ!」

 襲い来る他のマシンアームをスウェー回避からの引き撃ちで鬼瓦ゲートキーパーの目に二人がかりで銃撃を差し込む。度重なる被弾で先に打ち込まれた銃弾が奥へ奥へ押し込まれていき、その後ろにはさらなる銃弾がねじ込まれる。

「ダメ押し!もっていきな!」

 視覚系を破壊されて狂ったように阿修羅マシンアームを振りまわす鬼瓦ゲートキーパーの眼孔へと6・Dは照準を合わせアサルトライフル下部にマウントされたグレネードを放つ。

 スポンとホールインワンを決めたグレネード弾は門内部で派手にさく裂、爆圧でこちらに吹っ飛んできた木戸を横っ飛びで避けた先には一見よくある和風の平屋豪邸、その玄関が視認出来た。

「入る前からコレとは、先が思いやられる事だな」
「まったく、だぜ」

 左手に銃を、右手にマチェーテを握ると慎重に邸内へと踏み込む。見た目だけなら何の変哲もない屋敷だが、そういう場所ほど危険な物だ。

【賽を振るは、神か人か -4-:終わり:-5-へ続く

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