マガジンのカバー画像

ニーチェ まとめ

33
ニーチェ関連の記事まとめです
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

哲学者は結婚しない!?でも、ニーチェ自身は… ニーチェ『道徳の系譜学』

哲学者は結婚しない!?でも、ニーチェ自身は… ニーチェ『道徳の系譜学』

第三論文 七 哲学者と禁欲的な理想より

哲学者は結婚を、そして結婚せよと
促すすべてのものを忌み嫌うのである。
――哲学者にとっては結婚は、
最善なものにいたる道を塞ぐ障害であり、
妨害物なのである。
これまで結婚していた偉大な哲学者など、
そもそも存在したことがあるだろうか?
ヘラクレイトス、プラトン、デカルト、
スピノザ、ライプニッツ、カント、
ショーペンハウアー
――彼らは結婚しなかった。

もっとみる
その『善い』は、ホントに『善い』の? ニーチェ哲学『ルサンチマン』について

その『善い』は、ホントに『善い』の? ニーチェ哲学『ルサンチマン』について

前回に引き続き
『NHK「100分de名著」ブックス 
 ニーチェ ツァラトゥストラ 』
を基にして

今日はニーチェ哲学のキーワードを
紹介します。



ルサンチマンとはフランス語でressentiment

「繰り返し」の意味のreに
「感情」の意味のsentiment

感情が振り払えす反復する
というところから
「うらみ・ねたみ・そねみ」の意味
になります。

これがニーチェ哲学におい

もっとみる
「超人」への道は「語り合い」にあった? ニーチェ哲学

「超人」への道は「語り合い」にあった? ニーチェ哲学

『NHK「100分de名著」ブックス 
 ニーチェ ツァラトゥストラ 』
を基にしたニーチェ哲学への導入の
3記事目です。

今日は『超人』の話をします。



ニーチェの言う『超人』とは何か?

とても優れた能力を持つ人…
めちゃくちゃ頭がいいとか
足が速いとか、力が強いとか
そういうものではありません。

ルサンチマン(嫉妬)や
ニヒリズムに囚われないで
常に創造的に生きる人のことです。

もっとみる
「なんか、つまんないなぁ…」という人のための哲学 ニーチェ

「なんか、つまんないなぁ…」という人のための哲学 ニーチェ

私たちはどうやって生きていけばよいのか

その問いに
真正面からぶつかった哲学者ニーチェ

彼の哲学は、現代日本人のためにこそある
…という話を

『NHK「100分de名著」ブックス 
 ニーチェ ツァラトゥストラ 』
を基にしてお話します。



「なんか、つまらない」
「やる気がでない」
「人生だるい」

今、そんな声を良く聞きませんか?

日本に居れば、生存には困りません。

働けなくな

もっとみる
人殺しは絶対悪か? ニーチェ「道徳の系譜学」

人殺しは絶対悪か? ニーチェ「道徳の系譜学」

行為そのものに善悪があるのではない
たんに
「損害」をもたらすのが悪いだけ
なのだ。

イメージしやすい例として
「人殺し」を挙げてみる。

これは、絶対の悪だろうか?

平和な現代に生きる私たちの中には
直感的に「悪い」と
感じてしまう人も多いのではないか。

私も、そう感じた。

ただ、少し想いをめぐらせれば
違うことが分かる。

これは
武士の時代はもちろんだし
最近なら戦争を考えれば分かる

もっとみる
ルサンチマン人間って、どんな人? ニーチェ「道徳の系譜学」

ルサンチマン人間って、どんな人? ニーチェ「道徳の系譜学」

ルサンチマン=怨恨(恨み)の念

ニーチェ哲学のキーワードだ

辞書で意味を調べると
以下のようになっている。

強者に対し仕返しを欲して
鬱結(うっけつ)した、弱者の心。

鬱結=気がふさいで晴れ晴れしないこと

Oxford Languagesの定義

今日は、ルサンチマン人間の特性を
紹介する。

「自分はルサンチマン人間だろうか?」
「本当はどういう姿になりたいのか?」

という視点を持ち

もっとみる
「良い」のホントの意味、知ってますか?  ニーチェ『道徳の系譜学』

「良い」のホントの意味、知ってますか?  ニーチェ『道徳の系譜学』

「良い」こととは何か?

「良い」の一つの基準として

「自己中心的でない」
すなわち
「利己的でない」が挙げられるだろう

確かに、なんとなく「良い」気がする。

自己犠牲的に、他の人を助けるような
いわゆる「良い」話の例は
とても沢山ある。

感覚としては、嘘ではなさそうに思える

でも、これをニーチェは
誤りであると断言する。

なぜか

それは、この「良い」の基準が
「利己的でない行動」を

もっとみる