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「超人」への道は「語り合い」にあった? ニーチェ哲学

『NHK「100分de名著」ブックス 
 ニーチェ ツァラトゥストラ 』
を基にしたニーチェ哲学への導入の
3記事目です。

今日は『超人』の話をします。

ニーチェの言う『超人』とは何か?

とても優れた能力を持つ人…
めちゃくちゃ頭がいいとか
足が速いとか、力が強いとか
そういうものではありません。

ルサンチマン(嫉妬)や
ニヒリズムに囚われないで
常に創造的に生きる人のことです。

常に、人生に高揚感を覚えながら
創造性を発揮してイキイキと生きる

それが超人です。

ニーチェは『ツァラトゥストラ』の中で
精神が超人になっていくステップを
三段階で描いています。

1段階目は
忍耐を良しとするラクダ

2段階目が
獅子と竜の戦い

「われ欲す」=「俺はこうやりたい」
という獅子


全ての価値はもう決まっている
「汝なすべし」=「決まっている通りやれ」
という竜
の戦い

そして3段階目、最終段階は
無心で遊ぶ「幼子」になります。

何も否定する必要がなく
自分から溢れ出す想像力に身を委ねている

砂場で遊ぶ幼子のような状態
これが「超人」の精神だと言うわけです。

この「超人」の精神にたどり着く方法

それは
「何が自分を悦ばせるか」を問い続けること
それしかありません。

先ほど挙げた精神の3段階の2段階目、
獅子の「われ欲す」
この「欲す」を強めていった先
「超人」が待っているわけです。

そして、
自分が「何を欲しているのか」は
自分にしかわからない

であれば、自分に問い続けるしかない

というわけです。

ここで、
『NHK「100分de名著」ブックス 
 ニーチェ ツァラトゥストラ 』の
著者である西先生は
一つの提案をしています。

「表現のゲーム」です。

これは「語り合い」によって
他者の感覚と自分の感覚を照らし合わせ
自分の善い、悪いを検証していく
取り組みです。

この「語り合い」のないところで
創造性が高まることはない、と
西先生はおっしゃいます。

他者のあり方を知り
自分がどう生きてきたかを見て
自分が生きていく上での
価値観・目標を育てて
いく

「語り合い」を通して
これが出来る
わけです。

ただ、この「語り合い」には
条件があります。

自分をさらけ出す必要があるのです。

上辺だけの会話では
価値観を育てていくことはできません。

自分をさらけ出すのは、怖いものです。
否定されるかもしれない…と思えば
それは、そう簡単にはできません。

ですから、
「間違っているかもしれないことを、
 不十分な言い方で言っても大丈夫」
という安心感を持てる場
 が必要なわけです。

お互いが、誠実な関心をもって
お互いの話を聞き、訪ね合う

「安心して語り合える場」が、
自分の価値観を明確にしてくれ
自分の欲するものがわかるようになり
超人に近づけるようになるのだ

ということです。

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