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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#出会い

世界と私10

世界と私10

南さんと一緒にギャラリーを出て、
二人で並んで歩いた。

南さんはとてもいい匂いがした。

知らない人とランチなんて始めてだ、     

昔の私ならいい訳をしてパスしていた。
でも不思議と南さんとはもっと話したいと思った。

歩いて5分ぐらいのところに、
お店はあった。

台湾料理のお店で、
聞いたことも、
見たことも無い料理ばかりだったので、
注文は南さんにおまかせした。

注文するとすぐに料

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仕事(世界と私8)

仕事(世界と私8)

私はギャラリーの中の写真を見た。

普段なら見過ごしてしまうような、
日常の何気ない一場面を、
主人公にした写真が多かった。

脇役をメーンにした写真。

「ねえ、この近くに住んでるの?」

「えっ?はいそうです。」

「主婦?」

「えっ?まっ一応、
最近結婚して引っ越して来たんです。」

「そうなんだ、何か仕事してるの?」

「今探してて、でもなかなか希望の仕事が無くて。」

「会ったばかりで

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敏感な私(世界と私7)

敏感な私(世界と私7)

扉から顔を出したは、
細身で色が白く、私より少し背が高く、
髪の長い女性だった。

「25日からだけど、良かったら見て行って!
中にもいっぱい写真があるから。」

そういうと彼女は私の手を引いて中に入れた。

とても狭いギャラリーだったけど、
中には写真と絵がたくさん飾ってあった。

「絵も描くんですか?」

「うん、そうなんだ、写真がほとんどだけど、
良いアイデアが浮かんだら絵も描く!
写真好き

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新たな出会い(世界と私6)

新たな出会い(世界と私6)

クリスマスまであと2日。
私は簡単に家クリスマスをやろうと、
準備の為に買い物に出かけた。

風は冷たいけど、
外の空気は気持ちがいい。

スーパーは歩いて10分のところにある。

私はいつも大通りを歩いてスーパーに行くのだけど、
たまには違う道で行って見ようと、
路地を曲がり、住宅街を歩いていた。

閑静な住宅街を歩いていると、
小さなギャラリーがあった。

「こんなところにギャラリー?」

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運命と私 19

「今日の朝、電車の中で会いましたよね?」

「えっ?」

やっぱり泣いてたのを見られたんだ!!
私は恥ずかしくなり知らない振りをした。

「そうですか?」

「僕の気のせいかな?
今日はお一人ですか?」

「はい。」

「僕はこの近くで働いているんです、
職場この近くなんですか?」

「いえいえ、今日は買い物に来ただけです。」

そんな話しをしていると、
彼のサンドイッチをお姉さんが運んで来た、

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運命と私 17

運命と私 17

最近は食欲が無かったのだが、
サンドイッチを見たら、
久し振りに食べたいという気持ちになった。

私は迷わずお店に入った、
出来たばかりの綺麗なお店で、
お店の奥を見るとテラス席もあった。

12月にテラス席に座る人はあまりいないようで、
誰も座っていなかった。

「テラス席でもいいですか?」

「えっ!いいですけど、寒いですよ。」

「大丈夫です。」

私はテラス席に座ってローストビーフのサンド

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