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世界と私10

南さんと一緒にギャラリーを出て、
二人で並んで歩いた。

南さんはとてもいい匂いがした。

知らない人とランチなんて始めてだ、     

昔の私ならいい訳をしてパスしていた。
でも不思議と南さんとはもっと話したいと思った。

歩いて5分ぐらいのところに、
お店はあった。

台湾料理のお店で、
聞いたことも、
見たことも無い料理ばかりだったので、
注文は南さんにおまかせした。

注文するとすぐに料理が運ばれて来た。

南さんおすすめの料理は思ったより、
おいしかった。

日本人の口に合う味付けにしてあるので、
食べやすくなっているらしい。

「私、変わった料理好きなんだ!」南さんが言った。

「私も好きです、
自分じゃ作れない異国の料理好きだけど、
食べたことが無い料理ってレシピ見て作っても、
正解なのかわからないから、難しいですよね。」

「うんうん、わかる!」

「自分の口に合わない料理をまずいって言う人がいるけど、
私はいつもその表現に違和感を感じるんです、
変わった味だな!
こんな味があるんだ!って私はワクワクするのに、
それをまずいの一言に片付けられちゃうとなんか寂しくて・・・
あっ!なんか1人で話しててすみません!」

「言いたいことわかるよ、
口に合わない=まずい
自分と違う感性=変わり者
自分と合わない=嫌い

こんな単純な考え方の人間なんてたくさんいる。
表現は人それぞれ違うから世界はおもしろいのに、
それに気が付いて無い人たちがいるよね。
みんな同じ感性で同じ考えだったら世界は成長しないのにね。」

南さんは大人だった。

色々な経験が彼女を変えたのかもしれない、
今までどんな経験をしてきたのか少し興味があった。


つづく

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