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ベンチャー転職録⑴ 2ヶ月経って感じる大手とベンチャーの違い

気付けば、ベンチャーに転職して神速の2ヶ月。

「ベンチャー転職録」シリーズも今後記事にしたいと思います。第一弾は、2ヶ月経って感じる大手とベンチャーの違いについて。

結論から言うと、大手との違いを感じる最大の違いは、日々の業務で課題を見極める機会の多さです。

大手に在籍していた時は、一定の標準化された型となる業務フローがあり、上司から振られる仕事を効率良く、正確にこなせば「優秀」とみなされましたが、今は違います。取組みべき仕事に値する「課題」を自ら見極め、周りを巻き込んでその課題を解決してこそ「優秀」とみなされる為、「優秀」のハードルが一段階上がった気がしています。

そこで、言わずと知れた問題解決系のバイブルである『ISSUE DRIVEN』に立ち返りました。改めて読みましたが、この本の本当の価値を今だからこそ身に染みて感じると同時に、迷った時に立ち返るべき理論は必ず一つ持つべきだと感じました。

本書では、「本質的な課題の見極め」が問題解決において最も重要だと強調されていますが、ベンチャーで働いていると、その重要性を肌で感じます。限られたリソースの中で、問題解決のインパクトを最大化しようとするなら、そもそもの課題設定が適切でないと、全てが無駄に終わります。ベンチャーで働く醍醐味は、本質的課題を見極める実務経験とその嗅覚を養える事にあると言っても過言ではないと思います。

根底にある考え方は、「何に答えを出す必要があるのか」と言う議論から始め、「そのためには何を明らかにする必要があるのか」と言う流れで分析を設計する事だと述べられていますが、ブレない判断基準を持つには、このアプローチがまさに必要だと日々実感します。

課題は仮の答え(仮説)ありきで分析する必要があると、本書に限らず「仮説思考」と言った形で多くの本で紹介されていますが、「やってみないと分からないよね」ではなく、強引にでも前倒しに具体的なスタンスを取ってしまうことが肝要だと紹介されています。これは、頭で分かっていても、うっかり忘れがちな事で、私もたまに自分のスタンスが曖昧な時があります(笑)ここで踏ん張れるかで、分析効率と解釈・アウトプットの質が大きく変わります。

スタンスの言語化で重要なのは、何について白黒つけようとしているのか意識する事。つまり「WHY」ではなく、「WHERE」「WHAT」「HOW」のいずれかの形を取る事が肝要。

・「WHERE」:「どちらか?」「どこへ目指すべきか?」
・「WHAT」:「何を行うべきか?」「何を避けるべきか?」
・「HOW」:「どう行うべきか?」「そう進めるべきか?」

メモがてら、良いイシューの3条件も紹介します。

①本質的な選択肢である
②深い仮説がある
③答えを出せる

①本質的な選択肢
「右なのか左なのか」というその結論によって大きく意味合いが変わるものでなければ、イシューとは言えない。「本質的選択肢=カギとなる質問」であり、どちらになるかによってそこから先の研究に大きなな影響が出るのが良いイシュー。

②深い仮説がある
一般的に信じられている事を並べて、その中で否定できる、あるいは異なる視点で説明できるものがないか考える。本で学ぶより、その分野に詳しい人へのインタビューが効果的。

新しい構造で世の中を説明できるか考える。「人が何かを理解する」というのは、「2つ以上の異なる既知の情報に新しい繋がりを発見する」事であり、構造的理解には4パターンある。

1. 共通性の発見
2. 関係性の発見
3.グルーピングの発見
4.ルールの発見

③答えを出せる
インパクトのある問いがそのまま良いイシューになる訳ではない。「本当に既存の手法、現在着手し得るアプローチで答えを出せるかどうか」見極める事も重要。「現在ある手法・やり方の工夫で、その問いに求めるレベルの答えを出せるのか」といった視点で見直すことが肝要。

さて、良いイシューの条件とスタンスを取って仮説を立てる重要性が分かったところで、情報収集の重要な点は一次情報に触れる事だと思います。

一次情報に触れる(現場情報の死守)
誰のフィルターも通っていない、情報を死守する。現場で実際に何が起こっているのか、その事実を確認する事が重要。一次情報は、実際に起こっている事、本当の事に対する肌感覚を与え、明確な仮説を立てる為の強い指針を与えてくれる為、まずは一次情報を取りに行く意識を持ちたいと思います。

整理すると、以下に集約されるかと。
①前倒しに強引にでも、自分のスタンス(仮説)を固める
②本当にそのスタンスは正しいのか、一次情報から優先的に検証する
③正しいと判断する場合、イシューを分解して課題の広がりを整理する
④正しくないと判断する場合、リサーチ内容を基に別のスタンスを探る

このサイクルは、ビジネスのみならず、人生そのものにも適用できると思いますので、全てのスタートポイントである、自分のスタンスを取り切ることを、踏ん張って、常に心掛けたいと思います

ベンチャーに転職して、この重要性を肌で感じる事ができたという意味では、転職して本当に良かったなと思っています。




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