マガジンのカバー画像

通訳ガイドのこぼれ話

86
通訳案内士の経験からのエピソードや外国人案内に役立つ話をまとめてあります
運営しているクリエイター

#伝統芸能

日本は終わってないよ。自己紹介代わりに。

日本は終わってないよ。自己紹介代わりに。

通訳ガイドのぶんちょうです。
正式名称は「全国通訳案内士」です。外国から日本に来た旅行者に付き添って各地を案内する仕事をしております。

この職業はあまり知られてないようなので、ざっと書いておきますね。

ガイド期間は、数時間から数週間位まで。案内人数は、1人から数百人位までと色々です。あまり人数の多い場合はガイドが複数つきます。徒歩と公共交通機関の組み合わせや、専用車のみでの移動、団体を率いて大

もっとみる
伝統文化② 歌舞伎メイク 隈取り

伝統文化② 歌舞伎メイク 隈取り

こんにちは。通訳ガイドのぶんちょうです。
今日も私の視点で、初心者さん向けに歌舞伎について紹介します。前回の記事はこちらで、歌舞伎がどのように生まれたのかについて書いてあります。

皆さんは歌舞伎の演目に、どちらのイメージをお持ちですか?
1 二枚目の役者さんがなよっとした感じで演じる
2 すごい形相で顔に模様のついた役者さんが「てやんでぇ」風に演じる

1に近いイメージの方は「和事」2の場合は「

もっとみる
伝統文化③ 江戸時代の歌舞伎の楽しみ方

伝統文化③ 江戸時代の歌舞伎の楽しみ方

通訳ガイドのぶんちょうです。今日も私の視点で歌舞伎を知らない方に向けて書いていきます。前回は「見得」という独特の演出方法について触れました。

見得はクライマックス、感情が最高潮に達したときに役者が首を少し回してからにらみを効かせるのですが、この瞬間に合わせて、舞台の右手に置いたツケ板が拍子木で勢いよく打たれます。この音で場に緊張感が走り、観客は今まで以上に役者の表情に釘付けになります。

また、

もっとみる
伝統文化④歌舞伎 今を生きる江戸庶民

伝統文化④歌舞伎 今を生きる江戸庶民

通訳ガイドのぶんちょうです。
今日も初心者向け、歌舞伎について私の視点で紹介していきます。

テレビも映画もなかった江戸の庶民は、歌舞伎が最高の娯楽だったわけですが、なぜそんなにハマっちゃたのでしょうか。

きのうの記事に書いたように、舞台演出の面白さがあります。でも、それだけではありませんでした。

歌舞伎のストーリーは大雑把に分けると以下の二つがあります。

時代物 (江戸時代から見た歴史物で

もっとみる
人形浄瑠璃文楽

人形浄瑠璃文楽

通訳ガイドのぶんちょうです。古典芸能の「文楽」初めてさん向けに書いていきます。文楽と人形浄瑠璃は歌舞伎よりもさらに馴染みがないと思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。私もガイドになる前はそうでした。

歌舞伎の記事はこちらにあります。

さて、文楽の話に戻ります。文楽と人形浄瑠璃は違うもの?と思うかもしれませんが、同じものです。浄瑠璃とは、簡単に言うと音楽のことです。つまり人形浄瑠璃は「

もっとみる