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伝統文化② 歌舞伎メイク 隈取り

こんにちは。通訳ガイドのぶんちょうです。
今日も私の視点で、初心者さん向けに歌舞伎について紹介します。前回の記事はこちらで、歌舞伎がどのように生まれたのかについて書いてあります。



皆さんは歌舞伎の演目に、どちらのイメージをお持ちですか?
1 二枚目の役者さんがなよっとした感じで演じる
2 すごい形相で顔に模様のついた役者さんが「てやんでぇ」風に演じる

1に近いイメージの方は「和事」2の場合は「荒事」の歌舞伎にどこかでちらりと触れているのかもしれません。

ざっくりわけると歌舞伎の演目には2種類あります。上方と呼ばれる京都・大阪あたりで行われていたのが「和事」わごとで主に恋愛物です。

一方、江戸で行われていたのは「荒事」あらごとと呼ばれる、ちょっとオーバーな表現の多い力強い芝居です。今年7月のオリンピックの開会式ではジャズピアノとのコラボで市川海老蔵さんが演じていた衣装が、この荒事の代表作「暫」しばらくのものでした。

この「暫」を初めに演じたのが初代、市川團十郎だんじゅうろうだと言われています。浅草寺の境内には、9代目の市川團十郎が「暫」を演じている姿の銅像があります。今の海老蔵さんも13代目、市川團十郎を襲名する予定でしたが、コロナのためだったと思いますが延期になっています。

歌舞伎と言えば有名なのは隈取りくまどりですね。顔に赤や青の線をペイントする、これです。

歌舞伎役者

この化粧は荒事で、一部の役者さんが施すものです。隈取りは役者さんが自身で行います。それぞれの色にもちゃんと意味があって一般的に、赤は善人の気持ちを、青は悪を、茶色は人間ではないものを表しています。

こう言った歌舞伎の決まり事をちょっと知っておくと歌舞伎をみる時に面白くなります。

一方、衣装に関しては、非常に重いものもあり舞台上で緩んではいけないので、何人かの人の手によってしっかり着付けされます。特に荒事ではヒーローを強く大きく見せるために、綿を中に着込んだ上に着物を重ね着したりするので何十キロにもなることがあるそうです。

オリンピックでは「暫」海老蔵さんが「見得」という歌舞伎独特の演技を披露しました。動きを止めてにらむような仕草です。このほかにもいくつかの歌舞伎独特の演技方法がありますが、この続きはまた明日、書くことにします。


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