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言葉に出合う幸福。

京都の泥書房で教わった。
詩集は自分に馴染むものから読んでいくと良い、と。

そんな言葉を胸にしまいながら、
京都を旅する中で「幸福論」という詩集に出合った。

転んだ人間に
だまって
手を差し伸べるのは
転んだことのある者たち
「アスファルト」より

若松英輔(2018)  幸福論 亜紀書房

たった数行の言葉。
だけれども、その推敲された言葉は私の中に強く残る。

言葉はきっと形のない贈り物。

本や言葉はどんな時に、
何を考えながら読むかで、
受け取れる本質が変わってくる。

時間をかけて意味がわかる言葉もある。

そうして少しづつ自分の出合う言葉が増えていく、
私に馴染んでいく言葉や物語が増えていく。
そんなことの繰り返しが、
きっと私にとっての幸福論。


詩集に触れてみて、
短い言葉にたくさんの情景が思い浮かぶ。

まだまだ深く広く言葉の世界に触れてみたい。

ほんの少しのゆとりを持って、
また書を探す旅に出る。


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