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その"衝動"が宇宙と未来を創造する。

人間のものの見方というのは、全て経験の産物だ。
小さな経験しかない人間は考え方も狭い。
-ジョン・スワイガート-
(アポロ13号、宇宙飛行士)

先日、「インターステラー」という映画を観てきました。
その映画の迫力と怒涛の伏線回収、そして親子の愛に魅了され、抜け殻になりながら帰路につきました。
圧倒的な幸福感と充実感をその映画から感じました。

映画一本からでも人はこんなにも心を動かされる、
そして心の動く先にある行動にはきっと本質的な学びがある。

そんなことを書いてみます。

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知的好奇心が自分を創る

前述したように今回僕は「インターステラー」という作品に魅了されて来ました。

この映画、大きなジャンルで言えばSFモノで、宇宙の話や普段耳慣れない物理の概念が多数登場します。
例えば、相対性理論、量子学といったもの。
もちろん最小限の説明はあるので知識がなくとも物語に引き込まれていき、この宇宙の旅を楽しむことができます。

しかし心を掴まれた作品ならば尚のこと、作品をより深い理解で楽しみたいと思うものです。

文系の僕も珍しく相対性理論について学んでみたくなりました。
相対性理論を説明する言葉として提唱者のアインシュタインは簡単にこう話しています。

熱いストーブに1分間手を乗せてみてください。
まるで1時間くらいに感じられるでしょう。
ところが、かわいい女の子と一緒に1時間座っていても、
1分間くらいにしか感じられません。
それが相対性というものです。

なるほど。
こうした感覚的表現は人間誰しも経験があるものでわかりやすい。

こうやって分からないことを考える、そして感覚的に納得する。
その納得は自分の土台になり、次の分からないことを考える基準になる。

こうして知的好奇心や刺激、知りたいという欲求が自分を作っていく、
この状態こそ、以前noteでも触れた"学習に価値を見出す"ということなのかもしれない。
※アーリック・ボーザー著「Learn Better」より。

https://note.com/rai1996_note/n/n85d79040f59b

強い感動が、自分を動かし自分を創る。
こうした体験を、”原体験”というものではないかと考えます。

未来が過去の行動を正当化する

この原体験という言葉は就活の時によく問われたものでした。
「あなたをあなたとする経験は何でしたか?」

この問いは非常に興味深く、自分を深掘りしていけばいくほど、自分にとって当たり前だけれど言語化できていなかった、そんな自分の感覚に出会うことができます。
しかしながらこの問いは就活までの人生で積極的には問われてこなかった内容だとも思います。

自分はなぜ、”こうしたい”と感じるのか。
自らの考え方や行動に”Why”と疑問を投げかけて行くと、やはり何かしらの経験や体験が自分の中に存在していることに気付きます。

その根本にある経験、原体験は何か大きな衝撃でないといけないのだろうか。
例えば母子家庭として育った経験であったり、海外で生活した時期があったり。

それらは非常に大きな原体験であると思う。
それらの経験に比較すると映画一本観たことは何と小さな原体験かと感じてしまう。

けれどどんなに小さな経験も決して大袈裟ではない、素晴らしい原体験になるのだと思いました。
幼少期の憧れを昇華させ、その道のプロへ進む人が存在するように、何がきっかけに自分が形成されるかは後になってみなければ分からないのです。
小さなことでも、感動や好きという気持ちが行動につながれば、その好奇心は未来の変化に向かう第一歩かもしれない。

過去が自分を決めるのではなく、未来の自分が過去の選択を肯定する
そんなことを感じます。

起こりうるパラダイムシフト

最後にご紹介するのはパラダイムシフトの考え方です。

地動説を唱えたガリレオ・ガリレイ。

しかし、当時の基準で言えばそれはあまりにも異端な考えで、ガリレオ存命中は地動説は受け入れられなかった。
しかし何故、今では地動説が当たり前になっているのか。

それは世代交代があったから。

天動説が常識だった時代、それを信じる学者や博識者が自分たちの考えを曲げず、地動説や新しい説を信じようとしませんでした。
やがて時は流れ、天動説を信じてやまない人々が少しづつ他界していき、次の世代の学者たちは自説や新説という先入観なく、事実を分析し、地動説が正しいという結論に至りました。

このように考え方の転換、パラダイムシフトが起こったのは、もちろん後の世代の学者たちが優秀だったことも要素の1つです。
しかしそれ以上に、既存の考え方に捉われすぎず、客観的な視点で物事を考えたことにありました。

その客観性こそが少数派だったものを、多数派に変え、概念そのものが変わるパラダイムシフトに繋がったのです。

人間のものの見方というのは、全て経験の産物だ。
小さな経験しかない人間は考え方も狭い。
-ジョン・スワイガート-
(アポロ13号、宇宙飛行士)

心動かされる体験と知的好奇心。
それが自らを形成し、新しい発見への足がかりになる。
そして個人の目線がより普遍的なものの見方に変わった時、変化は起こる。

固定化された考え方ではなく、新しい概念に向かっていける人。
変化に怯えるのではなく、変化に適応できる人でありたい。

そんなことを思います。

ライ


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